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エイリアン・アブダクション (Ver1.0)
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スクリプト:Yanh(http://blog.livedoor.jp/yanh_japan/)
・無断転載・利用を禁止します。
・このスクリプトは完成前バージョンです。実際の音声とは内容が若干異なります。
・作品をよりお楽しみになりたい方は、スクリプトを読まずに聞いて下さい。
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【妖しいお姉さんの導入】
こんばんは。いや、こんにちは、かしら。フフフ、まあ、どっちだっていいわね。時間や時刻なんて、そもそも曖昧なもの。でも、今からあなたが行くところは、もっと曖昧。時間なんかどうだっていい世界。私の声だけで、時間や空間が歪んでしまう、とっても不思議な世界に、今から、行くんですよ。部屋を出来るだけ暗くし、ゆったりとした椅子に、腰掛けて、目の前の画面を、見えるようにして下さい。あまりリクライニングすると、天井しか見えないから、少し背もたれは立てたほうが、いいかもしれないですね。
そう、その椅子が、あなたを、導く。あなたを、とっても不思議な、精神世界に導きます。
さあ、全身の力を、スーッと抜いてー。私の声だけに、意識を向けてー。
そして、一度目を、閉じて下さい。今のあなたは、目を閉じた方が、私の声により集中出来るでしょう。目を閉じる事で、あなたはより一層、リラックスし、この不思議な、精神世界に、入っていく事が、出来るでしょう。
さて、あなたは、虚偽記憶、って言葉を、聞いた事がありますか?経験していない事を、あたかも実際にあった事のように思い出してしまう、捏造された記憶、そういう、心の現象です。たとえば、過去に、いたずらされた事があるだとか、宇宙人に誘拐された事があるだとか…それらは、カウンセラーの、逆行催眠によって捏造されたものだ、と、言われています。カウンセラーの行き過ぎたミスリードによって、あたかも実際に体験したかのように記憶してしまったもの…そういうケースが、いくつもあるそうです。
たとえば、ある女の子のケースですが、その子は、学校から家に帰る途中でUFOを目撃し、それに連れ込まれて、奇妙な生体実験を受けた、そう思い込んでいます。でもこれは、催眠の暗示によるもの。あなたはご存知ですよね?催眠暗示は、カウンセラーの言葉を、あなたの心の中に、現実として構築する。催眠状態で聞く言葉は、実際に起こった体験と何ら変わらない。催眠に掛かった事のある方なら、その事を良く、ご存知だと思います。
そう、その女の子はその日、些細な事で落ち込んでいて、たまたま見つけた、心理クリニックの扉をくぐっただけ…多分、それだけの話です。想像して下さい…制服を着た女の子が、病院の、診察室にいます。しんと、静まり返った、白い、清潔な部屋に、ほのかにアロマの香りが漂い、その女の子は、ゆったりとした椅子に腰掛けています。
そう、今のあなたと同じですね
そして、目の前に座っている、白衣を着た女性、心理カウンセラーの女性が、女の子に、何かを語りかけています。さあ、耳を澄まして、聞いてみて下さい。
【心理カウンセラーの病室】
つまり、ここ最近、あまり良く眠れない。いつも、ぼーっとしてしまう、特に熱もないし、辛いところもないのに、何か心に引っかかりがある。昔あった、怖い事や嫌な事が思い出され…いや、思い出そうとしても思い出せなくて、もやもやとした不安を感じている。まあ、そんなところですかね?
と、すると…やっぱり…少し催眠、やってみましょうか。フフッ、心配いりませんよ。リラーックスして、あなたの心の奥底から、直接お話を聞く、それだけの話です。もしかしたら、あなたが忘れていた事、あなたが、心の奥に深く、しまい込んだ話を、思い出せるかも…そうしたら、スッキリしますからね。
では、もう一度、椅子に深ーく、腰掛けて下さい。そして、両手を膝の上に置いて、軽く、指を組んで下さい。
もしあなたがそうしたいなら、この、制服の女の子と、同じ動作をしてみて下さい。
そして、二三回、深呼吸しながら、肩の力を抜いていきましょう。
吸ってー
吐いてー、スーッと、肩の力を抜く
吸ってー
吐いてー、腕全体の力を抜く
吸ってー
吐いてー、もっと抜く、どんどん力を抜く
いいですね。それでは、今度は、足を、前に投げ出してー。つま先まで、ダラーンと、力を、抜いて下さい。
吸ってー
吐いてー、足の力を抜いてー
吸ってー
吐いてー、スーッと、力を抜く
そう、そうやって、力を抜けば抜くほど、あなたは、どんどん、どんどん、楽になっていきます。体の力が抜けるのと同時に、心の力も、抜けていきます。体が、楽になる。心も、楽になる。ですから、あなたは、もっともっと、楽になるために、もっともっと、力を抜きましょう。ゆったりとした、呼吸を続けながら、両手、両足はもちろん、腰や、お腹、胸、背中、首、顔の力まで、スーッ、スーッと、抜いていって下さい。そうすると、心までも、スーッ、スーッと、落ち着いて、楽になって、心地よくなっていきます。
あなたも同じように、心地よくなっていく。そう、この女の子と同じですね。このあとも、この子と同じようにすれば、ずっと、ずっと、心地よくなれますよ。
もし、あなたがそうしたければ、組んだ指を外して、手のひらを、膝や、肘掛けに置いても構いません。さあ、今から、あなたの潜在意識に、この声が直接、たどり着くようにしていきますね。
目を閉じているなら、一度目を、ゆーっくりと、開いて下さい。
目の前にある画面。今は、何も写ってませんね。でも、しばらくすると、何かが現れます。
見えますか?目の前に、丸ーい光がひとつ、現れましたね。この光を、両方の目で、じーっと、見つめて下さい。
ぼーっと、光る点。その光を、じっと見続けると、それが空中に、浮かび上がって来るように、感じるかも知れません。そして、それがかすかに揺れ始めたように、感じるかも知れません。ゆらゆら、ゆらゆらと…
