01章-義兄をM男向け音声作品のレビューにかこつけてイジめる編
01章-義兄をM男向け音声作品のレビューにかこつけてイジめる編
お兄さん、いますか。
この前借りた「涼宮茜の憂鬱」(すずみやあかねのゆううつ)のDVDを返しに来ました。どうもありがとうございました。お兄さんは、私の見たかったアニメのDVDを大抵持っていてくれるので助かります。
私、本当は、お母さんが、新しいお父さんと再婚して、新しいお兄さんが出来るって知った時は、新しい家族とうまく生活していけるか、ちょっと不安な気持ちもあったんです。
でも、そんな心配が今では嘘のようです。お兄さんが、私のお兄さんになってくれて、私、とっても嬉しいんです。
お兄さん、すごく優しい人だし。私と趣味も合うし。
ところで、ネットで「涼宮茜の憂鬱」の同人誌とかを調べたんですが、ダウンロード販売サイトで、ネット上で簡単に同人誌が買えちゃうんですね。
この前、ダウンロード販売サイトの「AkibaDoujinDL.com」(あきばどうじんでぃーえるどっとこむ)って言うサイトを見たんですが、同人作品って、同人誌以外にも色々あるんですね。ゲームとか、CG集とか、動画とか。
あと、えーと、何て言うんだっけ、ドラマCDみたいなの、えーと、そうだ、音声作品とか言うのもあるんですね。
お兄さんは、音声作品とか知ってますか。
よく知らない、ですか。
でも、興味とかはありませんか。
興味もあまりない、ですか。
でも、でも、「AkibaDoujinDL.com」(あきばどうじんでぃーえるどっとこむ)を見ると、音声作品って、ちょっとほかの同人作品と違っているみたいなんですよ。何か、Mシチュ(えむしちゅ)とかの作品がすごく流行(はや)っているらしいんです。
Mシチュって、何と言っていいか、MシチュのMって、「SM」プレイの「M」のことらしいんですけど。
そういう作品を熱心に購入する男の人たちがたくさんいるらしいんです。そう言う男の人のことは、M男(えむお)って呼ばれているんですって。
お兄さん、どうしたんですか、さっきから落ち着きないような感じですけど。もしかして、私、何かへんなこと言ってますか?
別に何でもない、ですか。それならいいんですけど。
それで、音声作品って、実際に、どんな内容なのかを、「AkibaDoujinDL.com」(あきばどうじんでぃーえるどっとこむ)で調べたんですけど、ロリっ娘やサキュバスの言いなりになって、男の人が、エッチな方法で、いじめられちゃったりするストーリーとかなんです。
最近、人気があるのが、「妹マスター」(いもうとますたー)って言う音声作品なんですけど、1ヶ月で、3,000もダウンロードされているんです。すごいと思いませんか。
どうしたんですか、お兄さん。さっきから、ちょっと変ですよ。何か落ち着かない感じですし。もしかして、どこか具合が悪いのではないですか。何だか、ちょっと顔色が悪いかもだし。大丈夫ですか。
全然、大丈夫ですか、それならいいんですけど。
それで、その作品、レビューがたくさん付いているんですけど、それを読むと面白いんですよ。
お兄さんに聞いてもらおうと思って、「妹マスター」(いもうとますたー)のレビューの一つをプリントアウトして持って来ました。読んでみますね。
えーと。
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タイトル:「妹に『おもちゃ』扱いされる快感」
レビュアー:サスケ
私は、声優の小早川栞璃(こばやかわしおり)さんの大ファンなので、この音声作品をすぐに買いましたが、買って大正解でした。
色々とエッチな方法で、妹に「おもちゃ」にされちゃうところが、たまらなかったです。
オナホや手コキで抜かれるたびに、「これでお兄ちゃんは、私の『おもちゃ』だよ。」とか、「もう、お兄ちゃんは、私から離れられないね。」などと言われ、自分が年下の可愛い妹に隷属している実感を味わうことができて、癖になりそうでした。
特に、妹に無理やり手コキされながら、「お兄ちゃんのペニスって、包茎の上に短小で、『におい』がすごく臭くて、最悪だね。」という台詞を聞いていたら、実際にイってしまい、すごく気持ちよかったです。
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ですって、やだ、このサスケさんって、本当に変態ですね。こういうのをドM(どえむ)って言うんですよね。最初に、このレビューを読んだ時は、私も、さすがにドン引きしました。
お兄さんも、そう思いませんか。えっ、お兄さん、どうしたんですか、そんなに強張った(こわばった)顔をして。さっきから、お兄さん、様子がおかしいですよ。
