Track 1

Next Track Back

01.お目覚めかしら?

 …あら、ようやくお目覚めですか、かわいい勇者さん ん?ここですか?ここは、山のふもとにある教会です  山に入る前に、お祈りしていきましたよね?  ああ、まだ動いてはいけませんよ あなた、生き返ったばかりなんですから… そう、あなた…ついさっきまで、死んでたのよ? 山の魔物に襲われて、今にも食べられそうになっていたんですから この山に棲む魔物はみーんな強くて、とっても恐ろしいんです 電撃魔法を使うゴブリン、地面の中から襲ってくるワーム、大きな翼で空を飛ぶワイバーン… なんとか私の魔法で追い払いましたが…その時にはあなたはもう… でも、なんとか間に合って良かったです この世界では、死んでもすぐなら、教会で生き返ることが出来ますから… もちろん、それなりに代償もありますが…なんにしても、助けることが出来て、本当によかったです 見た所、旅の仲間もいないみたいですし…一人旅ですか? ああいえ、実は、その…今回あなたを生き返らせた分のお金を頂かなければいけないのですが… もちろん、私が欲しい、というわけではく、教会の規則として、教会への寄付と言う形で頂かなければいけないんで す あなたの場合…今回は2500万ほどの寄付を頂きたいのですが… そんなお金は…ありません、よね? 肩代わりしてくれるお仲間もいないようですし…持っていたアイテムも魔物に襲われた際に奪われてしまったみたい ですね… え~っと…その、どうしましょうか…? 他に払う当ては…ありませんか? 身に着けている装備を売っても…市販の装備ですし、大した金額にはならなさそうですね… じゃあ~…今回生き返ったのはなかったことにして…もう一度、死にますか? …ふふ、なんて冗談ですよ 私は神に仕える者として、生ある者の命を奪う事は致しませんから、ご安心ください しかし、お金がないとなると…う~ん、困りましたね~… あ、そーだ では今回は、あなたの身体で払ってもらいましょうか いえいえ、冗談ではありませんよ? 今回あなたを生き返らせた対価を、あなたの身体で支払って頂く、それだけの事です そうです、この教会…いえ、私のために、働いてもらいましょうか 実を言えば、寄付は帳簿等に明確な記録としては残さないので、頂かなかったからと言っても、お咎めがあるわけで はないのですが… とはいえやはり、規則は規則、定められたこと守らなければなりませんよね? ましてやここは教会、神の御前ですから…ふふふふっ ところであなたは…まだ童貞かしら? ふふっ、どうせそうだと思ったわぁ~… 私があなたを、2500万で買って差し上げます… あなたの童貞含め…ぜぇ~んぶまとめて… あら、では何か他に、妙案がありまして? 魔物を倒してお金を稼ぎますか?2500万もの大金を?あなたが? この山の魔物の1匹も倒せないのに? ふもとの大きな街に行けば何かあるかもしれませんが… 街で一体、何をするのでしょう? 魔物も倒せない勇者に、一体どんな価値があるのでしょうね? そんなあなたに、お金を貸してくれる人がいるでしょうか? 結局、自分の身体を売ることになるのでなくって? あなたのような年の男の子はそれはもう”貴重”でしょうから、そりゃあ中々のいい値が付くでしょうね それでも…せいぜい20万程度でしょうか 次第に年も取って、どんどん使い古されていくあなたの身体に、一体いつまでその価値があると言うのでしょうね… 成金変態共のおもちゃにされて、挙句の果てには犬の餌… 魔物に殺されて生き返ったはいいものの、その借金を返すために毎日変態相手に身体を売る勇者だなんて…なんとも 惨めではありませんか? そうなるくらいなら、今ここで私に買われたほうが、よっぽど幸せではなくって? まぁ、あなたを買うのが誰になるのかが変わるくらいですが…んふふふふふ… さぁ…覚悟は決まったかしら? 何って、私に買われる覚悟よ… と言っても、あなたに他の選択肢なんて、無いのだけれど…

Next Track Back