辛辣どきどきお耳掃除
※正面 離れて
失礼しまぁす、ご主人様ぁ
ステラがお掃除に参りましたぁ
SE: 近づく足音
※正面 30㎝
ん? 部屋は片付いている?
そんなのあたりまえじゃないですかぁ。
ステラはちゃーんと、メイドの本分は全うしておりますよ
お部屋のお掃除なんて、ご主人様のお出かけ中にささっと終わらせるのが常識です
まあご主人様のような高貴なお方は? 掃除なんて下々の雑務にはご興味なんてないでしょうけど?
……んふふ。
冗談です。
またそんな焦ったお顔をして。相変わらず子犬のようにかわいらしいですねぇ
そんなわんこなご主人様に、ステラが教えて差し上げましょう
今からするお掃除は、お部屋ではなくて、こーこ……
※右耳元 0㎝
お耳のお掃除でございます
※正面 20㎝
ふふっ、先ほどお風呂に入りながら、自分の完璧にお手入れされた透き通るような肌を見ながらふと思ったのです。
お部屋のお掃除はしても、ご主人様のお体まではお掃除させていただいていなかったなあと……
まったく、ステラとあろうものが、メイドにあるまじき失態ですね。
どうせご主人様は、一日汚れたお体を、ズボラに適当に横着しながらケアしていらっしゃることでしょうから、
今頃そのお体には垢がたまりまくってしまっていることでしょう
ああおぞましい。想像するだけで寒気がいたします。
しかしそれも、全てはこのステラの失態。
ご主人様のお体が全体的に薄汚れていらっしゃるのは、全面的にわたくしの責任ですので、ご主人様? どうぞお気に病みませんよう……。
今後はステラが、ご主人様のお体を洗いたての雑巾のようにきれいにして差し上げますので。
……とはいえ、ご主人様はもう本日のご入浴をすませていらっしゃいますので、
せめてお耳をお掃除させて頂こうかと、そういったわけでお部屋に参りました。
なにせお耳は敏感でデリケートで傷つきやすい繊細な場所……。
いわば人体の急所中の急所であり、どんな鍛えぬいた男性でも、ここに棒でも突っ込まれたら情けない悲鳴を上げることでしょう。
そのような場所のお掃除をご自分でなさるのは危険ですし、かといって、よほど心から信頼し身を任せ、こいつになら殺されてもいいと思えるほどの相手でなければ、他人に任せることもためらわれます。
そして寂しいご主人様には、そんな相手はステラぐらいしか居ないはず。
というわけでさあ、ステラがその耳かっぽじって差し上げますので、大人しく耳を差し出してくださいませご主人様。
……おや、どうされましたかご主人様? なんですかその目は?
まさか、ステラをご信頼頂けないのですか……?
ご主人様のお耳の健康を心配して、頼まれてもいないのにわざわざ耳かき棒を用意してまで来て差し上げましたのに……。
はあ……ステラかなしい。ぐすん……ちらっ。
悲しすぎて、今夜のご奉仕は……ちらっちらっ……できないかも……ちらっ。
……あら、なんですかご主人様。やはり、ステラに耳かきをして欲しいのですか?
はあ……やれやれまったく、最初からそうして素直にしていればよろしいのです。
それでは、ステラがベッドの上にこうして腰かけて失礼しますから、ご主人様はごろんと横になってくださいませ?
ステラのお膝をまくらに。
SE: 衣擦れ
※右耳
……はい。よろしいですよ。
それでは、こちらのお耳から綺麗にいたしますね。
一応言っておきますが、動いてはいけませんよ
なにかありましても、保証は致しかねますので。
ふふふ。さぁーてさてさて、ご主人様は、どれほどの耳垢をため込んでいらっしゃるのか……。
いざ、拝見。
※右耳 覗き込む位置
うわあ……。
うーわぁ……。
これはひどい。
大きいのから小さいのまで……毛の先にまでびっしり
ええ、そりゃあもう、わざと育ててるのかってぐらいのひどいありさまで……。
はっ、まさか、育てていらっしゃるのですかご主人様。
それは大変失礼いたしました。
よほど愛情深く、大事に大事に育てていらっしゃったのでしょうねぇ。
見事な、ええ、それは見事な耳垢でいらっしゃいます。
耳垢さんたちも、きっとご主人様に感謝していることでしょう。
大事に育ててくれてアリガトー(裏声で囁く)
良かったですねぇ。耳垢ちゃんたちからご主人様大人気です。
んふふ、では今から、そんな彼らを阿鼻叫喚の渦に叩き落として差し上げましょう……
【耳かき30秒】
ほぉーらご主人様ぁ? たくさん取れていきますよぉ……?
うふふ、可愛いステラの可愛い声が、もっとよく聴こえるようになったんじゃないですかぁ?
