01 プロローグ
復讐は成らず 第1話
登場人物
・巫 律子
・月森 冴香
・小見川 澪
・鶴崎 栞那
・妖魔
あらすじ
夜の街の公園。3つの影が飛び交う。
彼らは、人の世を乱す「妖魔」と、それを正す「退魔士」。
少女に乗り移った妖魔を、二人の退魔士姉弟が追う。
優勢に運ぶ退魔士姉弟。妖魔に封印を施すが、
それを見ていた妖魔の首領がいて…。
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(巫女服をモチーフにした黒髪の少女と男が、高速で戦っている。
激しい戦いだ。瞬きすら許されない攻防。)
…
律子:
…聞こえる?
聞こえる? お姉ちゃんの声が…聞こえる…?
精神を集中させて。相手の動きの先を読むの。
大丈夫。今のあなたなら、必ず見えるから…。
はっきりと見えたら、教えて。
大きく隙を作るであろう、その、刹那を…!
っ!!
そこ、ねっっ…!!
はああぁ…っっ…、
やああぁぁぁぁぁああああっっ!!
澪:
きゃあああぁぁぁっっっっっ!!!!
律子:
まだ、喜ぶのは早いっ!
この子にかけられた術を、解いてあげるの。ほらっ。
服を、脱がして…。
ほら、胸のところに、禍々しい模様が浮かんでいるでしょう…?
恥ずかしがってなんかいないで! 命がかかってるんだから。
これを、あの術で、浄化するの…。
こう、両手を、あてて…。
澪:
んっ…、はぁっ…、はぁっ…、はぁっ…。。
はぁ…、はぁ……、はぁ……、はぁ……っ。
律子:
んっ…、はぁ…、んぅぅっ…。
こうして…、あいつらの支配から…解き放ってあげるの…。
んんっ…、んっ…、んぅうぅっ…!
(★妙な、ヒルのような生物が出てくる。キイキイと妙な声を鳴らす)
律子:
ん…、体から、妙な生き物が出てきたね…。
ヒルを長くしたような、ぬらっとした、奇怪な生物。
これが、この子の体内に寄生して、身体を操ってたの…、
でも、これでっ…!
律子:
はぁ…、はぁ…。
うん。これで、とりあえずは安心ね。
服を、着せて…、ベンチに、ん、座らせて…っと。
ん、この子…うちの学園の、後輩だったんだね。
誰彼かまわず、カラダを乗っ取って、操るなんて…
あいつら、本当に、許せない…。
さぁ…、この子の意識がはっきりと戻る前に…。
さ、ほら。はやく、行くわよ。
下手な功名心は、捨てること。
……
人と関わるとどうしても、情が移ってしまうから。
もしもの時に、刃(やいば)を向けるのがつらくなってしまうから…。
ご先祖様は、それで、あいつらにやられてしまったんだから。
さぁ、ほら、急いでっ…!
妖魔:
ふぅーん…。なるほどね…♪
私の計画を邪魔していたのは、あの子たちだったんだぁ…。
どうしようかなぁ…。♪
通っている学園はわかっちゃったから…。
適当に同じ制服の子、探して~…っと。
冴香:
あはは、えー、うっそー…♪♪
じょーだん、でしょー? あははっ…。
栞那:
ふふっ。あははっ♪
そーなんだよー♪ あははっ♪
妖魔:
あなた、なかなかいいカラダしてるね…?
ちょっと、借してね~…? んふふっ…。
冴香:
えっ?
なに、なに…? えっっ??
あっっ…。ふぁ…、あ…っ…
冴香:
あー、あー、うん。
ん…。これで良し…っと。
ああ、栞那?だよね? なんでもないよ?
な~んでも、ね…。
んふふっ。まず、この栞那ちゃんを洗脳して…、
ちょ~っとずつ、味方を増やしていって…、
調子づいたあの子達に、お仕置きしてあげないとね。
両親や、ご先祖様と、同じように…♪
んふふふっ…♪♪
たっのしみ~…♪
うふふふふふっ♪♪
(第1話 終わり)