プロローグ
//駅前 結構栄えているため、賑やか
//向かい合って立ちながら話しています。距離は1mくらい
【舞結】
「今日は本当にありがとうございました!」
【舞結】
「でも……いいんですか?
お父さんがタクシー代出すって言ってたのに」
【舞結】
「ここから6駅って、そんなに離れてます?」
【舞結】
「タクシーで6千円くらいならだいじょうぶじゃないかなあ。
お父さん、結構稼いでるから」
【舞結】
「遠慮しなくてもいいんですよ?
落とし主は1割もらえるってなにかで言ってました」
【舞結】
「さ、財布の中身より多いって、
た、たまたま2千円しか入っていなかったんですっ」
【舞結】
「でも、本当に良かったです。
お金より大事なものが入っていたから……」
【舞結】
「えっ……中、見てないんですか?」
【舞結】
「まあ、明らかに女の子の財布っぽいのは確かですけど」
【舞結】
「ああっ、じゃあなんで2千円しか入ってなかったこと知ってるんですかっ」
【舞結】
「……はい、交番で言いました。
確かに私が言いました……」
【舞結】
「……真面目な人なんですね。
くすっ」
【舞結】
「あっ、お父さんの電話終わったみたい。
じゃあ私はこれで!」
【舞結】
「ああっとそうそう、週末のお食事は絶対来てくださいね。
お礼なんですから」
【舞結】
「あはっ、約束ですからねっ」
【舞結】
「それともうひとつ。
LINEしてます?」
【舞結】
「教えて欲しいって言ったら断らないでくれますか?」
【舞結】
「断らせない言い方してみました、あはっ」
【舞結】
「えっと……これで……スタンプ送信してみますねっ」
【舞結】
「届きました?」
【舞結】
「かわいくないですか?
そのブタさん」
【舞結】
「こういうの苦手です?
メールとかLINEとか」
【舞結】
「するけど……なんです?」
【舞結】
「私とじゃダメ……とかじゃないですよね?」
【舞結】
「ふふーん、ちょくちょく送りますね。
既読ぶっちは無しですよー」
【舞結】
「あ……もしかして、彼女さんに怒られたりします?」
【舞結】
「……いないんですか?
あはっ、それじゃあ私がガンガン送っても大丈夫ですねっ」
【舞結】
「授業中と寝てるとき以外は、すぐ返しますね」
【舞結】
「ということで……今日はほんとに、
ほんと~~にありがとうございました!」
【舞結】
「気を付けて帰ってくださいね。
それじゃあ!」
//駆け足。舞結去っていく