Chapter19_エピローグ
■チャプター19:エピローグ
[チャプター17・18の3年後・結婚式前夜の21時ごろ・今までのことを回想する二人]
(ソファーの上で卒業アルバムを眺めている二人)
【※左近距離】
……で、そのあと目一杯のレバー料理を食べさせたんだったかしら?
あれは、私なりの心配りだったのよ?
あんなに血をもらった後だったし、血を作るものを食べさせてあげたほうがいいのかなって。
ふふ……懐かしい。
その時のレバニラのおかげで、夜はお互いにキスし辛かったっけ。
でも、そんなことすぐ気にならなくなったのも覚えているわ。
えへへ、久しぶりに高校の卒業アルバムを見るのって楽しい……
あの幾つもの思い出……今でも光り輝いているもの。
どれもこれも、色褪せることのない、素敵な、素敵な思い出よ……
思い返せば今日まで、長かったような、短かったような、そんな気がするわ。
明日はついに結婚式。
あなたのご家族も、私の両親も、お友達も、みんな祝福してくれたわね。
私の両親は……自分たちが私たちみたいな関係だったみたいで、
こうやって学生のうちに結婚をするのだって、「お互いに深く愛し合っているのなら」って許してくれたわ。
あなたのご家族も、心優しい方々で本当によかった。
ちゃんとした夫婦としての生活を始めるのは大学を卒業してからっていう条件付きではあるけれど……
それでも、一秒でも早くあなたと一緒になりたかったの。
法的にも、社会的にも、世間的にもね。
……世間体なんて関係ないわ。
私たちは私たち。誰にもこの幸せを、奇跡を理解できるなんて思っていないから。
……あなたとの約束……結婚するまではお互いに清い体でいようって言うのも、明日で終わり……なのよね。
【※左耳元】(/囁き声)ふふ、優しくしてね……(囁き声/)
なーんて。【※左近距離】
わかってる。あなたが今日まで変わらずに愛してくれたこと、私が一番知ってるのよ?
毎年の婚約記念日、忘れないで私にいっぱいの愛を飲ませてくれたの、とっても嬉しかった。
私のわがままも、たくさん聞いてくれたわよね。
それに……大学に入ってすぐのころだったかしら。
私が周りの女の子たちの恋愛事情に感化されて、どうしてもあなたが欲しいって言い出した時も、朝まで泣きじゃくる私をなだめててくれた……
あなたが頑なでいてくれたから、今の私が、私たちがあるの。
腕、見せて……
ほら……その時の痕、残ってる。【※主人王の胸の辺りにもぐりこむ】
(腕を取って、傷痕を舐める朱音)
んちゅ……ちゅぷ……
やめない……だって、私があなたにした一番酷い事だもん。
あんなに乱暴に噛んじゃって……本当にごめんなさい……
一生かけて償うわ……ちゅる、んぷ……
そういえば、その時にしたんだったわね、あの約束……
時には切なくて切なくて、死んでしまいそうに思う時もあったけれど、その度にあなたが慰めてくれた。
増えるあなたの傷痕を、あなたは絆の証だって言ってくれたわね。
(指や腕に無数にある傷痕にいたわる様なキス)
ここも……ん、ちゅ……ここも……ちゅぷ……
ふふ、これが絆の味……
えへ……美味しい……
(そのまま腕に愛おしそうに頬ずりしながら、主人公の膝の間に入ってくる)【※正面下】
……ねぇ、あなた?
一つだけ、今まで言えなかったことがあるの。
その……これから、私たちは夫婦になって、いずれ家族になる……のよね?
そして私たちにも、いつかは子供ができる……
いいえ、それは楽しみなの。
あなたと私の子供だもん。私は喜んで産みたい。
そして、あなたと一緒に、たくさんの愛を注いであげるわ。
でもね……その子も、私の血を引いてる限り、私のように、いつか血を求めるようになるかもしれないの。
それでもいいの?
後悔……しないでいてくれる?
(主人公、朱音の頭にぽんと手を置く)
「君を選んだ時からわかっていた」?
そう……そうよね……(涙ぐむ朱音)
ごめんね……私、無駄に不安がってたみたい。
あなたはどこまでも私を受け入れてくれる……
(主人公に体重をかける朱音)
だからどこまでもどこまでも、私はあなたに沈んでいけるの……
もうずっと一緒にいるのに、未だに底が見えない。
まだまだわからないことも、知らないこともいっぱいよ……
「知らないことついでに、まだ私に言ってないことを教えてあげる」?
何?私に内緒にしてたことなの?
「実は最初からわかってたんだ」って、なんの話なのかしら?
あ……あの、初めてあなたに会いに行った時の事……
「最初に傷口を舐められた時から、私のことが気になってた」……?
でもあの時は覚えてないって……
「気になってる女の子が急に現れて、恥ずかしくてとぼけたふりをしてた」ぁ?
