オープニング~おにーさん、あたしの家に泊まってみない?
/SE:街の喧騒
【亜利紗】
「おにーさんっ。ふふ、そんなところ座ってると危ないよー? アタシも間違って蹴っちゃうところだったし。あは、座るならあっちのベンチに行きなよー」
【亜利紗】
「っていうか、どーしたの? 今にも死んじゃいそうな顔してるけど、大丈夫? ……え? 君には関係ない? あはは、確かにそうだねー」
【亜利紗】
「でもほら、なんていうか、危険な感じがするんだよねー、そういう顔。自殺志願者っぽいっていうか、もうどうにでもなれーって投げやりな感じがするっていうか」
【亜利紗】
「ねぇ、本当に大丈夫ー? このまま道路に飛び込んだりしないでよねー? 確かにあたしとおにーさんは他人だけど、後味悪すぎだしさー」
【亜利紗】
「……別にそんなことしない? ふーん、それならいいけどさー。……で、マジな話、そんな死神みたいな顔しちゃってどーしたの?」
【亜利紗】
「……仕事で疲れてるだけ? 本当に? ふぅーん……あたしまだ学生だから、大人のことよく分かんないけど、大変なんだねー」
【亜利紗】
「で、歩ける? というかその調子で帰れる? おにーさんの家ってどこら辺なの? ……うわ、とおっ。電車でそんなに掛かるの?」
【亜利紗】
「しかも今の時間、ちょー満員じゃん。大丈夫? 絶対座れないよ? ……気合で立てる? や、その気合が入りそうにない顔してるんだってば」
【亜利紗】
「細かい時間までは知らないけど、電車で1時間かかって、でそっから家まで歩いてって……いやいや、絶対途中で倒れるっておにーさん」
【亜利紗】
「だってまだ電車乗ってないのにそんな顔してるんだよ? やばいって絶対。家まで帰れないって」
【亜利紗】
「……や、帰らなきゃどうしようもないって、確かにそーだけどさー。でも無理っぽさ全開だし。……うーん、なんかここでバイバイしたら、見捨てた形になるしなー」
【亜利紗】
「……あ、そーだ。ねぇおにーさん、あたしんちすぐそこなんだけど、どう? 寄ってかない? 少し休憩するくらい平気でしょ?」
【亜利紗】
「明日休みだし、ゆっくりしてっていいからさー。どうする? ご飯くらい出すよ? ……え? なんか怪しい?」
【亜利紗】
「なにそれー。人がいいことしようってしてる時に、そんなこと言う普通ー? あたしは真面目に、おにーさんのこと助けようとしてるだけだってばー」
【亜利紗】
「ほら、そうと決まったら立って。少しくらい歩けるっしょ? ほら、こっちこっち。家まですぐそこだから!」
/時間経過
/SE:ドア開閉音
【亜利紗】
「はーい、いらっしゃーい。……え? 親? 今日いないんだー。パパが出張で、あと3日は帰って来なくてー。ママは町内会の旅行中ー。明日の夕方帰ってくるってー」
【亜利紗】
「だからおにーさんは、何にも気にしなくていいからねー、あはっ。……あ、リビングはこっちー」
/SE:ドア開閉音
【亜利紗】
「荷物は適当なところに置いちゃっていいからー。んしょっと……あ、ご飯だけど、チャーハンと野菜炒めでいい? 今から作るの面倒でさー、冷蔵庫の中それしかないんだよねー」
【亜利紗】
「……あは、りょーかい。サービスでおにーさんの分は大盛りにしといてあげるー。じゃあちゃっちゃとレンチンしちゃうねー」
【亜利紗】
「んしょっと。ちょっと待っててねー、すぐだから。……んー? どうしたのー? ……あはは、まだ疑ってるのー?」
【亜利紗】
「大丈夫だって。家にまで上げたんだから、そろそろ信用してってばー。お金なんか要求しないし、事案だとかなんとか言っちゃって警察にも通報したりもしないよー」
【亜利紗】
「ただー……あは、ちょっとおにーさんにお願いっていうかー。して欲しいことはあるんだよねー、んふふっ」
【亜利紗】
「え? 違うってー。お金とかそういう系じゃないし。むしろ……逆? まぁいいや。話は後々、ご飯食べ終わったら話すね」
【亜利紗】
「はい、チン終わりー。おにーさんテレビ点けといてー。チャンネルはニュース以外なんでもいいよー、できればイケメン映ってるやつでー」
【亜利紗】
「よっと……はい、チャーハンお待ちー。えへへ、さ、食べよ食べよー。いっただっきまーすっ」
/時間経過
【亜利紗】
「ふぅぅぅーーー、ごちそうさまでしたー。どうだった? 美味しかった? ……あは、だよねー、ありがとー。……って言っても、ママの作り置きだけどねー、ふふっ」
【亜利紗】
「……あ、おにーさん。ふふ、さっきより顔色良くなってるじゃん。よかったー、少しは元気になったみたいだねー」
【亜利紗】
