第5話「こいびとどうし」
■5「こいびとどうし」
お兄ちゃん、大丈夫?
ちょっと不安定じゃないかな?
梨花?梨花は……ちょっと重いかな?
でもいいの。だってこれは梨花の愛するお兄ちゃんの重さだから。
うふふ、お兄ちゃんを膝枕する日が来るなんて、ちょっと前までは夢にも思わなかったよ~
こうしてると~、いつもよりもずっとラブラブな恋人同士な感じ、するね?
もしかして初めてかな?こうやって梨花が優位に立ってる姿勢になるのって。
今日は~、一日中こうして過ごしていたいな~
うん、わかってるよ。
お耳掃除、して欲しいんでしょ?
お兄ちゃん、この前のデートの後から急に甘えん坊さんになったよね~
お兄ちゃんは恋人の前だとこんな感じになっちゃうタイプなんだね。
ちょっと意外だったかも。
ううん、梨花はそんなお兄ちゃんも大好きだよ。
今までいつも頼ってばっかりだったから、こういう風に寄りかかって貰えるのは、とっても嬉しい。
お兄ちゃん……んちゅ、ちゅるる……
は!ごめん、あんまりにもお兄ちゃんがかわいくって、ついついお耳にキスしちゃった……
お兄ちゃん……今身体、ビクってしたよね?
びっくりしちゃった?それとも気持ちよかった?
「いいから早く耳かきしてくれ」?
ふふ、そんなに赤くなって……
お兄ちゃん、かわいいよ……
うん、ではお耳掃除、始めまーす!
うーん、こうやってみると随分と溜まってるねぇ~
どうかな?気持ちいい?
梨花、誰かのお耳をお掃除するのって初めてだから……その……
痛かったら言ってね?よくわからないことばっかりだもん。
いつもはお母さんにしてもらってるから……なんとなくはわかるんだけど……
………………
………………
もっと奥の方も?
そっか、奥の方から掻き出すように取らないと、二度手間になっちゃうもんね~
………………
大丈夫?結構奥の方まで入れてるんだけど……
すごい……人間の耳ってこんなに深いんだ……
どこまでも入っちゃう……入っちゃうよぉ……
あ!ごめんね、お兄ちゃん。
ちょっと調子に乗って奥に行きすぎちゃった……
んも~、ごめんってば~
でも、どこまで入れていいのかはわかったから、もう大丈夫。
ほら、じっとしててねぇ~
………………
………………
お兄ちゃん、気持ちいい?
えへへ、気持ちいいんだ~
そっかそっか~
梨花もお耳掃除してもらうの、好きなんだ~
今度は、お兄ちゃんにもして欲しいなぁ~、なーんて!
お兄ちゃん……梨花、上手にできてる……かな?
本当に?えへへ~、そんなに褒められると照れちゃうよぉ~
………………
………………
はい、おしまい!
じゃあ、逆もするよ~
ほら、ぐるんってまわってまわって~
はーい、では、こちらのお耳もきれいにしちゃいますよ~
………………
………………
こっちも相当汚れてますね~
梨花がお兄ちゃんのお耳さん、きれいきれいしてあげますからね~
「変な喋り方するな」?
えへへ、なんだかこうやってると、お兄ちゃんのお世話をしてあげてるみたいな~、お母さんみたいな気分になっちゃって~
彼女なのにお母さんって、変だね。
「お前は妹だろ」って……
いいの!こういうのは雰囲気が大事なんだから!
んふふ……
はーい、じっとしててね~?
………………
………………
お兄ちゃん……これ、幸せ?
こんな風に恋人に膝枕されて、お耳掃除してもらって、幸せかな?
うん、だったら梨花も嬉しいよ。
お兄ちゃんが思い描いた恋人同士の過ごす時間。
そこに梨花を入れてくれて、本当に嬉しい。
お兄ちゃんが欲しいって思うんだったら、梨花、なんだってするんだからね?
お耳掃除だってしてあげるし……
お風呂でお背中流してあげたりとかも、して欲しいんだったら……するよ?
だから、梨花をもっとお兄ちゃんの側に置いて欲しい……
もっともっと、お兄ちゃんの恋人でいたいの……
わかってると思うけど、もう梨花たち、ただの兄妹なんかじゃないんだよ?
抱き合ってキスしたり、こうやってお耳掃除してあげたりする兄妹なんて……ね?
んふふ……お兄ちゃん……
……大好き。
…………よーし!綺麗になった!
どうだった、お兄ちゃん?
気持ちよかった?
えへへ、どういたしまして!
……えっと……それじゃあね……
今度はお耳を~……
舐めてあげる……ね?