■02
……お兄ちゃん?
んもうっ、お兄ちゃんってば!
……何、じゃなくてっ。
私の話、聞いてた!?
……むぅう~。
聞いてなかった~。
まさか、彼女のこと考えてたんじゃ?
フンだ。
だったら、いつになったらフラれてくるのよ。
もう一週間以上経ってるんですけど~。
……んもう、お母さんとお父さんは黙ってて?
これは私たちの問題なんだから。
いいのっ。
お兄ちゃんは彼女にフラれる約束なんだから。
……可愛そうじゃないでしょ?
だって私がいるんだから。
お兄ちゃんの恋人は、私だけでいいの。
私が最愛の人なのっ。
ね~?
……ねぇってば。
んもうっ、ねーってばー!
……うぅう。
お兄ちゃんが呆けちゃったよぅ。
……何でお祝いしなくちゃいけないの?
お、お兄ちゃんも驚きすぎよ?
彼女が出来たくらいでお祝いすることなんてないでしょ?
それに、もうフラれるんだからお祝いなんて……あぁ、私のためのお祝いなら、いくらでもしてくれていいわよ♪
むぅ~。
とにかく、次の週末までにはしっかりフラれてきてね?
そうじゃないと、私とのデートができないんだから。
……平日でもデートはできるけど、平日だって遅いしっ。
それに、昼間もずっと一緒にいたいのっ。
お母さんだって、お父さんとベッタリなんだからこの気持ちわかるでしょ?
……そうなの。
ふふ、そうなのよ~。
ねぇ、お兄ちゃん。
……お兄ちゃん?
んもう!
また上の空で!
本当に今日はちょっとおかしいわよ?
お風呂入ってシャキッとしてきなさいっ。
ほらほら、後がつかえてるんだから早くね。
はふ~……んもう、お兄ちゃんったら一体どうしちゃったのかしら。
顔を赤くしたり、青くしたり……ニヤッとしたり、ビクッとしたり。
あんなお兄ちゃん、見たことない。
う~ん。
本当に彼女と何かあったのかしら。
……何かって?
フラれたんじゃなさそうだから……まさか、結婚を申し込まれたとか!?
お、お金持ちって言ってたわよね……。
それって逆玉の輿?
な~んて、お兄ちゃんに限って、お金に目がくらむようなことないわよね。
それに、将来はお兄ちゃんだってバッチリ稼げるエリートサラリーマンに!
銀行員とか~、弁護士とか~、んふふ。
警察官っていうのも格好いいわよね~。
そして私は、働くお兄ちゃんを陰に日向に支える妻♪
子供は二人。
お兄ちゃんと妹。
きゃ~っ。
あぁん、素敵~♪
早くお兄ちゃんとの子供、欲しいなぁ……ふぅ~。
結婚か~。
まだちょっと早いわよね。
というか、兄妹は結婚できない……そんなこと、もう知ってるけど。
だからって、お兄ちゃんが他の人と結婚するなんて考えられないわよねぇ。
考えたくもないって言うか。
しかも、あんな怖そうな美人相手とか……ないないっ。
ありえないっ。
あと、子供もね。
……せ、セックス、すればいいんだっけ。
授業もやったけど、みんなキャーキャー言うばっかりであんまり頭に入ってこなかったし……えっと、教科書は~。
んっ、んん……えっと、性行為について、っと……ふ~む、んん。
ふむふむ、んん~?
う、うわぁ。
あぁそうそう、女性器に、男性器を入れて、赤ちゃんの素を入れてもらう……んん、んっ、ごくん。
ふむふむ、んん、んぅう~……あぁ、駄目。
ちょっとグロい……膣とか子宮だって内臓なんだから、気持ち悪いわよねぇ、うぅ……ん?
あれ、これって……あぁ、これもね~。
オナニー……自慰行為……男性は必ずするもの。
するものなの?
って、何をすることなのかしら。
何々……男性器を撫でて、精液……赤ちゃんの素を出す?
何で出すの?
