Track 7

幽子ちゃんの最期の膝枕

(左から右・通常) ん~と・・・。 (右・通常) 夜明けまでは・・・。 あと、ちょっとといったところでしょうか。 (正位置・通常) もうすぐ成仏すると思うと、嬉しいような、切ないような、何だか不思議な気分です。 あ、あの、家主さん。 お願いがあるんですけど・・・。 (左・通常) あ、あの・・・。 もし良かったらなんですけど・・・、その・・・。 私が成仏するまで一緒にいてくれませんか? (正位置・通常) え、あ、そ、そんな顔しないで下さい。 何だか、私が変なことを言ってるみたいじゃないですか。 だ、だって。 (右・通常) だって・・・、成仏するってことは消えるってことですよ。 この世から消えてしまう時に、一人ぼっちなのは・・・、寂しい・・・です。 だから、その・・・。 傍に・・・、いて欲しい・・・な。 ・・・なんて・・・。 (右・接近) だ、ダメですか・・・? (正位置・通常) あは、ありがとうございます。 嬉しいです、最期に家主さんと一緒に居れて。 えへへ。 え~と。 こうやって、改まって向かい合っていると、何だか緊張しますね。 えへへ・・・。 (左・通常) あ、大きなあくび。 んもう、家主さんったら、緊張感がないですね。 でも、そうですよね。 いつもなら、寝てる時間ですものね。 ごめんなさい、私が起こしてしまったから。 (正位置・通常) それじゃあ、せめて私の膝枕で寝て下さい。 もちろんいいですよ、そのまま眠ってしまっても。 成仏するところ、見られたくないし。 ほら、膝枕へどうぞ。 (SE:膝枕・後頭部が太もも) (正位置・通常) ふふ。 今日、2度目の膝枕。 (左・通常) はっ! もしかして、もう私の体に飽きちゃいましたか? え? いや、変な意味ではなくてですね、膝枕に飽きたかってことですよ。 (右・通常) もう~、変なこと考えたんでしょ。 家主さんのエッチ。 (正位置・通常) ねえ、家主さん。 頭、なでなでしてもいいですか? (SE:頭をなでる音) 人の頭を撫でるのって、気持ちいいんですね。 心がほんわかするというか。 和みます。 (右・通常) ふふ。 家主さん、子供みたいでカワイイ。 もっとなでなでしてもいいですか? ふふ。 (SE:頭を撫でる音) (左・通常) なでなで、なでなで。 イイコ、イイコ。 (正位置・通常) ん? 子ども扱いされてるみたいでイヤですか? いいじゃないですか。 (右・接近) 子供になって、いっぱい甘えて下さい。 (SE:頭を撫でる音) (正位置・通常) なでなで、なでなで。 イイコでちゅね~。 えへ、なんちゃって。 眠くなってきましたか? いいですよ、眠って下さい。 こうやって、背中をトントンしていますから。 (SE:背中をトントン) (右・接近) 家主さん、寝ちゃいましたか・・・? そのままで聞いていて下さい。 その、ぶっちゃけ、家主さんは全然私の好みのお顔ではないのですが、こうやって一緒に居てお話しをしていると何だか安心して・・・、とても楽しかったです。 できたら、このままずっと家主さんに憑りついてたいな、なんて。 ふふ、迷惑ですよね。 分かってます。 私、可愛いけど幽霊だし、家主さんも生きてる女の子の方がいいですよね。 ごめんなさい、変なこと言って。 忘れて下さい。 もう、成仏しますから。 そろそろ、時間みたいです。 家主さん、さようなら。 最期に家主さんと一緒にいれて、良かったです。 家主さん。 好きです。