ふふふ……なにそれぇ。
私があなたに振り向いてもらおうと思ってあんなに必死になってたのに、あなたは気のないふりしてずっと気にしていてくれたなんて……
も~、ひどいわ。(おどけてみせる)
でも、最初はお互いに下心から始まったんだって、わかってよかったわ。
初めはね、あまりにもあなたが優しすぎて、暖かすぎて、現実感が薄かったの。
私の妄想が具現化した存在なのかなって、私だけにしか見えない幻なのかなって思うこともあったわ。
だってあまりにも理想通りの存在だったんだもの。
けど、違った。
あなたはしっかりとした眼差しで、私を導いてくれた。
それに……
(唇を奪う朱音)
(/口でつながったままの会話)
んぷ、ちゅる、んちゅ……こんなに暖かくて、美味しいの……
ちょこっと変態さんなとこも……んちゅ、ちゅ……素敵だと思うわ……
本当に、存在してくれてありがとう。
(口でつながったままの会話/)
生きててくれて……ありがと。
……うふふ、おかしいわね。
もうあなたと出会って好き同士になって、婚約して随分になるのに、未だに毎日毎時、この一分一秒ですら、あなたのことを好きになり続けてる。
どこまでも、どこまでも、二人で行(ゆ)きましょう?
お父さんお母さんになっても、おじいちゃんおばあちゃんになっても、死んで幽霊になっても、この宇宙が終わっても……
ずっとずっと、ずーっと一緒に居たいの。
うふふ……好き。
どんな着飾った言葉よりも、悩み抜いて出した言葉よりも、やっぱりこっちの方が伝わる気がするわ。
好き……大好き。
好き、好き、好き、好き、好き、好き……(徐々に囁き声に)【※徐々に耳に寄ってくる】
(/耳元での囁き+耳を舐めながら喋る)【ゼロ距離】
大好き……んちゅぷ……(耳にキス)
今、私最高に幸せよ……
もちろん、これからこの『最高』はどんどん塗り替えられていくんでしょうけど。
ちゅる、ちゅ、んぷ……
だからあなたも……ちゅぷ……私と一緒に幸せになってね?
どちらか一人が置いてけぼりなんて、そんなのは嫌よ?
うん、言ってみただけ……んぷ、ちゅるる……
本当はそんな心配、かけらもしていないわ……
ちゅむ、ちゅる……
愛しているわ、あなた。
明日、また改めて誓うと思うけれど、別に減るものじゃないし、いいわよね?
私は……ちゅぷ……あなたを永遠に愛し続けることを……ぢゅる……誓います……んぷ……
ふふ……お耳にキスしながらこんなこと言って、はしたないかしら?
ほら、あなたもして?
(耳を舐めながら喋る/)
(朱音の耳にキスする主人公)
ひゃっ…………ん……ふゅ……くすぐったい……
(耳元での囁き/)
……ふぅ。【※耳から少しだけ離れる】
えへへ。
えっと、何が言いたかったかというと……
明日からも、変わらずに私を愛してくれると嬉しいなって、そういうこと。【※徐々に正面近距離に移動】
「わかってる」?
うん、わたしも同じ気持ち。
恋人でも、婚約者でも、夫婦でも、家族でも、変わらずにあなたを愛するわ。
だって、こんなにも大好きなんですもの。
(朱音を抱きしめる主人公)
ふふ……あなたにぎゅってされるの、好き。
あなたの温度も、感触も、こんなに強く感じるの……
それにあなたのお顔がこんなに近くに……んちゅ……(朱音からキスをする)
ちゅる、ちゅ、ちゅぷ、んむ、ぷちゅ……
あなたを全身で、互換すべてで感じられるの……ちゅっ……
んちゅ、ちゅる、ちゅ、んぷ、ちゅぷちゅぷ、んちゅる……
ぷは……
さっき言ったこと、取り消すわ。
変わらずに愛するなんてきっと無理ね。
もっともっと、いっぱいあなたを愛したいもの。
好きよ……好き……大好き……んちゅ。
(22時を指した時計の鐘が鳴る音)
あら、もうこんな時間……
お昼過ぎにアルバムを見つけてから私たち、ずっとこうしていたのね。
(「そろそろ疲れてないか」と聞く主人公)
そうね、明日は早起きしなくちゃだものね。
それにとっても忙しいと思うし、今日はもう寝ましょうか?
このままあなたの胸の中で、眠らせてくれる?
(そのままソファーに倒れこむ二人・タオルケットをかぶって、二人囁きあう)
(/囁き声)【※主人公の左耳の辺り】
ありがと。
うん、電気は消していいわよ。
(消灯)
はぁ……このままあなたと溶け合って、ひとつになる……
そんな夢が、明日叶うのね……
ウェディングドレス、あなたの血でよごしちゃうかしら?
ふふ……幸せ。幸せだわ。
この腕の重みも、心臓のドキドキも、全部が幸せの味なの……
「眠るんじゃなかったのか」?
そ、そうね。ちょっと興奮しちゃった……
だって、真っ暗で何も見えないのに、あなたが確かに目の前に居る、その感触で頭の中がいっぱいになっちゃってるんだもの。
(眠れないなら、と少し距離を置こうとする主人公・それにしがみつく朱音)
あ、やだぁ……離さないで……
ちゃんと眠るから……眠れるように頑張るから……
ん……じゃあおやすみなさい、あなた。
夫婦になる前の最後の夢にも、ぜひ私を招待してね?
私も、あなたと夢の中でも愛を語らうわ。
ほら……ちゃんと指を絡めなきゃ……
ふふ、これで夢の中でも二人一緒ね……なんて。
それじゃ、本当の本当に、おやすみ。
おやすみなさい……大好きなあなた……
……んちゅ…………(頬にキス)
ん……
……すぅ……すぅ……
………………(寝息)
………………
………………
(囁き声/)
[おしまい]