Track 4

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隷属

真っ暗になった意識に、ご主人様の声が響き渡る。 「ふふ、気持ちよかった?貴方、気に入ったわ。 だから、今から暗示という名の首輪を付けてあげる。 貴方はこれからも、普段は今まで通りに過ごすの… でも、私の部屋に入って匂いを嗅ぐと頭の中にもやがかかって、 私がご主人様であるという事をぼんやりと思い出す。 そしたらいっぱい命令して躾け直して、 貴方をすぐに従順な私のワンちゃんに戻してあげるから。 貴方はもう、この歪んだ快楽を絶対に忘れられないの。分かった? ほら、今の暗示を貴方の心の奥底に、しっかりと刻み込んでおきなさい」 心の一番奥にご主人様の言葉がすーっと入り込み、鎖となって繋がれる。 それはまさに、目に見えない首輪そのものだった。 「じゃあ、そろそろ目を覚ましましょうか。 ふふ、お部屋は全部片付けておきましたから、大丈夫ですよ。 ここで起こった事は忘れて、すっきりと目覚めましょう。 5つ数えて手を叩くと、貴方はこの部屋で起きた出来事を忘れて、目を覚まします。 いーち 身体の疲れが、自然と抜けていく にーい 少しずつ、力が入るようになってくる さーん 頭の中も、青空のようにすっきりとして しーい いつもより爽快な気分で、目覚める事ができますよ ごー それでは、おはようございます(ぱんっ)」 ふっ と、目が開く。 ソファの上で、また眠ってしまっていたようだ。思わずぐーっと、伸びをする。 「おはようございます、お疲れの所、お付き合い下さりありがとうございました。 ふふ、是非またお話しましょうね。私、とても楽しかったですよ。」 夢を見ていたような気がするが、あまりよく覚えていない。 けれど、彼女ととても幸せな時間を過ごしていた気もする。 彼女に少し申し訳なく思いながら、部屋を後にする。 外はもう、日が落ち始めている。 鼻から空気を吸い、口から大きく息を吐き、すっきりした気分で 隣の部屋、自分の家へ戻る。 誰にも見える事のない、首輪を付けられたまま。

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