ずっとずっと
すぅ、すぅ……すぅ、すぅ……すぅ、すぅ……。
ん、んんぅ……? ま、ぶし……。んん……。
ふぁ、は、ふぁああ……。ん、ぁ、あぁ……。おはよ……、おはよう……?
っは、お、おは、おはようではないっ! い、今何時だ! しまった、もう日が高いぞ、なぜ起こさん!
昼前だと!? ああああ、早く支度をせねば、朝の鍛錬もできてないし、もう、ほら、早くどけ馬鹿者!
……は? 何を言って……。……あれ、なんでお前、私の隣に……? ……ここは……? ……いえ、だ……。
……あ、あー……。ごほんっ。ん、んん゛、んんっ。
お、おはよう。清々しい朝……もう昼か。……あー、その……今日は、いいお天気だな……。
わ、笑うなっ! 私だって寝ぼけることくらい、ある! くっ、こんの、にやにやしおってぇ……っ!
というか、だんだん思い出してきたぞ! お前、昨日、よくもやってくれたな! 枕をくらえ! あんな、あんな、嫌がる私を無理矢理……っ!
よ、よが、よがっていたとか言うな! 違う、違うぞ! 久しぶりだから盛り上がったのは確かだがな、あいや、別に盛り上がっていた訳ではなく、その、気持ちよすぎたのが、こ、これも違うっ!
しっ、知らんっ! めちゃくちゃにしてくれなど、そんなこと、誰が言った! 証拠は! 何時何分何秒! 夜、月がどの位置にあった時だ!
さあ言ってみろ! 証明できないのなら、お前が間違っているな! 恥ずかしいことばっかり言うな! ふんっ!
……あー、うぅ……ごめん、違う。違うんだ、こういうことが言いたいんじゃ、ないんだ……。えー、なんというか……。
……ん、紅茶? 淹れてきたのか? 私の分も? ……そうか、ありがとう。悪い、頂く……。
ずず……。ほぅ……、はぁ……。ぁは、ははっ、ふふ……。おいしぃー……。やっぱり、お前の淹れるミルクティーは絶品だな……。ずず……。
はぁ……。……ふぅ、ごめん、落ち着いた。ありがとう。
昨日は……、その、気持ちよかったか? ……そうか。なら、よかった。わ、私も! 言いたいことはたくさんあるが、まあその、悪くは、なかった……。
あの……な? ……私は……。聖騎士という立場だから……、忙しくて城に泊まることも多いし、遠征だってままあるから、なかなか家に帰ってこれない……。
お前に、会うことが出来んのは正直、辛くて寂しいが……それでも王国のために、身を粉にして頑張らねばならん……。
けど、けどな! 私は、お前が何より大事なんだ。好きなんだ。愛してる。だから、お前を守るために、王国のために頑張るんだ。頑張れるんだ。
だから、だから……っ。せっかく結婚して間もないのに、二人の時間が作れないのは私だって、嫌だけど……、でも、都合のいい話だとは思うが、どうかこんな私のこと、好きでいて欲しい……。
私には、お前しかいないから……。お前一筋だぞ、本当に。いつだってお前のことを考えてる。お前が望むなら、何をされたっていい!
……き、昨日みたいなのは、あの、あれだが。限度というものも、あるが。
だから……ほ、他の女なんか、見るなよ。誰かと親しげに話なんかされると、すごく、不安というか、なんというか……。やな気持ちに、なる。
独り占めしたいんだ。誰にも渡したくない。お前は、私のなんだからな。いいな。……その代わりというか、当然私も、お前のだから。
と、いうことが……言いたかったんだ。……それ、だけだ。……ずず。
……なぁ? ……あの日、結婚式で、神様の御前でも誓ったがな……。
…………一生、夫婦でいような。
わ、わっ、なんだ、抱きつくな! 紅茶がこぼれる! かっ、可愛くないだろ私は! 美人でもなっ、やめ、やーめーろっ!
もう、こーら! せめて置くから、それまで待て! な!
……ふぅ。ん、んぅ……。あ、ちょっと、苦しい……かも。ん……。
……ふふっ……あったかい……。今日は……ずっと、こうしてようか……。せっかくお休みなんだしな、たまにはこういうのも悪くない……。
……あ、あなたな。うん。ごめん、忘れていた。ついな。 怒るな怒るな。ぎゅーっ。
……んふふふふっ……。愛してるぞ、あなた♪