Track1.もしかして…迷子?
シャキシャキ、シャキシャキ、シャキシャキ~…
今日はいい小豆が手に入ったから、よーく洗っておかないとね~
んぅ…?
さっきから誰かに見られてるような…
おーい、誰かいるのー?
あ、やっぱり隠れて見てたのね
お姉さんが小豆を洗っている所をのぞき見するなんてイケナイ子っ
んぅ?私…?
もしかして、私の事よく分かってないのかな…
ほら、お母さんとかから聞いたことない?
外で小豆を洗う音を聞いたら、その方角には妖怪・小豆洗い(あずきあらい)がいるから近づくなって…
ふふ、ようやく理解できたみたいだね
今、目の前にいるのがその”小豆洗い”だよ♪
やっ、ちょ…!
急に泣き出したりしないでってば~…
別に捕まえて食べたりなんかしないって
言う事を聞かない子供をしつける為に人間が流した設定なんだろうけど、私はそんな事しないよ
ま、まぁ…それ以外の事は身に覚えがあったりなかったり…
って、そんな事言ってる場合じゃないよね
ほら、このお饅頭(まんじゅう)食べて?
大丈夫大丈夫…
はい、お口あーんだよ?あー…ん
どう?美味しい?
ふふ、良かったぁ♪
そのお饅頭に入っている餡子(あんこ)はね、私の小豆で作ったの
これを食べれば、嫌な気持ちなんてすぐに吹き飛んじゃうんだから
よしよし…よーしよし…
いいこいいこだよ~…いいこいいこ~…
それでどうして君はこんな所に来たの?
お家はどの辺なのかな?
え、帰り道を間違って迷子になっちゃったの…?
う~ん…それは困ったなぁ…
近くに住んでるんだったらいいけど、もう日が落ちる時間だし…
こらこら、泣かないのっ
君は男の子なんだから、気を強く持たなきゃ…
ほら、お姉さんがぎゅーってしてあげる
ぎゅー…っ
ん…ぅん
んん…ぎゅー…
どう?少しは落ち着いた?
ふふ、君は強いね~…えらいえらい♪
ねぇ、もし良かったら私の家にお泊りしない?
もうすぐ夜になっちゃうから、そんな中で歩き回るのはかえって危険だと思うの
朝になったら、お姉さんも一緒に君の家を探してあげるから…ね?
うんうん…よーし、それじゃあ決まりだね♪
手を繋いで一緒に行こう?
足元には気を付けて…
しっかりとお姉さんの手を握ってなきゃだめだよ?