さあ、左右に動き始めました。あなたは、首を出来るだけ動かさないで、この光を目で、追いかけて下さい。どんどん、どんどん、光の揺れ幅が、大きくなります。視線を動かす必要も、ありませんよ。全体をぼーっと見つめ、ただ意識で、追い続けて下さい。動く光を、スーッ、スーッと、追い続てー。
光が揺れるたびに、今度は不思議な音が聞こえ始めたと思います。この音にも、同じように意識を向けて下さい。そうしたら、あなたはさらに、さらにボーッとしてくる。頭がクラクラと、まるでお酒に酔ったかのように、気持ちよーく、揺れ始める。光の動きと、響く音の効果で、あなたの心は、ゆーらゆーら、ゆーらゆーらと、揺れ続けます。
それに連れて、あなたの瞼が、だんだん、だんだん、重くなっていく事にも、気づきます。それは、そうですよね。あなたの意識が、こんなにも揺れて、フラフラになっていたら、目を閉じたくなるのは、当たり前。目を閉じれば、もっと楽になって、もっと気持ちよく、フラフラになれるんですからね。でも、まだ、ダメですよ。私がいいというまでは、ちゃんと目を閉じないで、この光と、この音に、意識を向け続けて下さいね。
さあ、もっと光と音に、意識を集中してー。
ほら、光の動きと音が、逆になりましたよ。そうすると、あなたの意識は、スーッと、深いところに引き込まれるように、感じます。さっきよりもずっと、フラフラになっていきます。意識の揺らぎが、ますます強くなって、もう、何がなんだか、分からなくなってきます。いいんですよ。フラフラして、もっと沈んで下さい。もっと光に、引き込まれてれて下さい。もっともっと深いところに、引き込まれて下さい。
そして、あなたは、もう目を閉じたくて閉じたくて、仕方なくなっている事を、思い出します。目を閉じれば、あなたの意識は、さらに深いところに落ちて、今よりもずっとずっと、心地いいところに、たどり着けます。そこは、意識の底。真っ白な、意識の底。自分の意思や判断力が消え去り、ただ、記憶の残像だけが残っている、意識の底です。
さあ、もうすぐ音が止まり、そして光が中央で、止まります。そして、その光が、スーッと暗くなって、消えてしまうのと同時に、目を、閉じて下さいね。じゃあ、
スーッと、瞼が閉じる。
と、同時に意識が落ちていく、どんどん、どんどん落ちていく。気持ちよーく、吸い込まれる。スーッ、スーッと、吸い込まれる。深い、意識の底にある、とっても心地いい、白い空間に、どんどん、どんどん吸い込まれていく。
【女性の意識との融合】
ここは、意識の底。とっても心地いい、意識の底。
とても心地いい、真っ白な部屋。ここは、あなたの記憶が、保存されている場所。あなたが思い出せなかった、思い出が、全て大切に、保存されている場所。やっと、ここにやってこれましたね。今から記憶を、少しずつ、解きほぐしていきましょうね。
ところで、あなたは…あなたは?
ほら、だんだん意識が、混ざり合ってきましたよ。
そう、あなたは、制服を着た、女の子。そうでしたよね。自分が別の誰かだと思っていたかも知れませんが、それはただ、あなたが、思い違いをしていただけ。あなたは、制服の女の子。夕暮れ、学校の帰りに、このクリニックの看板を見つけて、立ち寄った、そうでしたよね。ここ数日、あまり良く寝れず、寝てもすっきりしなかった。でも、今は、とっても心地いいですよね。今すぐ、眠れそう。気持ちよーく、眠れそう。寝てしまいそう。いまは、そんな感じですよね。ゆったりとした椅子に腰掛けて、ただ私の声を聞いている。まるで、ポカポカと暖かい部屋で、うたた寝をしているような、気持ち良さ。でもね、寝ては、いけませんよ。目を閉じていても、寝てはいけません。この声に集中して、この声だけを聴き続けて下さい。そうすれば、眠る事なく、今の気持ちよさを、もっともっと、強く感じられますからね。
もう一度、聞きますね。あなたは…あなたは、誰でしたっけ?
そう、聞くまでもないですよね。あなたは、女の子。このクリニックを訪れた、制服を着た、女の子。そうでしたよね。最初からずっと、そうでしたよね。
クスッ、もうあなたの意識は、この女の子の意識と、混ざり合ってしまいましたね。
さあ、私の言葉を、ひとつひとつ噛みしめるようにして、まぶたの裏にイメージしながら、聞いて下さい。
あなたは、学校の制服のまま、ここを訪れて、私の話を聞いています。白いハイソックスを履いた、細い足、チェックのスカートが、くびれた腰に巻かれ、同じ柄のタイを付けたブラウスが、少し膨らんだ胸を覆っている。華奢な肩や、背中まで伸びた髪が、軽いナチュラルメイクの頬に、垂れている。
そして、今は、夕暮れ。西の空に、太陽が沈もうとして、真っ赤に燃えている。あなたが何回も、何百回も見た風景。代わり映えのしない風景。ずっと昔から変わらない…いや、もし変わったとすれば、それは、あなたの背が、伸びたから。この風景が、昔と違って見えるのは、あなたが成長したから。そんな昔の風景が、ここには記憶の残像として残っています。さあ、今から少しずつ、時間を逆回転させて、あなたの過去の記憶を、蘇らせていきますよ。
さあ、まずは昨日の夕暮れを思い出して。何も変わらない?そうですよね。
じゃあ、おとといは?少し雲が出てたかな?
そして、その前の日、さらに前の日と、遡っていって下さい。そうやって、どんどん、どんどん、過去に戻っていくと、あなたの意識は、今よりもさらに深くて、心地いい状態になっていきます。さあ、時計が逆に回転する音に、耳を傾けて。
1週間前、まるでパラパラマンガのように
2週間前、戻っていく
1ヶ月、深い記憶の底に
2ヶ月、心地いいところに
3ヶ月、落ちていく。落ちていく。
さあ、ここまでで、何か変わったところは、ありませんか?ちょっとした変化を、見逃さないで下さいね。
4ヶ月、季節も、うつろう
半年、変わらない
1年、代わり映えのない風景。意識だけが、落ち込んでいく。
2年、さらに昔。景色が、少し大きくなったように感じる。でも、それは、あなたが小さくなったから、そう感じるだけ。
3年、遡る。小さくなっていく。昔の自分に戻っていく。さあ、そのまま、記憶のページを、めくり続けて下さい。はるか昔の、あの、特別な日まで。そう、戻っていく、戻っていく。記憶のページを、めくり続ける。
逆転する時計の針が、止まる。ふっと、ページをめくる手が止まる。そう。その日ですよ。その日、あなたは何かを見た。見てしまった。そうですよね?