あぁ、溜まっちゃうものなのかしら。
溜めておくと良くないから、定期的に排出する。
それがオナニー?
ふ~む……んん?
あら。
女性もオナニーはするって……えぇえ!?
私もしなくちゃいけないの?
どうやって……私、オチンチンないわよね?
じゃあ、オッパイを撫でるとか?
それともまさか、お股を撫でるとか……え~?
汚いのに?
あぁでも、男の人もオチンチンからオシッコするのよね。
だったら、おかしくはない?
う~ん、でもなぁ。
これまでもしてこなかったんだから、今からしなくても、ねぇ……。
ひゃん!?
あっ、あぁ、はい?
お兄ちゃん?
いいわよ……って、ちょっとストップ!
待って待って……教科書は隠してっと。
あ、あはは……は、はーい、いいわよ~?
あぁ、うん。
大丈夫っ。
何?
お風呂?
う、うん。
入る入るっ……あはは。
な、何でもないわよ?
……ないってばっ。
ちょっと勉強してただけ。
そうそう、偉いでしょう?
それより、お兄ちゃんこそシャキッとできた?
ん~、お風呂上がりだからかな。
まだボーッとしてるように見えるわよ?
うん。
見える……んん?
なぁに、どうしたの?
あ~。
もしかして、お詫びの撫で撫で?
それともチューかなぁ♪
んん~?
んふふ、は~い。
チュー?
ん、んん……んうっ!?
んっ、んん、んっ、んっ、んっ。
んぅう、んぅ~っぷはぁ!
はぁっ、はぁはぁ、お兄ちゃん?
あ、あはは。
やだもうビックリ~。
……ううん?
お口にチューも好きよ。
いきなりだったから驚いただけ~、んん、ふはぁ~。
お兄ちゃんがしてくれるなら、私もね?
ほっぺより、お口にチューの方が好きかなぁ。
ん、んん……ん~っちゅ。
ちゅ、ちゅっちゅっ、んっふ、うちゅ、んぅん、ちゅむちゅむ。
んっ、んんっ……あっふ、んぁん。
お兄ちゃぁん、んん、ぁん、あぁん。
んっ、んっ、んん、んっちゅ、んっふ、うちゅ、ちゅむん。
ちゅっちゅっ、うっちゅ、んん、うちゅ~。
んぅ~っふはぁ。
は~、は~、はぁ、あぁん。
お兄ちゃん?
何だか今日は積極的……ううん。
だから、いいってば♪
……あ。
もしかして、まだフラれてないお詫びかな~?
んふふ、しょうがないわねぇ。
こういうお詫びなら、いつでも大歓迎っ、あっ……んん。
んっちゅ、んちゅ、ちゅむっ。
ちゅっぷちゅっぷ、んん、んっふぅ、うう、んん、んっふ?
んっ、んっ、んん、んぅん!
あっふ、ぷふっ……ふはぁっ、はぁはぁ、あ、あぁん。
お兄ちゃん。
ちょっと激しい……んん!
ちゅぶ、じゅるじゅる、ちゅぶぶ、うじゅる!
ちゅっぷちゅっぷ、んん、んぅん。
あっふ、はふん。
お、お兄ちゃんってば、あぁん、ちょっと待ってぇ?
ベロ入れてるでしょ。
ニュルニュルするの、ちょっと変な感じで。
んっ、んん、んはぁ、はぁはぁ……イヤじゃないけど。
苦しいかも……そ、それにあの。
胸、さわってる。
……ううん?
イヤじゃないけど……あれ?
胸にさわりたいの?
でも、胸はほら……オッパイだから。
あ、赤ちゃんにあげるものであって、お兄ちゃんがさわるのは変なんじゃ……そう?
そんなことない?
あぁうん、私はいいんだけど。
そうね。
頭を撫でてもらうのと一緒、なのかも?
う~ん。
そ、そうかなぁ?
あはは……あ!
どうしたの?
もういいの?
あぁ、うん。
わかった……うん。
お休みなさい。
んん~?
お兄ちゃんったら、変なの……。