Track 1

Next Track Back

01

ふぅ~……家庭教師って思ったより大変だわ。 数学の公式や英語の文法なんて、使わないと結構忘れちゃう。 おかげで予習してこないといけないものね……その割に、待ち時間は……。 うぅ、あくびが出そう……問題解いてもらってる時って暇よね。 でも何かしてるワケにもいかないし、するほどの待ち時間ではないし…… あぁはいはい。 そこはね、ここを見て? ふぅ~……暇なのか、慌ただしいのか……どこを見てればいいのかも難しいし。 相手が女の子ならそんな気兼ねもないんだけどね。 やっぱ男の子って難しい……目のやり場に困るわ。 ……って、それはこの子も同じみたいだけど。 あーぁ、また胸見てる……こっそり見てるつもりなんでしょうけど、バレバレなんだからね? どうして男の子って皆こうなのかしら。 あんまり胸元が強調されない服にはしてるんだけどなぁ……それでも気になっちゃうのね。 胸元開いてるとか、水着とか下着姿っていうなら、思わず見ちゃうのも分かるけど……あ~。 今度は太ももも見てる……つまり、私が見たくてしょうがないワケね。 まぁ、自分でも美人のつもりはあるし? 男の視線を浴びるのは悪い気はしないんだけど……教え子じゃねぇ? しかも、見るからにスポーツしかやって来てない体育会系男子……試験に向けて、家庭教師を雇いたくなる親の気持ちも分かるわ。 でもこの子、物覚えはいいから助かるわよね。 お顔もなかなか、体格も良いし……これで目標の学校に入学できれば、将来的にも結構有望……だけど教え子。 ちょっと年の差ありすぎ。 私、年下好みじゃないしな……スポーツマンも。 やっぱ理知的な眼鏡男子がいいわよね。 頭脳明晰なのは当然、できれば家柄もあって、将来は医者か弁護士か……あぁ、彼の将来が楽しみ♪ このままなら、法学部で首席かもって! けど……かも、はいいけど……その勉強が忙しすぎて私と会えないっていうのは、なんだか本末転倒な気がするのよね。 前途有望なのはいいけど、今が楽しくないってなんなのよ! 前に会ったのっていつ? もう一週間以上顔合わせてなくない? ……はっ! まさか他の女と会ってるなんてことは……ない、わよね。 そんな器用な人でもないでしょうし……たぶん。 でも彼、私が初めてじゃなかったわよね? 前にも彼女はいたコトが……まさか、ヨリを戻したり? ……駄目だわ。 そんなコト考えてたらキリがない。 今夜にでも電話してみようっと。 ……えっ? あ、あぁ、ごめんなさい、ちょっとボーッとしちゃってたわ……できた? それじゃ、見せてもらうわね? ……んーと、ここはよし。 ここもいいわね。 こっちは……。 あーぁ、だから見てるの分かるんだってば。 熱いなぁ、熱い熱い……んふ♪ 私に見とれてばっかりで、この問題を間違ってばっかりなんじゃ……っていうことはないのが不思議よね。 物覚えはいいし、勉強自体は真面目にやってるし……胸を見つめるだけで、おかしなことはしないし言っても来ない……結構生真面目よね。 体育会系だから? そういうわけでもないか。 まぁ、近くに私くらいの女性もいないんでしょうし、オッパイが気になっちゃうのも分からなくはないけどね。 あんまり見つめられすぎると、ちょ~っと居心地悪いわ……あ、そうだ♪ はい、良く出来てるわ。 私が教えるコトなんて、あんまりないのかもしれないわね? こんなに勉強ができて……スポーツも上手なんでしょ? サッカーだったかしら……ふぅん。 学校じゃさぞモテるんでしょうねぇ? ……嘘。 本当はモテるんでしょ。 もう彼女いるの? ……いるんでしょ? ……あら、いないの? またまたぁ、隠さなくてもいいじゃない。 ……あらあらムキになっちゃって。 からかい甲斐のある子ね。 ジロジロ見られたお返しに、これくらいならいいわよね……あぁでも、この様子じゃ本当にいないのね。 モテそうなのに。 まだそういう年頃でもない? 受験で忙しくてそれどころでもない……あー、駄目だ。 また彼のコト考えちゃう。 彼は受験じゃないけど、彼女より勉強が大事って何なのよ、もぉー!

Next Track Back