そう。光。それは、夕暮れの空に明るく輝く、光の玉。星や、飛行機とは全く違う、白く輝く、光の玉。さあ、その日の事を、もっともっと、思い出しましょう。あなたの記憶を、もっと、もっと解きほぐしていきましょう。
その日は…そう、そうですね。あなたがまだ、ずっと小さかった頃の、話です。今の学校に、通い始める前の、話です。あの日も、今日と同じように、学校から家まで、あなたは一人で帰っていました。イメージできますよね?今よりも小さな鞄、今よりも小さな服、スカート、靴、帽子。髪の毛も、まだショートにしていて、ブラもまだ、着けてなかった頃。そんなあなたが、今日と同じように、夕焼け空の下、家に向かって、寂しい道を一人で、歩いていました。そうですよね?
そう、そこであなたは、何かを、見たはずです。そう、光。光の点。小さな白い光の点が、薄暗くなった夜空を横切って飛ぶのを、あなたは見ました。そうですよね?
その光は、スーッと、あなたの目の前を横切ると、まるで獲物を見つけたかのように、直角に向きを変え、あなた自身の方に、向かってきます。どんどんどんどん、向かってきて、大きくなります。そして、それはあなたの真上で、ピタッ、と停止します。
あなたは、その不思議な飛行物体を、見上げます。それは、光。ただの、光の点。さっきあなたが、画面の中で見た光と、同じです。
さあ、もっともっと、思い出すために、今から目を開き、また画面を見て下さい。あなたは目を開いても、今の心地いい、不思議な状態のまま。ゆらゆら、ふらふらした意識のままで、目を開ける事が出来ます。さあ、ゆーっくりと、目を開いてー。
そして、しばらくすると、あの時と同じ、光の点が現れますからね。
ほら、あなたの目の前にあるのが、あの時の光。あなたが昔、見た光です。そして、その光周りに…
何か輪のようなものが現れました。そう、あなたは思い出します。あの光に、あなたは導かれた事を。そして、動き出す。光の輪が、動き出す。
さあ、気づいて下さい。光の輪と共に、あなたの意識が、真ん中の光に吸い込まれる感覚に、気づいて下さい。ほら、スーッ、スーッと、吸い込まれる感じ。あなたはさらに思い出します。自分が、光に吸い込まれて、あの光、あのUFOに、連れ込まれた事を。
あれ?逃げ出さないんですか?
でも、あなたは動けません。あの時と同じですね。あなたは、動けない。動こうとも思わない。だって、あの光のせいで、意識がぼーっとなって、ふらふらになって、何もする気が起きない。そうですよね。さあ、もっと、この声と、この映像に、意識を預けて下さい。そうしたら、あなたはさらに吸い込まれます。あの光に導かれます。さらにフラフラになり、さらに心地よくなっていきます。そう、あの時と同じ。あなたが、あのUFOを見た日と、同じです。
さあ、さらに記憶をたどって、あの時の体験を思い出しましょう。光の輪の動きが、だんだん早くなります。今から、10からゼロまで数えます。数字が減るたび、あなたの意識は、さらに、さらに溶けていきます。ぐるぐる回りながら、まるでお鍋の中のバターのように、溶けて、流れて、消えてきます。そして、ゼロになった時、あなたは、こことは違う、別の世界にたどり着いた事に、気づくでしょう。そう、そこは異次元の世界。我々とは全く違う生命体が、住む世界です。
じゃあ、
10、ぐーるぐる、ぐーるぐる。
9、意識が、回り続ける
8、意識が回って、溶けて
7、流れ去っていく
6、さあ、もういつ、目を閉じていいですよ
5、目を閉じたら、さらに意識は溶け出す
4、目を閉じても、グルグルは止まらない
3、さらに加速する
2、もう、何が何だか、分からない
1、さあ、次で、あなたの溶け切った意識が、全て、あの丸い光に吸い込まれますよ。
安心してー。私の声に身を任せて下さいね。
ゼロ
スーッと、吸い込まれる。溶け切ったドロドロの意識が、一滴残らず吸い取られる。丸い光、真っ白な光に、吸い取られていく。気持ちいい、とっても気持ちいい。意識が溶けてなくなるのは、とっても気持ちいい。だって、もう何も、考えなくていい、何も判断しなくていいのだから、気持ちがいいのは、当たり前。
あなたは、意識が完全に溶け出して、空になってしまった、そんな場所にいます。そう、ここは、意識のない場所、無意識の空間。白い光のその中の、さらに、さらに深いところにある、何もない空間。ここでは、私の声だけが、この空間にこだまする。あなたの記憶をたどって、それを語り続けるこの声だけが、空間に響く。そう、あなたはもう、何も考えなくていいのだから、ただこの声だけに、全てを任せてくださいね。
私の声は、あなたの記憶。そうでしたよね。私は、あなたが思い出すのを、ただお手伝いしているだけですよ。そう、この声を、聞き続けるだけで、全てを思い出せます。今から語るのは、あなたが意識の底に封印していた記憶。ですから、私の言葉を、あなたは無条件で受け入れ、この何もない空間に、過去の記憶として再構築していてきます。あなたの、忘れていた記憶、この声に導かれて蘇る、ずっと昔の、記憶の世界を、再構築していきます。
【エイリアン・アブダクション】
今のあなたは、全身の力と全ての意識が抜け切った、とっても心地いい状態です。ふわふわと、まるで液体の中に浮かんでいるような、感じがします。その液体は、あなたの体温と同じ温度に調整され、自分と、自分の周りとの境界線が曖昧に感じるほど、心地良く、あなたの全身を浸しています。液体の浮力が、あなたを包み込んで、上を向いているのか下を向いているのか、全く分からないほど、ふわふわ、ふわふわと、漂っています。そう、まるで、ホルマリンに浸けられた、生体標本のように、ふわふわ、ふわふわと、漂っています。
ここは、異空間。時間や空間がねじ曲がり、精神と肉体の区別すら、もう曖昧になった空間。人類の科学力では到達不可能な、異次元の空間。そこに、あなたは、閉じ込められています。そう、閉じ込められている。あなたは、誘拐、アブダクションされて、この不思議な光の点に、閉じ込められているんですよ。
あなたを覆っていた白い光が、徐々に、徐々に晴れ渡ってきます。目の前の風景が、鮮明になっていきます。思い出して。あの時、あなたがいた場所。あなたは、そう、エイリアンの宇宙船の中に、閉じ込められていました。幾何学的な、計器とも装飾ともつかないものに囲まれた、閉鎖的な空間が、ガラスケース越しに、見えますよね。
さあ、あなたは今から、いつでも目を開く事が出来ます。目を開くと、あなたがあの時に見た風景を、より明確に知る事が出来るでしょう。目を閉じれば、あなたはより一層、あの時の事を思い出すでしょう。じゃあ試しに、目を開けて見て下さい。あなたが、今どこにいるのか、確かめて下さい。
見ましたか?
