バニー・トラップ7
第7話
意識が戻った勇者とクロエ。
カジノからの記憶が無く、クロエとともに旅を続けているところから始まる。
だがそれは、エルたち魔物の策略。
勇者とクロエを利用し、間違った悪い方向へ導くために
元の冒険へ戻したのだった。
彼らのカジノでの悲惨な記憶は消されている。
バニーのエルはカジノで出会った仲間という情報を刷り込んである。
※
勇者は闇に堕ちてエルの虜となっているが忘れているだけの状態。
クロエは強い精神力を持っていたため魔族の側へは落ちていない状態。
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(馬車の中)
(僧侶・クロエ)
……さま、……しゃさま、
勇者様、勇者様!
ぼーっとして…どうしたんですか?
馬車の中とはいえ、油断は禁物ですよ。
しっかりしてください。
魔物はいつ襲ってくるか知れたものではないのですから…。
(僧侶・クロエ・普通のしゃべりで)
え?
私? …な、なんですか、じっと見つめられて…。
か、顔に何か付いているのですか?
牢…屋…? 私が、助けにきてくれた…?
もう、夢でも見ていたのですか?
いい加減目を覚ましてください!
勇者様、カジノで人疲れしたのではないですか?
あんな喧噪の中にずっといたのですから。
いくら仲間を捜すためだとはいえ……。
私はああいった野蛮なところは2度とゴメンですからね。
ね、エル!
あなたもいい加減そのカジノの服、やめたらどうなんですか?
はしたないと思わないのですか? 肌も露わで…。
(バニー・エル)
ふふ。私にとってはこれが正装なの♪
ちゃんと道案内の仕事はさせていただきますから、
安心してくださいな♪
それに…勇者様の目の保養という役割もあるんですから♪
ね、勇者様ぁ…♪ ぎゅっ…。
(僧侶・クロエ)
あ、こら! 勇者様に妙な真似は許しませんからね!
もう……何でこんな人と一緒に旅してるんだっけ…。。
あ、宿についたみたいですよ。
さ、さ、すぐに降りる降りる! てきぱきと動く!
勇者様は宿屋のご主人と話を付けてきてくださいな。
荷物は私たちがおろしておきますから。
はぁ…。大丈夫かしら。
…
…ねえ、エル。
(バニー・エル)
なに?
(僧侶・クロエ)
あなた……。
……
…いえ、なんでもないわ。
勇者様はまだまだ経験が足りないから、私たちがちゃんと導いてあげないとね。
それだけ!
(バニー・エル)
ふふ。もちろん♪
そのために私たちはいるのだから。
勇者様に正しい道を歩んでもらって、
世の中をよい方向に変えていかないとね♪
(バニー・エル・小声で・ダークな感じ)
とってもステキで、刺激的な世界にね…
うふふっ。うふふふっ♪♪
うふふふふふっっっ♪♪♪♪
(第7話 終わり)