チャプター1 「召喚 ショウカン」
...われを呼ぶのは、何者か。
...ほう。このわれを実体化させたか。
貧弱な小男に見えるが、なかなかに強い魔力を秘めておるようじゃ。
人の世に現れるのは、およそ八十年ぶりか...。
外の景色もずいぶんと様変わりしたようじゃのう。
...なんだ、恐れておるのか。
自らの欲望のために、われを召喚したのであろう?
震えておらずに、お主の望みを申してみろ。
...ふぅむ。その大きな魔力は、童貞をこじらせたがゆえのものであったか...。
このわれを、そのような程度の低い願望を満たすために呼び寄せるとは...。
わが力を行使すれば、この世に大きな混乱と災いをもたらすこともできるというのに...。
...まあよい。どのみち、契約のためにお主の血肉は必要だったのじゃ。
血の代わりに、お主の精をいただくとしよう。
...お主の望みは承知した。
...そうじゃ。 われが、お主の童貞を奪ってやる。
これまで生きてきて1度も女を抱いたことのないお主に、このわれが、望み通り、人間の女相手では成し得ない極上の交尾をさせてや
ろう。
...さあ。契約の時じゃ。
衣を脱ぎ捨て、わが前に跪くがよい。
...願望成就の代償として、われはお主の魂を貰い受ける。
さあ、お主の名を、われに捧げよ...!