ガラス越しに見える、不可思議で、異常な空間。それが、周りの液体越しに、ゆらゆらと揺らめいて見えますよね。
あなたは、透明な、円筒形のケースの内側に、まるで生体標本のように閉じ込められています。青白い液体に満ち溢れた、透明なケースの中に、プカプカと浮かんでいます。液体の中なのに、なんの問題もなく、呼吸をする事が出来ます。むしろ、いつもより心地良く、息をする事が出来ます。そして、液体の中でも目を開けて、周りの景色を確かめる事が出来ます。
でも、出来る事は、それだけ。ここから逃げ出す事も、いや、体を大きく動かす事すら、出来ません。今から、あなたがどんな実験を受ける事になったとしても…ね。
思い出してきました?あなたがあの日、エイリアンによって、この不思議な空間にさらわれた事。その事が、徐々に徐々に、記憶に蘇ってきます。今はまだ、曖昧かもしれません。でも、それでいいんですよ。私が、この声でゆっくりと、思い出させてあげますからね。
そしてあなたは、もし目を閉じたければ、いつでも目を閉じる事が出来ます。見て欲しい時は、ちゃんと指示しますから、あなたの意思で、目を閉じたり、開けたりして構いません。前にも言いましたが、目を開けていても、閉じていても、今の深くて、心地いい状態は、変わりません。目を閉じた時は、この声だけに集中し、心の中に今の光景を、イメージして下さい。そして、目を開けた時は、この声を聞き流しながら、目の前にある映像だけを見つめて下さい。そうすれば、あなたは、もっともっと、鮮明に、あの日の事を、思い出す事が出来るでしょう。
あなたは、今、エイリアンのUFOの中。そうでしたよね。でも、不思議と恐怖心は湧いてきません。あなたは、自分が置かれた状態を知った後も、ずっと、ずっと、穏やかな心地よさを味わい続けています。それが、このフラフラ、ドロドロの意識のせいなのか、あなたを取り囲む、心地よい液体のせいなのか、それも分かりません。でも、この心地よさは、あなたがここにいる間じゅう、ずっと続くでしょう。たとえあなたが、この後どんな実験をされたとしても、この気持ち良さは、ずっとずっと、続くでしょう。
何か、妙な音が聞こえます。これは、音?それとも、声?
そう、声。これは、エイリアンの声。彼らは、今からあなたに、生体実験をしようとしています。そう、とてもエッチな、ね。あなたは今から、性的な実験を受けます。彼らには、生殖という概念は、ありませんから、我々が行う生殖行為は、彼らにとって完全に未知の行為。ですから、彼らは定期的に人間をアブダクションし、生体実験を繰り返しています。人間同士。人間と別の生き物。人間とエイリアン。そういう様々な組み合わせの、交配実験を繰り返しています。今のあなたは、その実験動物の一つにすぎません。今から行われる実験は、あなたの意思とは一切関係なく、実施されます。あなたの心や気持ちを無視し、ただ淡々と、実行される、彼らの知的好奇心を、満足させるためだけに、ね。
【生体実験その1】
でも、彼らには一つだけ、誤算がありました。そう、今のあなたが、まだ性的に、未成熟だって事…
でも、エイリアンは、まだ、その事を知りません。今のあなたが、性行為を行うには、まだ早すぎるって事に気付くのは、もう少し後。ですから、エイリアンは、今まで他の人間にしてきたのと同じように、あなたに、擬似的な生殖行為を開始します。さあ、目を閉じているなら、一度目を、開いて下さい。
目の前に、表示モニターが見えますよね。今からそこに、あなた自身の姿が、浮かび上がります。
そう、それが、今のあなた。エイリアンのカメラで撮影された、映像です。まだ小さかった頃の、あなた。胸の膨らみもほとんどなく、股間もまだつるつるで毛も生えていない。そんなあなたが、一糸纏わず、不思議な液体にプカプカと浮かんでいる。そんな姿が、目の前の表示モニターに映し出されています。
そして、右上に、何かレベルメーターのようなものが、表示されている事にも、気付くはずです。これは、あなたの性的興奮度を指し示すもの。あなたの性的な興奮が高まると、このレベルが上がっていきます。そして、赤いレベルになると、あなたは、オーガズムを迎えることが出来ます。溜まりきった快感を解放します。そう、これは、リミッター。あなたの精神と肉体を、守るためのもの。だって、あなたが強すぎる快感のせいで発狂してしまったら、エイリアンとしても、元も子もないですからね。
また、エイリアンが何かを話しているようです。とうとう、あなたに対する生体実験を、始めるようですよ。そう、受精実験。あなたに、彼ら…即ちエイリアンの遺伝子を、強制的に受精させようとしています。そして、エイリアンは既に知っています。人間は、受精の前に、性的に興奮する事が必要だって事を。だから、今からあなたは、思う存分、興奮し、欲情しなければなりません。この、触手のようなマニピュレーターで。
ほうら!
