Track 10

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6-左耳

きゅ こう見えて 私は強欲なのです 何でもかんでも 大切に 取っておきたい 物も 景色も 人も お別れは いくつになっても 慣れませんね お仕事から 仕方がないことですが それでも ささやかに 抵抗してみたり 今夜も片耳で辞めてしまいましょうか? 半分残しておけば まだ 来ていただける気がして 子ともぽいと 笑ってください 四畳半の 隅に伸びる 黒い柱 枕の上の障子は 大きく剥げはなたれ 黒い画用紙に 沢山の針を刺したように 小さな明かりを漏らして 言葉や 文字にすると 思いては 止めやすいです 何時か 思い出してくださるよう ささやかながら お手伝いよう 古い古い バスに揺られて 見えてくるのは 木製の薄く苔むした 停留場 カラカラと 壊れそうな音を立てながら 小さくなっていく 停留ランプを見送り 剥きだしの土を踏みしめて 雨の様な 季節の声を轍に沿って くくった先て 私は 待っております 次は 何を話そうか 今度は 何をしてみようか 少し 困らせてみようか と 次に会うのが 楽しみですね もう 夜も更けますよ 続きは 夢の中で 記憶とは 道の様な物 何度も通れば 轍が出来て 地面は固まり 太い道へ 人が誰も通らなければ 雑草が茂り そのうち 忘れられるのでしょう 本の受け売りですけと 旦那様が 忙しくでも 石鹸の香りを 表札に下げておけば まだ とおを叩いて くれるかも 今のこの 旦那様の嗅いでいる匂いが はこべらさんの お家ですよ 何時でもお越しを お休みなさい 旦那様 まだ後日 "Credit goes to hana from Bahamut (Taiwan site) for the JP Script." - Hayate

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