シーン9
シーン9・告白とその意味
「……そうですね、彼への電話が通報の切っ掛けになったのは……悪いと思う反面、やっぱり助けてくれたのは彼だったんだ、と思いました」
「んぁ、あああ……ひーくん? いまねぇ、せんぱい達とえっちしてるの……えへへ、うん、きもちいいのぉ……んぁ、んぉ、ふぁぁぁぁ……せんぱいたちねぇ、彩夏のおまんこにいっぱいおちんぽくれるの、お尻にもくれるの、お口にもくれるの、いい人達だよねぇ、あは、あは、あはははははっ」
「誰かが冗談でかけさせた彼への電話……それがどれだけ彼を傷つけたか。判っているつもりです。それでも彼は……私の両親に素直に話して、警察に通報してくれました」
「んぁ、ああああ、また出される、便器まんこにザーメン出される、んぁ、ああああ、ふぁ、あああああああああっ」
「とっさの事なのに、彼はきちんと録音してそれを証拠にしてくれましたから……いえ、他の人に聞かれるのはやはり胸が苦しかったですが……一番聞いて欲しくない人に聞かせた以上、意味のない事です」
「えへへ、まただされちゃったぁ……あは、あははは、だいじょうぶだよぉ、避妊薬くれるの、やさしいの……みんなやさしいの、おちんぽもくれて、あは、あははは……あはははは……ひーくん、どうして泣いてるの……?」
「二週間。さすがに失踪届を出そうとしてた矢先だったらしいです……その後は先生には本当にお世話をなりました」
「うぁ、ひっく……ひーくん、やだぁ……なんで、ないてるの……なかないでよぉ……うぁ、ひっく……うぁ、ああ……あああ、あああああ……っ」
「ええ、先生のおかげで薬の後遺症もないですし、性病も妊娠も適切に対応して貰えて、本当に助かりました……もう子供が産めなくなってしまいましたが、それでもこうして普通の人と同じように生活出来るのは先生のおかげです。本当に感謝しています」
「ああ、ああああ……や、だ……ちがうの、わたし、こんなじゃ……どうして、なにこれ……あ、ああああ、うぁ、ああ、ああああああああああっ」
「……そうですね、止めましょう。自分の泣き声とはいえ、うるさいですから……思い出す為の一助になるかな、と思って全部の記録を見直しましたけど……やっぱり、聞き苦しいですね」
「これが……私が覚えている顛末の全てです。途中曖昧だったりして、すいません……それと、今まで言い出せずに申し訳ありませんでした、先生」
「……そうですか。先輩達の実刑判決が出てたんですね……主犯格が懲役八年で便乗が四年……妥当でしょうね。いえ、不満はないです……きちんと刑法に従って罰せられた事に感謝しています」
「……どうして今になって全部話す気になったのか、ですか……そうですね、時間はかかりましたが自分でも整理をしないといけないな、と思って……まだ曖昧な部分があったり突然のフラッシュバックは治らないんですが、自分なりのケジメです」
「彼と復縁したのか、ですか……? いえ、ひーくん……彼とはあれから会ってません……彼はあんな事があっても愛してくれると言ってくれましたけど、私が耐えられそうになくて……ええ、引っ越し先も秘密です。最後にキスしてくれましたから、それで十分ですよ」
「切っ掛け……と言えるかは判りません。でも、おかしな事があったんです……この前、手紙が届いたんですよ。いえ、相手は知らない人……ううん、そもそも直接投函されたみたいで、宛名も何も無かったんです」
「中には便箋と数枚の写真が入っていました……文章はとても短かったです」
「便箋には『見つけた、会いに行くよ。またアレ飲ませてあげるね』と書かれていて……写真は証拠品確認として私が確認した事のない、レイプされている時の物でした」
「ねぇ、先生? 私は誰に見つかったんでしょうか……本当に先輩達はみんな捕まったんですか?」
;ちょっとだけ間を開けて
「……ふふ、冗談です。最後に少し、怖い話にしようと思っただけですから。ゾクっとしてくれましたか?」
「……冗談、ですからね? 心配しないで……下さいね? サヨウナラ、センセイ」