両手に機械の管が纏わりつき、あなたの脇の下を、まさぐっています。あなたの脇の下の薄い皮膚に、強力な媚薬を塗り込んで、あなたを、少しずつ、少しずつ、発情させていきます。脇の下から、両方の胸、うなじの方に向けて、ピリピリとした快感が伝わってきます。ほら、快感レベルが点灯しましたね。これは、あなたの興奮の証、発情の証です。体が、だんだん火照ってきます。全身の皮膚が、むずがゆくなります。頭がぼーっとして、徐々に、徐々に、感情がエッチに変わっていきます。
さあ、次のマニピュレーターが、近づいてきましたよ。今度は、性感帯に直接、快感を与えるようです。そう、両方の胸に、機械の管が…くっつく!先端が、まだほとんど膨らみのない胸の、その中央にある乳首に張り付き、ムニムニと弄り始める。ほら、また快感レベルが上がった。でも、あなたの気持ちよさは、こんなので終わりじゃないですよ。もっともっと、気持ちよくなれるんですからね。さあ、もっと感じて。胸の気持ち良さ、乳首の気持ち良さを、感じて下さい。
そして、さらに1本のマニピュレーターが、あなたの下半身に近づきます。そう、これが目指すのは、クリトリス!あなたの、まだツルツルの割れ目の奥に隠れた、気持ちいい突起に迫っています。まだこの時は、自分にこんなものが付いてるなんて、知らなかったですよね。その気持ちいい部分に、触手のような機械が、吸い付こうとしています。そして…
ピタッと、吸い付く!吸盤のように割れ目に吸い付き、そして吸引を始める。スリットに隠れていたクリトリスが、みるみると強制的に勃起させられ、そして、その豆粒みたいな未成熟な突起を、機械が刺激し始める。まるで電気のような強烈な刺激が発生する。ほら!また快感レベルが上がる!快感がさらに増える。もう全身が小刻みに震えてますよ。股間が、じわーっと、湿ってきたのがわかりますか?気持ちいいんですね。そして、もう顔も真っ赤ですね。興奮してるんですね。発情してるんですね。気持ちいいんですね。頭の中は、もう快感でいっぱいですね。快感しか考えられないですよね。ほら、さらに快感レベルが上がりましたよ。
さあ、もし目を閉じてるなら目を開け、右上のレベルメーターを見て下さい。このまま快感レベルが上がって、それが赤いラインに入った時が、あなたが絶頂する準備の、出来た時。この状態で、機械が中で射精すれば、あなたは自動的に、絶頂します。
さあ、エイリアンがまた、機械を操作してますね。きっと、受精用のマニピュレーターを、あなたのまだ無垢な、股間の割れ目に、押し込む準備をしてるんですね。受精管。そう、エイリアンは受精管と言ってるんです。これを、あなたの膣に押し込み、その奥にある子宮に、強力な排卵誘発剤と、エイリアンの遺伝子を注ぎ込んで、あなたを受精させるんです。
ほら、そんな事を言ってる間にも、近づいてきましたよ。もうあなたは、充分に発情しているのだから、挿入されても、痛みはさほど感じないはず。そもそもエイリアンは、あなたの苦痛なんて気にもとめていません。淡々と作業のように、実験を続けるだけ。怖いですか?怖くないですよね?もうあなたのあらゆる恐怖心は、あなたが今受けている凄まじい快感で、塗り潰されています。あなたにとって性的快感は、他のすべての事に優先されます。ただ、快感を受けたい、快感を受け続けたいという欲求に、あなたの心は塗り潰されます。
そして、左下に、また新しいパネルが表示されたのを、確認して下さい。そう、それは、あなたのお腹の中を透視して映し出すもの。あなたの尿道や膀胱、膣、子宮、そして直腸が、くっきりと浮かび上がっています。それを見ていると、ほら、あなたはますます、興奮してきましたね。あそこに、受精管が侵入するんですよ。早く入れて、あそこをぐちゃぐちゃに掻き回されたいですよね。
ほら、近づく、近づく、近づく。そして!…ほうら!!、入った!!
あなたの中に、エイリアンの機械が侵入する。そして、ぐい、ぐいと押し込まれていく。太い触手のような機械が、あなたの膣壁を押し広げ、奥へ、奥へと侵入していく。気持ちいい?気持ちいい?そんな訳ないですよね。だって、エイリアンのこんな機械に、犯されてるんですからね。処女を奪われたんですからね。そう、思い出しました?あなたは、この時、処女を失ったんですよ。こんな不気味な機械に、処女を奪われたんです。そうでしたよね?
ほら、左下に写っている映像、ちゃんと見て下さいね。あなたの体の内側ですよ。太い受精管が、ぐいぐいと、押し込まれているのを見て下さいね。そして、その感覚を、あなたの全身で、感じて下さいね。すごい圧迫感。身を裂かれるような、お腹の内側をぐちゃぐちゃに掻き回されるような感覚を、感じて下さいね。ほら、どんどん奥まで入ってきますよね。
そして、このおぞましい感覚が、快感に変わりつつある事にも、あなたは気付きます。触手のような機械と、膣の内側が擦れる感覚、肉全体が引き裂かれる感覚。そして、子宮が突き上げられる感覚。それらが全て、快感に変わってしまう。当然ですよね。今まで散々、焦らされていたんですからね。胸や脇の下、クリトリスを、あんな機械でいたぶられ続けてたんですからね。ほら、また快感レベルが上がる。気持ちよさが限界に近づく。あと少し、あとほんの少しで、あなたはいつでも絶頂出来る状態になります。生まれて初めての、絶頂を迎えるんです。本当は、もっと大きくなってから体験するはずだった性的絶頂を、その小さな体で受け止めます。
そうしているうちにも、あなたの快感はますます大きくなっています。全身が火照り、ガクガクと震え、口から思わず喘ぎ声が漏れる。頭の中は快感だけに支配され、それすら飽和して、爆発しそうですね。そして、あのレベルメーターが赤いところまで行くと、挿入された触手機械が射精の準備を始めます。そして、射精の瞬間、あなたは、絶頂します。エイリアンの遺伝子を注ぎ込まれて、絶頂してしまいます。大丈夫ですよね?だって、あなたの心は、何よりも快感を優先してしまう。そう言いましたよね。そして…
ほうら!、レベルメーターが赤になった。断面図の受精管を見て下さい。横のランプが点灯していく。先頭まで光れば射精ですよ。分かりますよね。ほら、もうすぐですよ。射精と同時に、イくんですよ。絶頂するんですよ。ほら、ほら!
機械が射精する。子宮の中に遺伝子がぶちまけられる。そしてイく。絶頂する。あなたは絶頂する。凄まじい快感があなたの子宮から全身に響きわたる。初めての絶頂が、あなたの華奢な体を犯しつくす。絶頂が全身を覆い尽くす。気持ちいい、本当に気持ちいい…
そしてやっと、潮が引くように、徐々に、徐々に、あなたの快感が、おさまっていきます。
さあ、もう一度、心と体を、落ち着けてー。呼吸を整えて下さい。液体の中でも、深呼吸はできますからね。ゆっくりとした呼吸と、全身の力を抜く事を、心がけて下さい。そして、さっきの心地よさ、フラフラする意識の心地よさを、もう一度感じて下さいね。
【生体実験その2】
あなたは、機械に処女を犯され、子宮に、エイリアンの遺伝子を射精され、絶頂してしまった。あなたは、エイリアンになされるがままに陵辱され、あんな機械によって、処女を失ってしまった…
でも、エイリアンは、不服そうに何かを呟きながら、機械を見つめています。
そう、それは、あなたが受精しなかったから。あれだけの強力な媚薬と排卵誘発剤を使っても、あなたが受精しなかったから。そして、もうあなたは予想できますよね。この事が、あなたを、さらに酷い責めへと導く事を。
エイリアンが、機械を操作しています。目の前の表示モニターが再び点灯します。さあ、あなたへの生体実験が、また始まりますよ。今度はさっきよりも、何倍も、何倍も強力な刺激が、強力な快感が、あなたを襲いますよ。ほうら!
