プロローグ
みいこ: あ、お兄ちゃんお帰り~♪
もー、遅いよー!
みいこ、お兄ちゃんが帰ってくるのずっと待ってたんだよ?
ほらほら、突っ立ってないでソファに座って座って♪
だってみいこの隣は、いつでもお兄ちゃんの特等席なんだから。
みいこに促されて、ソファに座るお兄ちゃん。
みいこ: ああもう、学校に行ってる間、お兄ちゃんに会えなくって寂しかったよ~。
ほらお兄ちゃん、みいこにもっとよくお顔を見せて?
えへへっ、やっぱりお兄ちゃんはいつ見てもかっこいいなぁ。
クラスの男の子なんかとは比べものにならないよ。
あぁ~ん……、ずっとこうして見ていても、全然飽きないなぁ。
本当はずっとずっと、こうやってお兄ちゃんのこと見ていたいんだよ?
でも我慢して、ちゃーんと学校に行ってるみいこ、とっても偉くない?
みいこ: ねえねえ、偉いでしょ?
だから褒めてよ、お兄ちゃんっ。
ほらほら、頭撫で撫でして?
いつもしてくれるみたいにっ。ね?
お兄ちゃん、みいこの頭を撫でる。
みいこ: ……えへへっ、嬉しいな。
お兄ちゃんによしよしってしてもらえるの、みいこ大好きだよ?
こうやってお兄ちゃんと、まったりのんびりしてる時間が、
みいこの一番幸せな時間なんだぁ。
だからいつまでも、こうして仲良しでいようね、お兄ちゃんっ?
みいこ: ……あ、ところでお兄ちゃん。
ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいかな?
今日、いつもより帰る時間遅かったよね?
もしかして、どこか寄り道してた?
……へぇ、そっか。
お友達と遊んでたんだ?
……嘘ついたって無駄だよ?
だってみいこ、今日見ちゃったんだ。
みいこ: お兄ちゃんが女の子と一緒に歩いてるところ。
みいこ: ふふっ。下校中にたまたま見かけたんだ。
なんだかとっても楽しそうだったなー……。
まるで、恋人同士みたいに見えちゃった。
ねえ、お兄ちゃん?
あの女の子って誰なの?
クラスの女の子?
それとも……それ以上の関係?
……へぇー、そっか。
お兄ちゃん、彼女できたんだ?
みいこ: 最近知らない女の人の匂いがすると思ったら、そういうことだったんだ……。
えっ? ううん、何でもないよ。
みいこ: とにかくお兄ちゃん、おめでとー!
それでそれで? 彼女さんはどういう人なの?
……へぇ、同じクラスの人なんだ?
お兄ちゃんが告白してつきあい始めたの?
……向こうから告白?
やっぱり! お兄ちゃんかっこいいから、モテモテだねー。
付き合い始めてどれくらい?
……一ヶ月かー。
それじゃもう、キスとかエッチとかしちゃった?
もう、誤魔化さないでよー。
好き合ってるなら、そういうこと当たり前だと思うよ?
だから正直に教えてよ。
エッチはもうしちゃった?
……そっか、まだなんだ?
みいこ: えへへ……それじゃあみいこにもまだ、チャンスがあるってことだよね?
どうしたのお兄ちゃん、そんな驚いた顔しちゃって。
みいこはただ、本心を言っただけだよ……くすくすっ。
みいこ: ふぅ~……、なんだか今日はもう疲れちゃったなー。
ちょっと早いけど、もう寝ることにするね?
お兄ちゃんも、浮かれてあんまり夜更かししてちゃだめだよ?
それじゃ、おやすみ。お兄ちゃん。