Chapter16_願い
■チャプター16:願い
[元旦のお昼前・近所の少し大きめの神社へ初詣に来た二人]
(お参りが終わって境内から出てきた二人)【※少し右より】
ねぇ、あなたは神様に何をお願いしたの?
(「内緒だよ」と主人公)
えぇ~!?内緒だなんてずるいわ。
私?私はねぇ……
なーいしょ!えへへへ~
だって、誰かに教えちゃったら叶わなくなるんでしょ?
そんなの絶対に嫌だもの。
……あなたも一緒?
じゃあもしかしたら、私たち一緒のお願いをしたのかもしれないわね。
だったら、きっと倍の幸せが待ってるはずよ。
それとも、もっと多いかしら。
今から楽しみにしてるわ、神様。
さて、このまま帰るのももったいないわよね……
せっかくだし、参道の方も見て行きましょう?
きっとお正月だからいろんなお店が出ているはずよ。
(人ごみに揉まれ、気分が悪くなる朱音)
……うぅ…………
どうしてこんなに人が多いのかしら……
来たばかりの時は気にならなかったけど、参道もお店も人、人、人……
ちょっと人混みに酔っちゃったわ……何処か座れるところで休みましょ……
(ぎゅっとつないでいた手を握りなおす主人公)
うん……ちゃんと手を握っていてね?
こんな中ではぐれちゃったら、もう二度と会えなくなっちゃいそう……
そんなの、嫌だわ……
(朱音の手を引き、人の少なそうなほうへと歩いていく主人公)
えへ……あなたに手を引かれるの、私好き。
静かなとこに連れて行ってくれるのね……ありがとう……
[参道から少し離れた位置にある休憩所・いくつかの自動販売機と座れる場所があり、辺りに人の姿はない]
【※正面】
ふぅ……やっと一息つける……
一番大きい通りから少し離れると、随分と閑散としてるのね。
でも、こんな所にも休憩所があるのはありがたいわ。
きっと私みたいに人混みが苦手な人が作ったんでしょうね。
(「こんなところに連れてきてごめん」と主人公)
あ、謝らなくていいのよ?
私、とっても楽しい。
自分からじゃなかなか「初詣に行こう」なんて思えないもの。
普段は見れないものや、感じることのない雰囲気を楽しめた。。
それに、大好きな人と一緒に初、詣なんて初めてのことだもの。
あなたとの初めては、全部大切なものよ。
今日は連れてきてくれてありがとう。
これも、素敵な思い出の一つになるのね。
あなたと私の歴史の1ページ……
そう思うと、どんなことでも素晴らしく、輝いて見える……そんな気がしない?
えへへ、大好き。
ねぇ、私喉が渇いちゃった……
いいえ、飲み物が欲しいんじゃないの。
……あなたが……欲しい……はぷ
(顔を寄せ、キス)【※正面至近距離】
んちゅ、ちゅる、ちゅ、ちゅぷぷ……
何?「人に見られる」?
ふふ……そんな心配しなくていいわよ。
もとより人なんてほとんどいないし、見られてもただカップルがキスしてるなぁってくらいにしか思われないわ。
(/キスしながら喋る)
ほら……ちゅ、んぅ、ぷちゅ、ちゅちゅ、ぁぷ……
でも……んりゅ……すこしバチ当たりかもしれない……ちゅぷ……
さっきは神様にお願いして……その目の前でこんなこと……れる、ちゅ……してるんだから……
怒られちゃうかな……はむ、んぷ、んちゅるる……お願い叶わないかな……んむんむ、ちゅぷ……
でも……私達ならきっと大丈夫よね……
だって、こんなに……こんなに愛し合っているんだもの……
キスしてるってことを言ってるんじゃないわ。
そうね……心から繋がれているから……かしら?
わかるでしょ?もう私たち、ほとんど一つみたいなものだと思うの……
熱い愛の炎で溶かされて……別々の人間だった二人は、一組の恋人という新しい単位に生まれ変わったの……
んちゅ、んぷ……え?さっきのお願い?
うふ、なにも難しいことは願わなかったわ。
ただ、素敵な家族になれますようにって……そうお願いしたの……
んちゅ……あなたも一緒?……ふふ、やっぱり……
んちゅ、ぢゅる……ちゅぷ、ちゅぴ……
大好き……ちゅぷ……大好き……
ん……美味しい……ちゅる、ちゅるる……
あなたとのキス……心も体も癒されるから、大好き……
ちゅぷ、ちゅ、ちゅぅ……ぷぇ……
(キスしながら喋る/)
【※正面少し離れ】
ふぅ……少し落ち着いたわ。
ごめんね、私のわがままに付き合ってくれて。
恥ずかしかった……かな?
「途中から慣れてきた」?
うふふ、何言ってるのよ、もう……
ね、このままちょっと歩いてみない?
人通りが少なくて、あまり何もない道かもしれないけど、それでもあなたと一緒に歩きたいわ。
もしかしたら、普段じゃ絶対に気づけないような発見もあるかもしれないし……
何も無かったら、それはそれでね?
……うん、ありがとう。
それじゃ、行きましょ?