あなたの口に、マニピュレーターが近づいてきます。そして、有無も言わさず、あなたの口をこじ開け、侵入し、あなたの奥に、不気味な液体を注ぎ込み始めます。ほら!入ってくる!
これは多分、さっきよりも強力な媚薬と、排卵誘発剤。それを、あなたに強制的に飲ませています。あなたはそれを、拒否する事はできません。でも、いいですよね。飲めば飲むほど、あなたの快感は、深く、強くなっていくんですから。ほら、快感レベルメーターが上がり始めましたよ。
そして、下の割れ目に向かって、細い触手のような機械が近づいてきます。そして、それはあなたの尿道に取り付いて…、ぐいーっと、押し込まれる!
うねうね、うねうねと侵入してくる。奥へ奥へと進んでいく。強烈な、尿意のような違和感を下半身に覚えますが、それはすぐにおさまります。どうやら先端が、膀胱までたどり着いたようです。機械は、膀胱に液体を注ぎ込み始めます。そう、あなたの口に注がれているのと同じ液体。それが、膀胱を満たしていきます。下半身が、かあーっ、と熱くなります。焼けるような快感の塊が、おへその下あたりに出来た事に気づきます。じくじくとした邪悪な疼きが、あなたの下半身に、大きな塊となって現れます。そして、あなたは初めて、エイリアンの理解出来る声を聞きます。おそらくテレパシーで、あなたの心に直接語りかけたのでしょう。
「お前が受精するまで、この塊は、このままだぞ」
そんな風に聞こえた気がします。ほら、またドキドキしてきた。怖いんですか?それとも期待ですか?そうですよね。あなたはまた、期待に身を震わせている。これから行われる新たな陵辱行為に身を震わせて期待している。それはあなたの心までが、もうこの機械に犯し尽くされたからですよ。
そして、あなたを最初に襲った機械も、再び全身に取り付こうとしています。もうすぐそこまで来てますよ。さあ!
脇腹。
胸。
そして、クリトリス!
ほうら、もう快感に耐えられない。耐えられないぐらいの性的刺激に、あなたは体だけでなく、心までも蕩かされてしまいます。受精させられるという恐怖心は完全に吹っ飛び、性的快感と、イきたい、絶頂したいという欲望だけに満たされます。あなたの小さな体を、塗りつぶしていきます。すごい刺激、すごい快感、そして、すごい絶頂欲求で、あなたの心は、すでに半狂乱になっています。レベルメーターは正直ですね。ほら、もう絶頂出来る直前ですよ。
さあ、あなたはもう絶頂寸前。その事を知ったのか、太い触手のような機械が、あなたの下半身に近づきます。また、犯されるんですよ。イかされるんですよ。よかったですね。ほうら!
でも、機械が入り込んだのは、あなたのお尻の穴。肛門を分け入って、メリメリ、メリメリと腸の奥へと進んできます。そして、直腸の中で、機械が動作を始める。お尻の奥が、かああっ、と熱くなる。膀胱からと同じように、お尻の穴からも、強力な快感の塊が、あなたの子宮を前後から挟み込んで、刺激し、快感を呼び起こす。凄まじい刺激が、あなたのその未成熟な子宮を震わせ、卵子を作るように促す。ほうら、もう全身ガクガクですね。こんなの、普通の人間が受ける快感のレベルを、完全に超えてますね。さっき受精しなかったから、エイリアンはフルパワーであなたを責め立ててるんですよ。狂わないで下さいね。とてつもない快感かもしれませんがね。そして、もし目を閉じてるなら、一度目をひらき、断面図を見て下さい。ほら、あなたの子宮に、卵子が出来上がっているの、分かります?良かったですね。これで、受精出来ますね。エイリアンの遺伝子を、受精出来ますね。三つもありますね。三つとも、受精するんですよ。3回も絶頂出来るんですよ。良かったですね。
さあ、股間にまた、マニピュレーターを挿入してもらいましょうね。ほら!近づいて…近づいて…ぐーっと…押し込まれる!
ほうら、挿入した!ぐい、ぐいっと、また身を切るような感覚があなたを襲ってますね。もうこれも、快感なんですよね。犯されるの、とっても気持ちいいんですね。ほら、子宮が突き上げられますよ。ここも、快感なんですね。気持ちいい、気が狂うほどの気持ちよさですね。子宮、膣、肛門、直腸、尿道、膀胱、そして、クリトリスも胸も口も、みんな一度に犯されてるんですよね。気持良くないはずは、ないですよね。
そして、快感レベルメーターの目盛りが、もう振り切れそうですね。エイリアンは、あなたを狂う直前まで欲情させてから、イかせるつもりなんですね。さあ、それが分かったら、もっと欲情しなさい!そして、受精したい気持ちを高めなさい!エイリアンの遺伝子を貰って、あなたの卵子でそれを受け止め、妊娠する。人外のおぞましい生命を、あなたのその小さな体に宿す。そう思ったら、ますます興奮してきますね。欲情してきますね。気が狂いそうですね。早くイきたいですね。早く射精してもらいたいですよね。
ほら!、マックスになった。機械が射精の準備を始めた。どんどん近づいてくる、射精が近づいてくる。ほうら、来ますよ、来ますよ、射精しますよ。
ほうら射精した。そしてイく。あなたは絶頂する。たまっていた快感が射精によって解放され爆発的な快感をあなたに与える。そして、受精する。ほら、見て。卵が一つ、受精しましたよ。
でも、まだ二つ、ありますよね。それに、快感も、まだあの強い状態が、続いたままですよね。ですから、ほうら、また機械が動き出した。射精に向けて。一直線に進み始めた。また来ますよ。また絶頂するんですよ。だから、ほら、ほら、ほーら!
