Track 6

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元の世界へ

 「ほら、立たせてあげる。前みたいに、キミが前、私が後ろ。」 右手を伸ばして。右手がスライムのように、柔らかくなる。 柔らかくなった右手を、縮めて…縮めて…キミの体の中にしまう。 左手を伸ばして、左手がスライムのように、柔らかくなる。 柔らかくなった左手を、縮めて…縮めて…キミの体の中にしまう。 両足を縮めて…縮めて…体を縮めて…縮めて… キミは、柔らかい一つの物体。スライムみたいに、柔らかいボールになった。 私と混ざり合って、混ざり合って、まるで海に浮かんでいるみたい。 元の体にいらないものは、全部私が吸い取ってあげる。 キミはただ、浮かんでいるだけでいいんだ。ふわふわ、ふわふわ… もうすぐお別れだね。キミがたくさん気持ちよくなって、僕らもお腹いっぱいになったよ。 キミさえよければ、またここに来るといい。私がまた、案内してあげる。 一緒にキミの世界に戻ろう。 宇宙を思い浮かべて。闇があるだけじゃない。そこには太陽も、月も、地球もある。 地球に行くよ?大丈夫、ゆっくりいくから。 私と手を繋いで、ボールだったキミは、元の体を思い出せるかな? 思い出せなくても大丈夫さ、あと少し、キミのいる場所まで、一緒にいこう。 宇宙、地球、キミの住んでいる場所、今キミがこれを聞いている場所、ほら、ついた。 キミの体に、しっかり送り届けたよ? 手は動くかい? 目はあけられる? 大丈夫そうだね。 名残惜しいけど。一旦お別れ、楽しかったよ。それじゃあまたね。

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