プロローグ
//駅前 夜 賑やか
//↓【10】
【珠理奈】
「やっと見つけた……」
//珠理奈近づく。1mくらいのところまで
//↓【9】
【珠理奈】
「ミニタオル、お返しします。
あ、ちゃんと洗濯をしましたので」
【珠理奈】
「柔軟剤の香りが気になるようでしたら、
もう一度洗い直してください」
【珠理奈】
「いいのに……って、そういうわけにはいきません。
お借りしたものですから」
【珠理奈】
「その……あの時は、ありがとう……ございました。
ですけど、あの時のことは忘れてください」
【珠理奈】
「……人前ではもう泣いたりしませんから」
【珠理奈】
「別に相談相手がいないとか、
そ、そういうわけじゃないですからね?」
【珠理奈】
「……誰にも、弱いところは見せたくなかったんです」
【珠理奈】
「だからその……人通りから外れた公園なら、
夜だし誰もいないかなって……」
【珠理奈】
「そしたら、あなたが通って……」
【珠理奈】
「何も言わずにミニタオル差し出されて、
なんかパニックになっちゃって……」
【珠理奈】
「いろいろなことが溢れちゃって……」
【珠理奈】
「それで……ですから、ただ泣いたってわけじゃなくて――」
【珠理奈】
「えっ? ええ、時間はありますけど……」
【珠理奈】
「今から公園に?
……何かあるんですか?」
【珠理奈】
「人目が……あっ……」
【珠理奈】
「……わ、わかりました」
//歩き出すので、足音かなにか