射精する、そしてあなたも絶頂する。さっきイったばかりなのに、さっきよりも強く絶頂してしまう。そして、また1個、卵が受精した。エイリアンの遺伝子と融合した。そして、
ほら、まだですよ。まだ1個残ってますよね。これも受精するんですよ。また来ますよ。また射精されますよ。そしたらイくんです。これが最後ですから、いままで最高の絶頂を、迎えるんですよ。ほうら!
射精される。そして絶頂する。たまっていた快感が全て放出されて、いままで最大最強の絶頂を迎える。頭の回路がショートしたように全身が硬直する。恐るべき快感が、あなたの全身を駆け巡る。全神経が感電し、体中の血液が沸騰したような、空前絶後の快感が続く。そう、それは、あなたが受精したから。あなたが三つも受精したから、味わえたんですよ。
そして、その快感もようやく、おさまっていきます。
【出産実験】
さあ、一度目を閉じて下さい。そしてまた、大きく深呼吸して下さい。自分のペースで構いませんから、心と、体が落ち着くまで、深呼吸を続けて下さい。そして、全身を楽ーに、して下さいね。
あなたの全身を犯していた機械は、全て外れました。あなたは、最初と同じように、温かい液体の中に、プカプカと心地良く浮いている、そういう状態に、戻っています。さあ、この心地良さを、全身で感じてください。
そして、あなたはこの後、相当長い期間、この奇妙な液体の中で過ごした事を、思い出します。それが何日だったのか、何十日だったのかは、分かりません。そんな時間感覚は、ぐちゃぐちゃになった意識の中に、溶け切ってしまいました。そう、ここは時空が歪んだ、異次元の空間。ですから、実際に何時間だったのか、何日だったのかなんて、考える事すら無意味です。ただ、あなたは、この液体にずっと、浮かんでいました。定期的に機械から栄養を貰い、心も体もおだやかで、ずっと落ち着いた状態のまま、心地良く、とっても心地良く、プカプカ、プカプカと浮かんでいるだけでした。あなたのお腹の中の生き物が、成長し、出産するまでの間、ね。
その間じゅう、あなたは、何も考えず、何も考える必要もなく、ただ、この心地良さを味わい続けていました。ぷかぷか、ぷかぷか、気持ちいい。とっても温かい。まるで胎児が、子宮の中の羊水に漂っているような、心地良さです。全身の力が抜け、何も考えず、ただ、時が流れていくのを感じるだけ。あなたはその快感に身を委ね、時が流れていくのを、淡々と、味わい続ける。そんな究極の心地よさを、この羊水のような液体の中で、味わい続けていました。そして、あなたの子宮の中も…そう、あなたが受精した、エイリアンとの間に出来た生き物も、同じように、あなたの子宮の中で、プカプカと浮かんで、成長し、時が流れるのを待つ。成長し、出産するその時を、待っていました。そして、さあ、思い出して、今が、その時です。出産の時ですよ。
さあ、目を閉じているなら、一度目を開けて下さい。そして、表示モニターに今から映し出される、自分の姿を、しっかりと確認して下さい。ほら…
見て。これが、今のあなたですよ。妊婦、そう、あなたは妊婦です。パンパンに膨れ上がったおなか、張り詰めた乳房。臨月を迎えた、妊婦の体が、表示モニターに映しだされています。信じられないかもしれませんが、これが、あなたです。あなたは、この年齢で既に、妊娠し、出産する経験を、していたんです。エイリアンの胎児を、ですけどね。
そう、あなたのおなかの中、子宮の中はエイリアンの胎児でいっぱい。それが、今まさに外に出ようと、うねうね、うねうねと不気味に動き始めています。内蔵の内側から、突き上げられるような感じがします。ぐちゃぐちゃ、ぐちゃぐちゃとかき回されるような感じがします。ほうら、快感レベルメーターが点灯しましたよ。それ、あなたにとっては快感なんですね。気持ちいいんですね。
そう、あなたの子宮は今、エイリアンの胎児に犯されている。不気味に蠢く胎児が、あなたの子宮を犯している。そして、言葉に出来ないような快感を、性的な快感を、あなたに与え続けている。当たり前ですよね。だって、あなたはあの時、エイリアンの触手機械にさんざん弄ばれ、快感を与えられ、絶頂してしまった。そうでしたよね。その時に受けた快感は、あなたの体に永遠に刻み込まれた、陵辱の印。絶対に忘れられない、快感の印。ですから、子宮を内側から犯されるのが気持ちいいのは、当然の事。ほら、ますます蠢く。全身に快感が、ずんずんと響き渡る。意識すればするほど、子宮の中の胎児は動きを強め、快感を強めていく。パンパンに膨れ上がったお腹が、まるで快感発生装置のように、全身に快感を伝えていく。ビリビリとした快感が、神経を通って電気のように伝わり、両方の乳首や、クリトリスといった、あなたが一番感じる部分を刺激する。外からは何も、刺激していないのに、ね。
そして、この快感がさらに高まり、あなたが絶頂を迎えると、その瞬間、あなたは出産します。絶頂による強烈な快感刺激が、エイリアンを出産するというおぞましい行為に、直結します。ほら、そんなの嫌ですか?エイリアンの子供を産むなんて、嫌ですか?嫌ですよね。そんなの嫌ですよね。だって、あんなおぞましいエイリアンの胎児を出産するなんて、それがあなたの最初の出産だなんて、死んでも嫌。そうですよね
じゃあ、快感を、耐えなさい。我慢しなさい。そうしないと、あなたの快感はますます高まり、絶頂してしまう。出産してしまう。それが嫌なら、ほら、ちゃんと快感を耐えなさい。快感を、感じないようにしなさい。お腹の中で蠢く何かを、感じないようにしなさい。さあ、ゆっくり息をして、呼吸を落ち着けて。全身の震えや、神経の痙攣、性感帯に伝わる甘い刺激を、感じないようにして下さい。まだ息が荒いですよ。感じちゃダメですよ。イっちゃいますよ。出産しちゃいますよ。
あなたは、耐えている。必死に耐えている。快感を必死に我慢している。なんとか快感を押さえつけ、気を逸らして快感以外の事を考え、落ち着こうとしています。でも、抑圧された快感は、今なお着実に、あなたの小さな体を侵食しています。子宮の中で蠢く無気味な生き物。その動きに刺激されて、あなたの体の全神経は、未だに快感だけに集中している。だから、あなたがどれだけ我慢しようとしても…
