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Chapter1:一夜明けて

ぺーるとーんれいんぼぅすたーボイスドラマ企画第14弾 『ちょこっとヴァンパイアな彼女との深愛性新婚生活(仮)PART1』 コンセプト「生活」 1年目はふたりで迎える新生活や、その状況下におけるいろいろをメインに描きました。 ■Chapter1:一夜明けて [卒業式の次の日、主人公の部屋で同じベッドに腰掛けて] ねえ、あなた? 昨日の……首筋にから飲ませてもらった時の傷、もう大丈夫?痛くない? 「ちょっとズキズキする」? やっぱり、まだ痛むのね……こうなることはわかってたんだけど……ごめんなさい…… だって、あなたが誘惑してくるんだもの…… あんな風に体を差し出されたら…… あんな風に「血を飲んでいいよ」なんて言われたら…… 断れるわけないじゃない…… ね、ちょっと見せて…… (主人公、シャツを引っ張り傷口を見せる) ん……傷跡自体はそんなに目立ってないけど、少し赤くなってるわね…… はぷ……ちゅ、ちゅる……(傷口にくちづけ) 「何を」って……ちゅる、れりゅ…… 言ったでしょ?毎日舐めてあげるって……れりゅ…… この傷跡が痛くなくなるまで……毎日……毎日ね。 れりゅ……ん……完治はしてないから、まだちょっと血の味がするわ。 ちゅぷ、んぷ……美味しい……んちゅ…… ……ごめんね?私がつけた傷なのに、それを舐めて喜んでるような子で…… (「かわいいよ」と頭を撫でる) んふ……撫でちゃ……やぁ…… こういう時は叱ってもいいのよ? 自分勝手なやつだなって、独善的なやつだなって。 うふふ……なーんて。 あなたがそんなこと言わない人だっていうのは、もうわかってるわ。 うん……あなたがいつも優しいから、ちょっとだけからかってみたの。 昨日の……とっても嬉しかった。 嬉しすぎて、未だに少し現実味がないっていうか…… ま、それも今に始まったことじゃないわね。 だって、あなたとの出会いの日から今日まで。 いろんなことがあったけれど、そのどれもが、まるで物語のよう。 素敵な奇跡の連続だったと思うの。 たまたま私が吸血鬼で、たまたまあなたの怪我に遭遇して、たまたま気の迷いであなたの血を舐めてしまって…… あなたの血が私にとっての最高のものだったことも、人の血を勝手に舐めちゃうような吸血鬼の私をあなたが受け入れてくれたことも、 どれもこれも、『数奇な』なんて言葉じゃ片付けられないくらいの、偶然が重なって生まれた奇跡。 「偶然という名の必然」?うふふ。 そうかも。だったら、これは必然ね。 きっと神様が私達二人を、それこそパズルや鍵のようにぴったりと合うように作って、 その二人が出会うべきして出会ったということ、なのかしら? 昨日あなたがこの出会いを運命って言ってくれたとき、私、本当にその通りだなぁって思ったの。 手……貸して? (主人公の右手を取り、指を絡める) ほら、手の大きさだってこんなにぴったり。 あなたの手に包まれるためにわたしの手はこんな形で、大きさなの。 そしてあなたの手はわたしの指を絡めとり、繋ぎとめておくための大きさをしてる。 そう、思えるの。 ぎゅうぅって……(握った手に力を込める) えへへ……あなたの手、大好き。 (薬指にはめてる指輪を触る主人公) あ、気づいた? うん、昨日もらった婚約指輪、早速つけてみたのよ。 思ったよりもぴったりで、びっくりしちゃった。 わたしの指のサイズ、よくわかったわね? 「いつも手をつないでるから当然」? そういうもの……なのかしら? うふふ……嬉しい。 でも、ちょっと変態っぽいかも…… ウソウソ、冗談よ。 (主「婚約指輪は右手につけるんじゃないの?」) え?「右手に」? いいえ、婚約指輪も結婚指輪も、左手につけるのが正解なのよ。 私も詳しくは知らなかったから、昨日貰ってからすぐ調べてみたの。 ねえ、あなた? なんで左手の薬指に着けるのか、知ってる? なんでもね、古代ギリシャでは左手の薬指には特別な血管が通っていて、 心臓につながってる神聖な指とされていたらしいの。 だから大切な約束を、永遠の誓いを左手の薬指を介してその心臓に刻む。 そういう意味があるんだって。 あ、なんとなく言いたいこと伝わっちゃったかしら? 「やらしい目をしてた」?んもう、何よそれ~ うん……わかってるなら、頂戴? (主人公、左手を差し出す) うん、ありがと。 大丈夫……痛くはしないから……ぁく……(薬指に歯を立てる) ん……ちゅ、れる、ちゅぷ、んぷ…… ……んぅ……あなたの薬指……ちゅる……あなたの血…… ちゅ、れちゅ……神聖な、心臓につながってる指の血…… そんな話を知ったからかしら……ん、ちゅる…… いつもよりも……ちゅぷ……特別に感じるわ…… お話のとおりだと……んちゅる……あなたの心臓の血を貰ってることになるのかしら? だとしたら、あなたの命を貰ってるみたいな……ちゅる、りゅ……そんな気分にもなっちゃうかも。 「既にあなたの命は私のもの」…… そっか。そう思ってくれているのだったら、もう言うことはないわね。 あなたの血……あなたの命…… 前にも貰ったことあったわよね……この指。 あの頃は何も知らなくて、何も考えないで、ただあなたの血が美味しくて…… あんな風に噛んじゃって、指にいっぱい傷を残しちゃったわよね。 冗談で「責任とって結婚」なんて言ったけど、まさか本当になっちゃうなんて。 あなた……ちゅぷ、ちゅ……あなたぁ……はぷ、ちゅむ…… ぷぁ………… ふぅ、ごちそうさまでしたv とっても美味しかったわ。 いつもよりもドキドキしてる気がするのは、さっきの話のせいかしら。 それとも、婚約者になってから始めて貰ったから? うふふ…… ……大好き。 ……………… 大学が始まるまでの間、ちょっと暇ね。 そういえば、あなたはどうやって登校するつもりなのかしら? 「家から電車で」? そうよね。 そんなにここから遠いわけじゃないものね。 ……えっと、今から言っても遅い話だったら聞かなかったことにして欲しいのだけれど…… 学校の近くに家を借りて、私達、一緒に住まない? えっとね?学校までそんなに遠くないって言っても、ここから電車で30分はかかるわけだし…… それに、学校は同じでも学部は違うんだし、時間割が噛み合わなくって会いづらくなるのも辛いなぁって思うし…… なにより、これからのことを考えたら、今から一緒に住んでおいても悪くないんじゃないかなぁって。 ね、どう……かしら? (主「家族に相談しないとわからないけど、僕は賛成するよ」) 賛成してくれる? ……えへへ。 言ってよかった。 これでうまく行けばあなたと私、同棲生活の始まりね。 同棲って言うより、もはや新婚生活って感じかしら。 (主「もう家に人には相談したのか?」) うん、うちの家族は賛成してくれたわ。 理解がある家族を持ててよかった。 だからあなたも、ちゃんと家族を説得してね? ちゃんと決まったら、ふたりでお家を探しに行きましょう。 あなたと私の愛の巣……っていい方はちょっと不純かしら? 新居?スイートホーム? 何にしても、私達の新しい門出にちょうどいい機会だと思うの。 確かにあなたが側にいてくれればどこに居たって幸せだって思えるのでしょうけど、 その幸せをもっともっと高めるために、もっとふたりが幸せになるために、 素敵なお家、見つけましょ?

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