01 チャプター1「プロローグ ~出会い~」
凶暴なモンスターに男が襲われている。
男を助けるため、周囲の敵を斧でなぎ払いながら駆け寄るターヤ。
はぁぁぁっ、そぉぉぉりゃっ! ふっ! はっ! せぇぇぇいっ!
おいっ! アンタ、立てるかっ? オレがこいつらを引きつけておくから、その隙に逃げなっ!
もたもたするなっ! 死にてえのかっ!
男、あたふたと物陰に姿を隠す。
ターヤ、斧を構え直し、モンスターに不敵に笑いかける。
はっ、メシの邪魔して悪かったな。
このままおとなしく引き下がってくれるんなら、痛え目にあわせずにすむんだが...。
そりゃ、そうもいかねえか。
しかたねえ。
恨むんなら、この「ターヤ様」と出会っちまった、てめえらの運のなさを恨むんだな。
じゃあ、...いくぞぉっ!
...時間経過。
戦闘が終わり、隠れていた男が姿を現す。
...フゥゥゥ。
...なんだ、まだいたのかい?
まあ、アンタみてえなひ弱な人間ひとりで、この樹海から生きて出られるわけがねえか。
...アンタ、仲間は?
...そうかい。そりゃあ、気の毒に。
...オレは樹海を抜けて、西の港町に向かう所だ。
そこまでだったら護衛を請け負ってやってもいいが...。
どうする?
...この森は深い。オレの足でも抜けるには数日かかる。
いつまた怪物どもに襲われるかわからねえから、油断は禁物だ。
...あ? なんだあ? 傷?
あぁ、こんなもんたいしたことはねえよ。
男、手当しようと、ターヤに身を寄せる。
あ、おい。そんなおおげさな。
ん、んんっ。
アンタ、お医者かなにかかい?
...へぇ、薬師のセンセイね。どおりで手際がいい。
しっかし、薬草目当てでこの森に入って命をなくしかけるなんざ、難儀な仕事だなあ。
男がターヤの股間のふくらみに気づく。
んあ? ああ、アンタ、半陰陽に会うのは初めてかい?
オレたちのオークの部族では、精霊の祝福を受けた戦士として、たまにフタナリが生まれるんだ。
こいつのおかげかどうかはしらねえが、オレもなかなか腕っぷしが強く育っちまってね。
今はあちこちで傭兵や用心棒として力試ししながら、旅をしてるんだ。
戦いのあとは妙にこいつがたぎっちまってね。ご覧のとおり、股間が張って、仕方がねえんだ。
普段ならそこらの女を引っ掛けて適当に抜いちまうんだが、周りには木と凶暴なモンスターしかいねえときてる。
んん。そうだな...。傷の手当もいいが、アンタにやってもらいてえことがある。
護衛の報酬、先に払ってもらおうじゃねえか。