ほら、快感レベルメーターがまた上がった。あなたが耐えれば耐えるほど、快感はあなたの肉体に蓄積していく。そして一線を越えると、あのレッドゾーンを越えると、その快感は、まるで堰を切ったように暴走し、あなたを半狂乱の快感地獄に引きずり込む。そして数秒後には、あなたは絶頂し、出産してしまう。あなたがどれだけ我慢しても、あなたの子宮は、神経は、脳細胞は、全身は、快感を蓄積し続けている。お腹の胎児が暴れ回る。子宮にこれ以上はないぐらいの快楽を与える。これを耐えなければならないなんて、かわいそうですね。精神、ちゃんと保って下さいね。
ほら、あともう1レベル。次はもう絶頂レベル。あれが上がったら、あなたは耐えきれずに快感を感じ始めてしまう。物凄いレベルの快感が一気に全身を襲い、まるで陸に上がった魚のようにビクンビクンと痙攣し、そしてその後は、絶頂と出産。そんな瞬間が、もうすぐ…
ほら!快感が爆発する!リミッターが外れ快感が暴走する。半狂乱になるぐらいの圧倒的な快楽が全身を襲う。さあ、もうすぐですよ。もうすぐ、もうすぐ…
イく!まるで子宮が破裂したかのような強烈な快感が全身を襲う。全神経、全筋肉、そして脳のすべてが焼き尽くされたかのように感じまくる。そして、出産する。おぞましいエイリアンの胎児が、あなたの小さな股間から出てくる。気持ちいい。それも気持ちいい。出産は気持ちいい。あまりの快感に意識が飛びそうになる。絶頂の快感、出産の快感。そして、母親になった快感。そういう快楽だけに、あなたの心と体は、満たされ続けます。
さあ、一度目を閉じて下さい。そして、少し深呼吸して、心と体を落ち着けましょう。そして、引き潮のように、快感がおさまっていくのを、感じて下さい。後に残るのは、母親になった、幸せだけ。出産の幸せだけ。それが、どれだけおぞましい、エイリアンの胎児であっても、あなたにとっては、自分の血を分けた生き物。それを産み落とした幸福感に、身も心も、浸って下さい。
そして、意識がまた、スーッと、落ちていくのを感じます。自分がいた場所が、まるで底が抜けたように感じ、スーッ、スーッと、落ちていきます。
【元の年齢へ】
ふと気づくと、あなたは、あの夕焼け空の下に、ポツンと一人で、立っていました。あなたがUFOにさらわれる前と、全く同じ状態で、立っていました。時間も、ほんの数分しか、経ってないようです。ただ頭が混乱し、何がなんだか分からない状態。あなたは、そんな朦朧とした意識のまま、トボトボと家に向かって、歩き始めました。
これが、あの日、あなたに起こった出来事です。思い出しましたか?あなたが心の奥底に、仕舞い込んでいた記憶。小さい頃の、おぞましい記憶。封印していた記憶です…そして気付きます。これが、あなたを悩ませていた、原因だったのですね。でも、あなたはもう、思い悩む事はありません。だって、全てを思い出したあなたは、とっても幸せ。あなたは既に、あの時母親になっていた。そんな素晴らしい体験をしていたのに、心配する事なんか、ないですよね。
そして、この事も、思い出します。エイリアンがあなたに、最後に言った言葉。約束した言葉。
「お前が、こんな幸福感を味わいたいなら、いつでもやってあげる」
って、ね。
さあ、元の年齢に戻りましょう。元の、制服を着た女の子のあなたに、戻って下さいね。今から最初と同じように時計を廻します。そうすると、あなたの意識は、ふわふわと浮き上がり、またあの、トロトロの心地いい状態に、戻れますからね。じゃあ、
数年前…徐々に身体が大きくなる
2年前…視線が高くなる。
1年前…代わり映えのしない、景色に戻っていく
半年前…季節だけが、変化していく
1ヶ月前…もう最初と同じ
3日前…同じ景色、同じ感覚
1日前…もう少し…
はい、元に戻る。スーッと、意識が薄らいでいく。心地いい意識に、戻っていく。戻っていく。
さあ、今から催眠を解きます。そうすると、あなた与えた暗示は全て消え、元のすがすがしい状態に、戻る事が出来ます。でも、今日思い出したあなたの記憶、それはもう、忘れる事は、ありません。しっかりと、脳裏に焼きついて離れません。いいですか?今から1から10まで数え、手を叩くと、あなたは、完全に覚醒しますからね。
そして、そう、大事な事を思い出して下さい。あなたは、この女の子と別人格でしたよね。ですから、催眠が解ければ、あなたはこの女の子の意識と、完全に分離しますよ
じゃあ、
1、あなたの全身に、力が戻ってきます。
2、あなたの意識も、鮮明になっていきます。
3、ますます力が戻ります。もう指先や足先を動かせます。
4、さらに意識が鮮明になります。空想と現実の境が明確になります。
5、もう体を自由に動かせます。
6、もう、あなたは自分の意思の通り、思考する事が出来ます。
7、あなたに与えた嫌な暗示が、あなたの心から消え去ります。
8、あなたはもう、目をつぶって座っているだけの状態です。
9、さあ、次に数を数えて手を叩くと、あなたは目を開け、完全に覚醒します。
そして、あなたは自分が、この女の子と別の人格だった事を、完全に理解します。じゃあ、
10。はい!目を開けて!
気分はどうですか?まだスッキリしないなら、少し伸びをして…
【元の世界へ】
フフフッ、お疲れ様。
さあ、まだ目を閉じているなら、ちゃんと目を、開いて下さい。そして、周りを見渡して、自分の姿や、自分のいる場所を、確認して下さい。そう、あなたは、あなた自身ですよ。私がお話した女の子と、勘違いしていたのかも、知れませんけどね。フフフッ。さあ、少し伸びをして下さい。もっとスッキリしますからね。
ではこれで、今日のお話は、終わりです。
え?エイリアンの話は本当なのか?…って?さあ、どうなのかしらね。
最初に言った通り、虚偽記憶、だったのかもしれませんが、まあ、実際はどうだか…
ただ、もう一度、あのエイリアンに会ってみれば、分かるかも…ね。
では、今日はおしまい。ごきげんよう。