これからは、なにひとつ聴き洩らさなくてすみますねぇ……んふふ……
ああ、でもいやですわ。
これまでご主人様に聞こえないようにひっそり呟いてきた本音まで、全て聞かれてしまうかもしれません。
……ひそひそ……チョロい……ひそひそ……童貞……ひそひそ……スケベ……。
うふん、ステラ恥ずかしい。
【耳かき30秒】
……はあ、しかし、どんどん出てきますね。
まったく、こんなにたくさん垢をお耳に飼っていただなんて。
さすがはご主人様、素晴らしい博愛精神ですわ。
私だったら不快で気持ち悪くて、とても耐えられません
ステラがギリギリ許容できる不快なものは、メイドをじろじろいやらしい目でみるセクハラエロ主人程度が関の山でございますぅ。ふふふ。
【耳かき60秒】
……ん。ようやくきれいになりましたか。
ふふ、ご主人様のかわいいかわいい耳垢は、すべてステラに抹殺されてしまいましたぁ
せっかく育てたのに残念でしたね
寂しければまた一からこつこつとお育てになってくださいませ?
……まあ、今後はステラが、ご主人様のお耳を年中無休で監視いたしますから、そんな暇は与えませんけれど
さて、最後は梵天ですよ。毛先についた細やかな垢までとってまいりますからねぇ……
【梵天30秒、最後に軽く息を】
……はい。おしまいです。
おや、なんですかぁ? 物欲し気な顔をなさって。
仕方ないですねぇ
【耳ふー30秒】
ふふ。
はーい。
びくびくするご主人様をみていると、ステラもなにやらぞくぞくと滾ってしまいますから、この辺で。
さ、次は反対のお耳をお借しくださいませ。
そうです、こちらを向いて、左耳を上に……。
SE: 衣擦れ
※ 左耳
うわあ……。
うーわぁ……。
これはひどい。
やっときれいにしたのに、先ほどとまったく変わらない惨状です。
ステラも思わず、まったく同じリアクションをしてしまいました。
人の耳というのは、ここまで汚らしくなることができるものなんですねぇ。
それともなんですかぁ? 右耳から亡命でもしていらっしゃったんですか貴方たちは?
まったく、このしつっこさたるや、連日連夜のご奉仕にも関わらず、まったくとどまることを知らないご主人様の性欲のよ……。
おっといけない、ステラとしたことが、もう少しで危うく失礼な事を口走るところでした。
さ、ではご主人様?
どこぞの誰かのようにしつこい耳垢どもを、ステラが今度こそ滅亡させてさしあげますねぇ?
【耳かき30秒】
……ああ、そういえば、ご主人様?
先日、ご主人様にお見合いの話があったのをご存知ですか?
おや、ご存じない?
どうやらお耳に入る前になくなったようですね。
それはなによりです。
お相手が、ご主人様とはとても釣り合いの取れなさそうな方でいらっしゃったので、心配しておりました。
……え? なにか問題があったのかって?
まさか! お家の格も、ご本人も、それは素晴らしくとてもよくできたお嬢様でいらっしゃいました。
あんな素敵なお嬢様とお見合いなどしてしまったら、ご主人様が劣等感に苛まれ、心を病み、最後には精神崩壊してしまわれるのではないかと……。
わたくし、それはそれはもう、本気でものすごく心配を……。
しかしそうですかぁ。お話自体がなくなりましたかぁ。
いやぁー、不思議ですねぇ。いったい、何があったのでしょう? ふふふふふふ……。
……まあ、ご主人様にはまだまだ、ご結婚など早いということです。
ヘタレ童貞おぼっちゃまは、ステラにご奉仕してもらっているのがお似合いですよ……ふふ。
【耳かき30秒】
んふふ……そうそう、そうやって大人しく……。
ステラにご奉仕されていて下さいね……。
気の抜けた猫みたいに、だらしなく甘ったれていればよろしいのです……。
※無声音で
そうすればいつだって、ステラが楽しく、ご主人様を気持ちよくして差し上げるのですから……。
……おや、ご主人様?
何やら、お顔が赤くなっていらっしゃいませんか?
はあ……まったく、なにを想像したのやら。
ご主人様の卑しさときたら、救いがたいほどですねぇ……ふふ……。
【耳かき60秒】
……さて、こちらもきれいになりましたか。
では、仕上げをいたしましょうねぇ。
【梵天30秒、最後に軽く息を】
……ふふ、はい、終わりです。
…………おやご主人様、なんですかぁ?
まだ、なにか物足りません?
はあ……まったく、欲しがりですねぇ……。ふふ……。
【耳ふー30秒】
……はい、今度こそおしまいになります。
大変お疲れ様でした。
大事に育てておられた耳垢をごっそり根こそぎお掃除されてお寂しいかとは存じますが、どうぞ気を落とさず。
これからはご主人様のお耳を、もーっと気持ちのいい、ステラの愛と吐息と唾液で、毎日のように満たして差し上げますので……。
んふふ……楽しみですね、ご主人様? ちゅっ