私の話、あまり面白くないですか。もう、止めましょうか。
えっ、全然、大丈夫だから、構わなくていい、ですか。
それだったら、いいんですが。
それでですね。このレビューが、あんまり面白かったので、学校でクラスの友達に見せたんですけど、そうしたら、みんな、「こいつ、マジ、キモい。早く死ねばいいのに。」とか、「こんなんじゃ、彼女ができないってレベルじゃないよ。人間としてどうかって言う問題だよ。」とか言って、みんなで、かなり盛り上がることができました。サスケさんには、少し悪かったかもですけど、ふふ。
このレビュアーのサスケさんって、こんなドM(どえむ)な音声作品だけで、20とか30とかレビューを書いているんですよ。よほど、こういう作品が好きな人なんですね。こんなことが家族や友達にバレたら、この人、生きていけないんじゃないかと思います。
お兄さんも、そう思うでしょ。だから、お兄さんは、さっきから、うつむいて、ガタガタ震えているんですよね、ふふ。
どうしたんですか、お兄さん、そんなに驚いた顔で、マジマジと私の顔を見たりして。
実は、この前、たくさんの音声作品が入った、お兄さんのオーディオプレーヤーを聞かせてもらったんです。
それで、お兄さんが留守の時を見計らって(みはからって)、お兄さんのパソコンの中も見せてもらいました。
そうしたら、「投稿したレビュー」というフォルダの中に、今まで、お兄さんがサスケさんの名前で投稿したレビューがたくさんありましたよ、ふふ。
お兄さん、どうしたんですか、顔が青ざめて、膝がガクガク震えていますよ。自分の正体がバレたのが、そんなにショックだったんですか。
でも、安心してください。このことは、誰にも言わないですから。
だって、そんなことをしたら、どうしようもない変態のお兄さんのために、私まで、他人から変な目で見られますから、ふふ。
と言うのは、嘘でぇぇす。
お兄さんのパソコンの中のレビューを見たのは、本当ですけど、サスケさんのレビューをクラスの友達に話したとかは嘘ですし。私が、お兄さんのことを変な人と思っていると言うのも嘘です。
私、お兄さんのことを、ちょっと、いじめすぎちゃったみたいでね、へへ。
お兄さんって、優しい人で、女の子から見ると、ちょっと、かわいらしいところがある人なので、私、ちょっと調子に乗っちゃって、お兄さんに意地悪しちゃいました。
誰にだって、人に言えない趣味くらいありますから、気にしなくても大丈夫ですよ。
最初は、お兄さんの音楽の趣味とか知りたくて、お兄さんのオーディオプレーヤーを聞いたんですけど、プレーヤーには、音声作品ばかり入っていたんで、私、ちょっとビックリしました。
それと、もしかすると、お兄さんがサスケさんじゃないかと思ったのが、一番の驚きだったんですけど。
お兄さんの秘密を知っちゃったので、私もお兄さんに秘密を教えてあげますね。私、実は、ネット声優の活動をしていて、同人作品のお仕事もしているんです。
実は、私、お兄さんの知っているネット声優ですよ。いつも私の声を聞いていたのに、全然、気づかなかったみたいですね、ふふ。
でも、これなら、どうですか。
[「くるみ」ちゃんの声で]
↓
「これでお兄ちゃんは、私の『おもちゃ』だよ。」、「もう、お兄ちゃんは、私から離れられないね。」
[普段の美月ちゃんの声で]
↓
改めて、自己紹介しますね。私、ネット声優の小早川栞璃(こばやかわしおり)です。いつも、私の出演作品にレビューを書いてくれて、ありがとうございます、サスケさん。
それに、私のサイトの掲示板に、いつも、応援メッセージを書いてくださって、本当にありがとうございます。いつも、お兄さんが書き込んでくれる投稿文に元気づけられていたんですよ。
お兄さん、随分と驚いているようですね。お兄さんの表情を見ると、私がネット声優の小早川詩織だと言うことに、本当に気づいていなかったようですね。
私も、ほかのネット声優さんでも、地声では演技ができないって言う人が結構いるんですよ。そのお陰で、普通に話している限りでは、案外、ネット声優をしているってバレないんです。
でも、まさか、ネット上でしかお付き合いのない人と、義兄妹(きょうだい)になるとは思いませんでした。お兄さんがサスケさんだったと、知った時は、本当にビックリしました。
これからは、私のこと、ネット声優としても、義妹(いもうと)としても、よろしくお願いしますね。
それに、私、お兄さんみたいにM嗜好音声作品のユーザーさんに、以前から、興味があったんですよね。お兄さんが嫌でなければ、これからは私がお兄さんにいいことしてあげますから、楽しみにしていてくださいね。
それじゃあ、私、そろそろ失礼します。
<01章、おしまい>