Track 1
■01
あぁん。
もう下校時間なの~?
今日中にこの本棚の整理終わらせたかったのに……んん、んしょ、んしょっと。
うぅ、届かないの~~……あ!
先輩っ。
わぁい、ありがとうなの~。
ふふっ、やっぱり先輩は背が高いから、高い所にある本も楽々なの~……あ。
先輩の方は?
入荷チェック、もう終わったの?
……そっか。
だから手伝いに来てくれたのね、嬉しいの。
うん。
あとこれだけ。
でも、もうすぐ下校時間……あっ。
図書室のドア、ちゃんと閉めてあるかな?
大丈夫?
……良かった。
それなら、あとはこの本を戻し終えるだけなの。
うんっ。
ありがとう先輩……だから、大好き♪
ふふっ……はーい。
急いで片付けちゃいましょう。
うんしょ、うんしょっと……えっとこの本は……あっ、そこそこ。
うん、その一番上の棚なの。
ありがとう先輩。
私一人だといちいち脚立に上らないといけないから、時間かかっちゃって……けど先輩がいてくれれば、高い棚にもすぐ手が届くの。
やっぱり、身長があるって素敵。
私ももうちょっとでいいから身長欲しいの……うぅ、だって、平均身長からかなーり低いし。
せめて平均あれば……平均より、ちょっと低くてもいいから。
……え?
まだ成長するから?
も、もちろんまだまだ大きくなるのっ。
いつか先輩の身長だって追い越して……って、そこまでいくとちょっと大きすぎる?
あはは。
うん、平均でいいの。
平均で……だからぁ、んふ。
先輩先輩、ちょっとこっちに来てください?
そうそう、こっちに来て、ん~っちゅ
、ふふっ。
平均的な身長になるように、先輩のパワーを分けてくださいなの~♪
え?
大丈夫。
誰にも見られてないの。
それに見られたっていいの。
私たちが付き合ってることは、もう委員会のみんなも知ってるんだし……だから~。
ん~ちゅっ♪
こうして、チューしても大丈夫。
ふふっ、先輩、顔真っ赤。
え~?
夕焼けのせいなの?
じゃあ先輩は、私とチューしても赤くなってくれないの?
……なる?
ふふっ、どっちなの~?
ねっぇ、先輩……え?
あ。
あははっ、そ、そうでした。
早く本の整理終わらせないとなの……はーい、図書委員のお仕事はちゃんとしま~す……は~い、もうコレで終わり。
今日のお仕事はこれでお終いなの~。
はーい、委員長。
こっちも作業終わりましたの~。
大丈夫です、先輩が手伝ってくれましたから……ねー、先輩っ。
いいんですか?
それじゃ、あとはお願いしますなの。
先輩、帰りましょう?
え……今日も新しい本、借りていくの?
先輩、読むの早すぎるの……ううん、いいの。
だけど睡眠時間削りすぎてない?
寝不足は体に良くないの……うん。
本当に?
……はーい。
だけど、そんなに次から次に読まれちゃったら、追いつけないの。
先輩の読んだ本は、私も全部読みたいのに……んもうっ、わかってない。
そうじゃないのっ。
先輩との話題は一つでもたくさん欲しいし、先輩が読んで何を感じたか、どう思ったのか、私も読んでれば理解しやすいでしょ?
私はもっともっと先輩のこと知りたいの、も~っと。
ふふっ、大好きな人のことを知りたいって思う気持ちなの。
おかしくなんてないでしょ?
だから新しい本を読むのもいいけど、一つ一つについて語り合うこともしたいの……そうだ。
今日も先輩のお部屋、寄って行っていい?
この本、一緒に読ませてもらいたいの。
いいでしょ?
わーい、ありがとう先輩。
大好き……っと。
みんなの前でチューはできないの。
だから、先輩のお部屋で……ね?
ふふっ……はーい、それじゃ皆さん、お先に失礼しますなの。
また明日、図書室でお会いしましょう……え?
はい、交際は順調なの♪
先輩は優しくて素敵で、物知りだし背も高くて……えぇ?
ですから、大人と子供じゃないですってば!
先輩と後輩なんだから、多少の身長差は……むぅ。
どうせ私は小さいですけど。
えぇ?
親子に間違われたことなんてないです。
先輩、そこまで老け顔じゃないですし、私だってそんなに幼くは……な、ない、ですよね?
えぇ、そこまでじゃないの~~……んもう。
みんな意地悪なの……だから、親子にも兄妹にも見られたことないのっ。
ちゃ~んと素敵な恋人同士に見られてますから、ご心配なくなの。
ねー、先輩♪
はい、それじゃ帰りましょう。
今日だって先輩のお部屋に寄って、一緒に読書するの。
だから、みんなとお喋りしてる時間なんてないの~……えぇ?
それは~、内緒っ……ふふ♪
はい、それじゃお疲れ様でした。