トラック1
……お兄ちゃーん、来たよぉ。
うん、お父さんもお母さんももう寝ちゃってたから、見られてないよ?
えへへへ、邪魔しまぁす。
わぁ……、お兄ちゃんのお布団、あったかいねぇ。お兄ちゃんの匂いがするぅ。
え?ううん、匂うとか臭いとか、そういうことじゃないよ?安心する匂いだなぁって思っただけ。
こうして一緒の布団に入ってると、昔のこと、思い出すよね。
あの時はお兄ちゃんも私もちっちゃかったから、お布団の中もすっごく広く思えたけど、今だとそんな風に感じないよね。
別にイヤってことじゃないよ?むしろ、嬉しいかな。
だって、狭いほうがお兄ちゃんと密着できるもん。えへへへ。
ん……。お兄ちゃんの手、優しい……。嬉しくなっちゃうよ。
髪、キレイ?ふふ、ありがとう。毎日しっかりお手入れしてるからな。
友達もみんな褒めてくれてるんだよ?最近好きな人できたのかーなんて聞かれたけど、曖昧にぼかしちゃった。
ホントは昔っからお兄ちゃん一筋なんだけどね。
んぅ……。ほっぺもすべすべ?お肌のケアも念入りにしてるからね。
白くてキレイでしょ?お兄ちゃんのために磨いてたんだから。