第10話「あしたもふたり」
■10「あしたもふたり」
ねぇ……
ねぇ、お兄ちゃん。
……あ、寝てた?ごめんね。
いや、別に何か用があるってわけじゃないんだけど……
うーん、なんだろ。
なんだか、今日が終わっちゃうのが勿体無いなって。
楽しかったね、今日のデート。
それに、お兄ちゃんにもちゃんと認めてもらったし……
最高に幸せな一日だったなぁ……
またデート、しようね。
明日は……そっか、明日は日曜日だったね。
でも明日は家でゆっくりしたいなぁ。
見たいアニメだってあるし、お兄ちゃんも一緒でしょ?
「だったら早く寝なきゃ」?
そっか、そうだね。
……そうなのはわかってるんだけど……
ね、お兄ちゃん。
いつもみたいに……おやすみのちゅー、して?
ん……んふ、ちゅ、んちゅ、ちゅる……
ぷは……あ……これ、だめなやつだ……
ドキドキしちゃって、眠れなくなっちゃいそう……
おっかしいなぁ……こうやって一緒に寝るようになって結構経つのに……
そりゃ最初の方はドキドキして眠れなかった事もあったけど……
でも……今日はなんだか今までとぜんぜん違う……
おにい……ん、ちゅ、はぷ、ちゅるる……
ぷはぁ……はぁ……はぁ……
もう、ダメだってばぁ……
今日はもう寝よ?
じゃないと明日起きれなくなっちゃうよ……
うん、明日も明後日も、いつでも一緒に居られるんだもん。
もし梨花が起きれなかったら……
おはようのちゅーで、起こして……ね?
んふふ~
ふわ~あ……
おにいちゃ……梨花が眠るまで、ぎゅってしてて?
ん……
えへへ……あったかいねぇ、お兄ちゃん。
「梨花も暖かい」?
にひ……そんなこと言われると……恥ずかしいよ……
そうだよ?お兄ちゃんのことを考えると、頭とか体がぽかぽかするの。
好き、ってことなんだよね、これ。
好きだよ……お兄ちゃん……
梨花がお兄ちゃんをこんなに……大好き……なんだから……
お兄ちゃんにも……もっともっと梨花のこと……好きになって……欲しいよぉ……
お兄ちゃん……お兄ちゃん……
好き…………大好き…………
大好きだよ……おにいちゃ……
ん……んぅ………………
………お兄ちゃん……………
…………好き…………
……大好き………………
……………………