「え? さっき? うん、とーっても凄かった。なんていうか、土色? というか不幸な色? 曇り空みたいにモワーってしてた」
【亜利紗】
「でも、今はかなりいいみたい。普通だよ普通。あは、やっぱあたしんち来て正解だったでしょー。感謝してよねー、ふふっ」
【亜利紗】
「……ん? 話? ……あ、あぁ、そだったそだった。あはは、テレビに夢中で忘れてた。そうそう、おにーさんにお願いがあるんだよねー」
【亜利紗】
「って言っても、さっき言ったように、お金ちょーだいとかそういう系じゃなくて。……え? 脅迫? あはは、そういうのもしないって」
【亜利紗】
「疑り深いなーおにーさんは。もっと素直になりなってー。っていうか、もしかして過去に、あたしみたいな女の子から痛い目見てるとかー?」
【亜利紗】
「……あはは、そんな必死に否定しなくても! 大丈夫、おにーさんも悪い人には見えないし。……あ、そうだ、話あるんだった」
【亜利紗】
「んーっとね……ちょっと恥ずかしいというか、言いにくいんだよねー。なんというか、このまま家に泊めてあげるから、おにーさんに頑張って欲しいっていうか……」
【亜利紗】
「宿泊費はタダにする代わり、ちょっとお手伝い的なことをやって欲しいって感じかなー。……え? 内容? んーっとねー……」
【亜利紗】
「あたしとセックスしてくれない? ね、お願い? ……え? あはは、冗談じゃないよー。っていうかこんなこと冗談で言えないしー」
【亜利紗】
「あたしとエッチすること、これがあたしのお願い。どう? 悪いことじゃないでしょ? ……え? 理由? あー、いきなり言われても困ってる感じ?」
【亜利紗】
「えーっとねー……あたしって、自分で言うのもなんだけど、クラスじゃ結構いい感じのグループにいるんだよねー」
【亜利紗】
「友達も多いしー、その中でもリーダーっていうか、誰よりも流行に一番乗りしてるーっていうか。んー、それでね」
【亜利紗】
「年齢も年齢だし、みんな処女なんだけどさ。とりあえずみんなより先に捨てておきたいかなーって。うん、とりあえずそんな感じかな」
【亜利紗】
「あ、やり方は知ってるから大丈夫。雑誌で勉強したし、それに友達から借りたAVだって結構見たんだよねー。ふふ、セックスって気持ち良さそうだよねー」
【亜利紗】
「で、どう? あたしの処女貰ってくれる? ……え? そう簡単にあげていいもんじゃない? 何それ。……あ、もしかしてあたしのことバカにしてる?」
【亜利紗】
「言っておくけど、これでも結構考えてるんだからねー。クラス内で今の立場を守ることとかー、他の子に話題持っていかれないようにするとかー」
【亜利紗】
「男のおにーさんには分からないかもしれないけど、女子の戦争って結構大変なんだよ? 1日で立ち位置が逆転しちゃうことなんてザラにあるしさー」
【亜利紗】
「そーれーに、簡単に処女あげるって言いたい気持ちも分かるけど、そんなこと言ったらいつ捨てていいものか分からないじゃん?」
【亜利紗】
「要はタイミングよタイミング。そういう意味では、今日は処女捨てるのにいいタイミングかなーって、こう頭の中にびびっときたわけ」
【亜利紗】
「あはっ、おにーさんだって……まーそこまで特別イケメンってわけじゃないけど? そこそこあたし好みの顔つきだしさー」
【亜利紗】
「この人なら別にやっちゃってもいいかなーって。だからさ、しちゃお? ね? おにーさんだって性欲くらいあるでしょ?」
【亜利紗】
「あは、それともまさか、童貞ーってわけじゃないよねー。違うよねー、ふふっ。だってあたしより一回りくらい年上で……」
【亜利紗】
「……え、何その顔。……嘘、まさかおにーさん童貞なの? えー嘘ー、今まで1回もしたことないのー?」
【亜利紗】
「うわーマジか。あたし処女捨てるのと同時に童貞食べちゃうんだー、あはは。何これすっごい面白いじゃん、友達に自慢しよーっと」
【亜利紗】
「……え? するなんて言ってない? やー今更そんなこと言わなくていいってー。ほら、もしかしたら? おにーさんがここにいるのって、運命かもしれないじゃん」
【亜利紗】
「それにほら、ご飯ご馳走したし? 家でゆっくり休ませてあげたわけだし? お金の代わりに童貞くれたっていーでしょ? ね?」
【亜利紗】
「……考える時間が欲しいから、お風呂入りたい? あはは、何よそれー。別に考えなくていいじゃん、素直にしたいって言えばいいのにー」
【亜利紗】
「あ、でもセックスする前にはやっぱりシャワー浴びといたほうがいっか。いいよー、お風呂はドア出て右の方だから」
【亜利紗】
「着替えはパパのスウェットでいい? ……あは、オッケー。用意しとくから、おにーさんは先にお風呂入っててー。よろしくー」