Track 8

4-右耳

動くと シャンプーの香りが 鼻をくすぐりますね さあ 初めて参りますね 石鹸の いい香り 横顔 横顔は その人の 人生を映すと 言われておりまして 正面ではないのは 自然な表情になる だからでしょうか? ここからだと よく見えますよ 玄関を出て  道刈りに行った先に 少し大きな 神社がございます その中に 一本の 古い桜の木が ご近所のお婆さんが 若い頃に旦那様と植えた物で 満開の姿は それは立派な物だった そうですよ 私は知っているのは 枯れて葉もつけない 古木の姿だけです お散歩に よく 神社を通るのですが その時 偶々 ご一緒致しまして 旦那様との馴れ初め 結婚記念に 桜を植えた話 社に 枝が当たるまでに成長して 枝を落とすのに 反対した話 子供が出来て 大人になって 都会に出た子が お盆にも帰って来ない という愚痴も 今年の初夏に 大風て 堂々 折れてしまいました オチも何もない 只の世間話です 枯木も山の賑わいが 折れるまでは 話を聞くまでは 気にも止めていなかったですけとね 無くなると 寂しい物です 今は 朽ちた株が あるばかり さあ 綿棒を 今も 昔も 変わらず 私には 古木しか見えませんが あのお婆さんには 夏は青々 秋は真っ赤に 春には 満開の姿を 見せるのでしょうね 懐かしい思い出と 一緒に 昔話をしながら 古木を眺める横顔が とっでも印象的で ロマンがあるではありませんか 自分だけの桜の木 桜の話も 今夜のお風呂も いいことも 悪いことも 些細な積み重ねが  黄昏を味付けてくれるのですね きっと 人生をシワに刻むとは よく言ったものです それでは 私は この辺りにでも 刻んでおいて頂けますか? 反対側 致しますね 失礼致します "Credit goes to hana from Bahamut (Taiwan site) for the JP Script." - Hayate