4話目
[会場を出て、建物を外から再び見上げてる少女]
【右側・近距離】
魔物だらけだと思ってたこの塔が、あんなにも素晴らしい宝物庫だったなんてな。(しみじみ)
人混みが苦手なのは相変わらずだが……それよりも今日は、楽しさの方が優ってた気がするよ。
はふぅ……(その場でへたり込みそうになる少女を咄嗟に支える主人公)
(主「大丈夫?」)
【正面・至近距離】
あ、いや……すまない……ちょっと気合いが抜けてしまっただけだ……
(主「ちょっとあっちの方で休もうか」)
ああ……少々休憩が必要かもしれんな……
(主「今なら誰もいなさそうだけど」)
んむぅ……まあ、そうだな……今なら……
(「じゃあ」と、背中に載るよう促す主人公)
【後方・至近距離】
ん……よっと……
(主人公に背負われる少女)
【右・耳元】
(ちょっと眠そうに、囁き声で)
お前……重くないか?
(主「全然」)
そうか……ふふ。本当に頼もしいよな。
だが、結構色々買ったし、荷物持ったままは少し大変だろ?
(主「君のためなら全く苦じゃないよ」)
ん……なんかキザだな。お前だって、今日一日私のエスコートをして疲れてるくせに……
……ありがとう……
んむ……なぁ、恥ずかしいとか言わないから、このまま駅まで行かないか?
そんなに遠くもなかっただろ?お前が嫌じゃなければ……
(主「仰せのままに、お姫様」)
ふふ……すまんな、我が忠実なるナイトよ……
それにしても、来る途中と比べて人、明らかに少ないよな。
(主「人によって目的は違うからね」)
ああ、なるほど……目的のものを手に入れてさっさと帰る人もいれば、まだ会場周辺に残ってる人もいるようだったもんな。
私たちが早めに引き上げただけで、一応はまだやってるんだろう?
何時間もあんな人混みの中に……参加者も命がけだよな……ふふ。
だが……朝はあんなに怖がっていたのが嘘みたいに……今日は楽しめたよ。
(主「ずっと手は握ってたけどね」)
それは……お前が手を離してくれなかったんだろ?(強がり)
ふふ、冗談だよ。
お前がいなければあの場に行くことどころか、会場に近づくこともできなかっただろうしな。
ナイトに連れられて外の世界を知る姫という構図、出会ってからずっと変わらないな。
そしてきっとこれからも……お前と一緒にたくさんの世界を知ることになるんだろう。
あんなに多種多様で個性豊かな世界に触れることができて、今日は本当に良かったと思っているよ。
今回のはオリジナルの……いわゆる一次創作限定のイベントだったんだろう?
(主「そうだね」)
本番というか、夏のというか……あれはなんでもありなイメージだし、また今日のとは違う出会いがあるんだろうか……
そちらも楽しみになってきたよ。ふふ。
(主「ちなみにそっちの参加者は今日の何十倍かいるよ」)
数十倍?参加者が……?
あ……それ聞いたらやっぱり怖くなってきたぞ……
(主「しかも3日開催」)
あ、それは知ってる……日によってジャンルが違うんだよな。
ということは……もっと体力と精神力を強化して臨まねば……
もう少し場数を踏みたいな……少しずつ慣らしていく感じで……
(主「良さそうなイベントあったらまた誘うよ」)
ふふ……すまんな。
私の方でも気になるのがあったらメモしておくよ。
アンテナ、伸ばしておかないとな。
ふあぁ……んむ……しかし、朝早かったからか、かなり眠い……
お前もちょっと眠そうだな……はむっ……(耳を唇で噛む)
(耳を唇で噛んだまま)
ほら、耳も熱い……体温高いの、背中にも出てるぞ。
(/耳を唇で噛んだまま)
ふふ……私よりもずっと早起きだったもんな……お前は……
これは帰ったらふたり仲良くバタンキューかな。コンテニューは明日の朝ってことで……
ん……本当に、素敵な1日をありがとう……最愛のナイト……愛してる……んちゅ……(後ろから首にキスをする)
だがその前に、家まで辿り着かねばな……
駅まではこのまま背負われて行こうと思うが、さすがにこのまま電車はまずいだろうし、車内で寝ないように気を張って行かなくては……
自由な生活させてもらってるから、睡眠耐性はかなり低いんだよな……眠くなったら寝るから、睡魔を我慢するのは苦手だ……
(主「よく喋るね」)
ん……喋ってないと寝てしまいそうだからな。お前の背中、本当に心地いいから……
お前も、私が眠らないように適度に相手、してくれよな?
(/ちょっと眠そうに、囁き声で)