Track 1

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01 プロローグ~自己暗示~夢幻への誘い

(トラック1)---------------------------------------------------------------- だ、誰? ああ、何だ君か。同じクラスの… えっ、私? そうよ。ひとり。  何でこんな所でって… どこでお弁当食べようと私の勝手でしょ? えっ、隣? 別に構わないよ。座って。 このソファー、日が当たって気持ち良いから… それにこんな所はお互い様だし。 君こそ、どうして今日に限ってここでお昼にしようと思ったの? うん…ご両親が旅行中でお弁当作ってくれる人がいない… で、お昼はその食パンだけ? それを皆に見られるのが恥ずかしくてここまで… ぷっ! くすくす… だったら、前もってコンビニのお弁当でも用意しとけばいいのに… えっ、急だったからとりあえず家にある物持ってきた? くすくす… ん? 私が笑ってる所、初めて見た? そ、そうだったかな… 私そんなにいつもムスッとしてる? そうか… やっぱりそんな風に見られてるんだ、私… でも、お昼が食パンだけじゃ味気ないね… はい、おかず分けてあげる。 パンに挟めば少しはマシになるでしょ? あっ、ほらほら、野菜もちゃんと食べないとダメ… ん…お昼休み終わっちゃうね。 たくさん話したからかな? 時間経つの早く感じる… ふふっ、大きなあくび… このソファー、薄汚れてるけど座り心地良いでしょ? 眠くなっちゃうのも解る。 どこかで使わなくなったのを物置代わりのこの部屋に とりあえず置いてるだけみたいだけど… これがあるからついここに来ちゃうの。 ふわ…あふ… ふふっ。君のあくび、うつっちゃった。 午後の授業出るの、憂鬱… どうしよう、今日はこのまま… ここでさぼっちゃおうか? 私からこんな提案するなんて、らしくない? ううん、それは偏見。 私…本当は真面目でも何でもない。 周りの皆が勝手に決め付けてるだけ。 昔からいつもそう。私の事なんか何も知らないくせに… 見た目だけで…優等生だの、委員長だの… 私…周囲からそう思われる自分が嫌い。 変わりたい…変えたい…変わら、なきゃ… ひょっとして…君もそう思ってるの? 私の言った事、信じられない? 真面目じゃないって信じられない? 本当? だったらもう少し…ここにいようよ。 ね、いいでしょ? どうせ教室に戻ったって…いつもと同じ退屈な時が過ぎるだけ… 退屈は人を殺すとも言うわ… 学ぶ事が私達学生の本分とは言え、 死をもたらす退屈さから逃れる権利くらいあるはず… そうは…思わない? ふふ…やっぱりこんなの私らしくない? 言ったでしょ。真面目じゃないって… 詭弁で言いくるめてでも…君をこっちの世界へ招待するんだから… あ~あ、予鈴鳴っちゃった… ふふ、そわそわしちゃって…授業さぼるの、そんなに不安? 君、意外と真面目なんだね? 私とは逆…ちょっと可笑しい。 どうする? やっぱり…教室戻っちゃう? 退屈を承知で学生らしく勉学に勤しんじゃう? だね。戻る必要無し。 少しくらいさぼったからって気に病む事はない… もう優等生でも何でもないんだから… そうでしょ? それに今更急いだって遅刻に変わりはないんだし… いつ戻っても先生に叱られるのは一緒。 だったら、このままここで過ごそ…ね? ふふっ、良かった。 君が不真面目な人で… でも、なるべく声は小さくね? 授業中の校舎って驚くくらい静かだから… 話し声漏れちゃうと誰かに見つかっちゃうかも。 解った? ちゃんと聞いてる? あっ、またあくび… さぼるって決めたら緊張感無くなっちゃったかな? 何だか顔が緩んできたよ? ふふ…

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