Track 1

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トラック1:オープニング

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● トラック1:オープニング ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● /SE:ドア開閉音 【綾】 「あ、やっと来た。お帰りー。家に帰ってくる時間ってこんな遅いんだね。お疲れ様ー」 【綾】 「え? どうして私がお兄さんの家にいるかって? ふふっ、気になる?: 【綾】 「ちょっとねー、色々あってこっそり忍び込んじゃった。……鍵? あはは、大丈夫。壊してなんかいないから気にしないで」 【綾】 「……はいはい、聞きたいことは後で聞くから。とりあえず着替えてきたら? その間に作っておいた料理よそっておくから」 【綾】 「いいから、細かいこと聞かない! せっかく作っておいた味噌汁冷めちゃうから、早く着替える」 【綾】 「えっと……とりあえずお皿とお茶碗はっと。……あ、あったあった。……tえ、埃被ってるし。まったくもう……」 【綾】 「やっぱりコンビニ弁当ばっかり食べてたんだ。ゴミ箱も弁当の容器とカップラーメンの容器しかなかったし」 【綾】 「はぁ……おばさんの不安も的中だったってわけだ。やっぱあたしが来て正解だったかなー」 【綾】 「……あ。着替え終わったんだ。早いね。……ん? まさか……ねえ、もしかして、スーツ脱ぎっぱなしにしてないよね?」 【綾】 「……はぁ、やっぱり。ダメだよ、脱いだらすぐにハンガーにかけておかないと。皺になっちゃうよ?」 【綾】 「だーめ。明日が休みとか関係ない。ほら早く掛けてよ。……うっさい、お母さんとか言うな!」 【綾】 「はぁ、まったく……全然変わってないんだから。社会人何年目よ、もう……」 【綾】 「……ま、そこがお兄さんの可愛いところだけどさ。ふふ……よし、盛り付け終わりっと」 【綾】 「……あ、ちゃんとハンガー掛けた? うん、それならよし。それじゃあご飯運ぶから、そこに座ってて」 【綾】 「よっと。……ふふ、いい匂いさせてるでしょ。あたしも一人暮らし長いからねー、これくらいお手の物になっちゃった」 【綾】 「お兄さんも自炊とか頑張ればいいのに。節約にもなるし、やってみると結構面白いよ?」 【綾】 「あー……でもそれだと、あたしがここに来る言い訳が……ふふ、やっぱり何でもない。今の忘れて」 【綾】 「はい、それじゃあどうぞ。綾ちゃん特製、肉じゃが定食を召し上がれー」 【綾】 「おかわりもあるから、どんどん食べちゃっていいからね、ふふっ。……それで、どう、どう? 味の方は」 【綾】 「……あはっ、そっかそっか。だよねー、よかったー。お兄さん、昔は濃いめの味付けが好きだったもんね、好みが変わってなくてよかったー」 【綾】 「味噌汁も作ったから、そっちもしっかり味わって食べてね。ふふん、コンビニ弁当なんかに負けないくらい美味しく作ったから」 【綾】 「……え? そろそろ家に侵入した理由を教えろ……って?」 【綾】 「むー、そこ、そんなに気になる? せっかく美味しいご飯を用意したんだから、そっちに集中すればいいのに」 【綾】 「まー別にいいけどさー。……ねぇ、おにいさん。最近おばさんに全然連絡してなかったでしょ。違う?」 【綾】 「……やっぱり。お正月も帰ってこなくて寂しいーって、おばさんすっごく嘆いてたよ?」 【綾】 「仕事の方は順調なのか、ご飯はちゃんと食べてるのか。たくさん気にしてたみたいでさ……」 【綾】 「それであたしに、合鍵渡すから様子を見に行ってくれないかってお願いされちゃったわけ。……ま、ご飯作ってあげたのはサービスってところかな」 【綾】 「……でも、この様子を見ると、来て大正解だったみたいだねー。ご飯もコンビニばっかりだし、サラダとか食べないと駄目だよー?」 【綾】 「……仕事が忙しくて、そういうのに気を遣っていられない? ……ま、そうみたいだねー」 【綾】 「帰ってくる時間も遅いし、部屋も散らかったまんまだし。……そっか、結構大変なんだ、社会人って」 【綾】 「もしかして、実家に帰れないのも、仕事が忙しかったから? ……ふぅん、なるほどねー」 【綾】 「ま、あたしはまだ大学生だから、社会人の大変さとか知らないし。無理には言えないけど……」 【綾】 「次にまとまった休みがあったら、おばさんに顔見せておいた方がいいよ? じゃないとまたあたしに連絡来ちゃうし。分かった?」 【綾】 「……ふふ、よし。よろしくね、お兄さん。……あ、もう食べ終わったんだ。おかわりどうする?」 【綾】 「……お腹いっぱいだから大丈夫? そう。それなら、余った分は明日食べてね。たくさん作ったから、ふふっ」 【綾】 「……あ、もう。食べてすぐ横にならないの。行儀悪いし、牛になっちゃうよー?」 【綾】 「お兄さんが牛になっちゃったら、あたし泣いちゃうんだけど。……仕事で疲れてるから見逃して?」 【綾】 「……そんなに疲れてるの? それなら仕方ないけどさー。……もう、すぐ寝ちゃいそうな雰囲気なんだけど」 【綾】 「……でも、そっか。そんなに大変なんだ、社会人って。……よし分かった!」 【綾】 「お兄さん、耳かきある? ……いいから、細かいことは気にしないの。どこにあるの? この辺? あ、あったあった」 【綾】 「よし、それじゃあお兄さん。どうせ横になるなら、ほら、ここ。ふふっ、あたしの膝に頭乗っけちゃって」 【綾】 「え? 大丈夫、変なことしないから。ただ耳かきしてあげようかなーって思ってるだけ」 【綾】 「知ってる? 人に耳かきしてもらうのって、びっくりするくらい気持ちいいんだよ?」 【綾】 「だから、仕事で疲れてるお兄さんのこと、癒してあげようかなーって。ふふ、ほら早く、こっち来てよ」 【綾】 「……恥ずかしいって? あはは、もう何言ってるの。幼馴染じゃん、あたし達。今更恥ずかしいも何もないって」 【綾】 「いいから、ほら、早く来てってば。今日くらい、あたしに甘えてもいいんだよ? ……うん、よしよし。素直なことはいいことだよ」 【綾】 「……ちょっと、もう。何不安そうな顔してるの? ……もしかして、怖い……とか?」 【綾】 「大丈夫だって。ちゃーんと、優しく掃除してあげるから。お兄さんは、ただ気持ち良くなるだけでいいの」 【綾】 「だから、細かいことは気にしない。ふふふっ、日ごろの疲れをたっぷり癒してあげるんだから」 【綾】 「それじゃあ、始めるね? まずは、右耳から……よっと……」

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