雨の共感覚
1.雨の共感覚
(しとしとと雨が降っている
あいにく傘は持っておらず、屋根のあるベンチで雨宿り。
周りには誰も居ない
心地のいい雨音を聞きてうとうと。
気が付くと横に女の子がいる
きっと、彼女も同じ目的だろう)
(マイペースに)
こんばんわー。
とは言ってみたものの
(あまぐも)
雨雲で昼か夜かも分かりませんね?
(あまやど)
あなたも 雨宿りですか?
じゃあ雨が止むまで 一緒に待ちましょー
(横に座る)
(欠伸)
ふぁー…んぃ。
(ザー)
良い雨ですねぇ…
貴方もそう思います?
(えん)
これもきっと…何かの縁です。
良かったら私と お話しませんか?
私お喋りなんで 一人で喋ってれば満足ですし…
座ったままでも 寝そべったままでも
眠ってしまっても、私は構いませんよ。
(雨の音 ザー)
綺麗な色…
(そそ)(すがすが)
しとしと降り注いで 清々しい雨。
一つ一つが繊細で 心を洗い流してくれる そんな雨。
私は この雨が とても素敵だと思うんです。
一本の線が お星さまのように流れて
地面に弾けて 消えていくんです。
一本一本の線が 光の反射で違う色を出して
この世界を 虹色に染めていくんです。
(あたま)
本当は全ての色が見えているけど 全て見ようとしたら 頭が疲れちゃうから。
だから人は 無意識を使うんです。
そう 無意識。
…ほらっ この周辺の雨粒を見て?
もっともっと…近づいて?
じっくりと、雨粒の一線一線を
見る 見つめる 目視する。
見て 目が離れなくなる
(パチン)
3 2 1 ゼロ
(電灯が消え 時間がゆっくりになり 全ての雨粒が見える)
ほら どんなものにも 色があるんです。
雨にも 物にも 形にも、
感情にも 心にも 想いにも。
心を近づければ 細部の色を見せてくれるんです。
貴方はこの雨が 何色に見えます?
(ゆっくり)
雨の色。
(みず)
雨は水だから 水色でしょうか
嵐なら、濃く見えて赤かも。
落ち着いてるなら緑かな?
(むしょく)
透明だから 無色?
(あか)
灯りに照らされて 白に見えたかも。
(かんしょく だんしょく たしょく)
寒色 暖色 多色 グラデーション…
どの色でも 何色でも 間違いじゃないんです。
自分が想った感覚に 間違いなんてないんです。
灰色だって 紫だって ピンクだって、とっても良い色。
雨は そんな色のすべてが たっくさん詰まってる
日頃から見慣れた雨でも
(にじいろ)
ぼやぁーと見れば 虹色の雨。
すべての色が降る 美しい雨。
手を出して?目の前の雨粒を手に取って。
(弾ける音)
何色でした?
(ささい)
不思議でしょぉ?どんなに些細なものでも
たくさんの色や想いが 詰まっているものなんです。
私は雨が降る度に ついつい…お出掛けするんですよ
(かよ)
心を通わせれば その全てにふれられる。 そんな気がして…
沢山の雨粒。毎日変わった雨が降る
人によって見え方も違う…だからこそ
この世界は色に溢れてる。
(あまつぶ)
雨粒は 今も絶えず あなたの前を
ゆっくりと 流れて続けている。
(こうけい) (す)
その幻想的な光景に 見とれては過ぎて行って
また一つ。 地面に当たって
(はじ と)
弾け飛ぶ
(ぽちゃん)
こんにちは バイバイ また今度。
不思議な感覚
ただ見ただけなのに ほんの一瞬だったのに
全ての色を 大切な想いを 受け取ったような…。
共有する感覚と 感じ取る想いに
(いっきいちゆう)
一喜一憂する…
(雨の音)
(うれ)
嬉しさも悲しさも…全部 受け取る。
(けっ)
悲しさ。それは決して 悪いことではないんです。
悪い言葉は存在するけれど、悪い意味なんて 一つもない。
悲しむのは 悲しむこと。
それを忘れないで…
(しきさい)
今はただ 自分の感覚で感じ取れる 雨の色彩を
感じて頂ければ楽しいし、私も嬉しいです。
あなたが楽しければ 私も楽しい
あなたが嬉しければ 私も嬉しい
世界が変わる瞬間 それを味わって?
(少し強く言う)
(パチン)
3 2 1
(ねいろ)
印象が変わると…音色も変わる…
(あらあら) (ごうごう)
荒々しい雨 轟轟とした色
(戻す)
…。
強く 強く 強く。
言葉が違えば 色も変わって見えるものなんです。
…ほらっ 聞き分ければ こんなも。
(パチン)
3 2 1
(雨音が変わる)
(パチン)
3 2 1
(雨音が変わる)
(パチン)
3 2 1
(雨音が変わる)
(パチン)
3 2 1
(雨音が消える)
(少し早めに読む)
消える 消える 雨音が消える
共有する。
消えるとそこにはなにも無く。
(はじ)
溜まった想いが一気に あなたの中で弾けて消える。
共有する。
(あめいろ むしょくとうめい)
あなた自身の雨色は 無色透明に染まっていく。
染まる 染まる 透明の色
染まる 染まる あなたは透明
(む)
無色は 無の色。
透明は、透明だから 透明って言われてる。
今は あなたが思う透明に染まればいい。
消える
消える
消える
…。
周りを見渡せば 色の世界
私達を守る 屋根の色
私達を癒す ベンチの色
(もくめ)
私達を楽しませる 木目の色
(あまどい)
想いを繋げる雨樋の色
全てが色に溢れている。
どこにでも いつだって
耳を傾ければ 目を向ければ そこには必ず 色が存在する。
(はっ) (しきさい あふ)
私が発する言葉にも 色彩で溢れてる。
(あふ)
雨の様に溢れ出して、1つ1つに色がある。
怒こったり 哀しんだり 喜んだり 楽しんだり…。
沢山の言葉が あなたの目の前を流れていく
(とうと)
それが尊くて…全て受けとる事は出来ないけど
(ただよ)
泳ぐように 優雅に 色は漂い続けている。
(嬉しそうに)
これが 私の感覚です