Track 1

序章

◎-----プロローグ拉致 編----- ※ファイル名「1-序章」3:36 「あー。やっと居残り終わったよー。お腹すいたなー。早く帰らなきゃ」 私は、居残りテストで、誰もいない通学路を帰宅していました。 夕方の路地は、薄暗く、人も少なくて、ちょっと怖い感じがするなぁ。 ◎プップー(クラクション) 知らない車が、私の横で止まりました。 何だろう。なんか…困ってるみたい。 車内には、メガネを掛けた、お兄さんが2人。 全然知らない人だ。 そして…お兄さんの1人が、地図を拡げて、道を尋ねてきました。 この辺、道が(狭/せま)いし、人も居ない時間だから、私に道を聞いてきたのかな? 見捨てる訳にいかないし、助けてあげよっと。 「あ。この道…違います…もっと前の交差点で曲がらないと」 ちょっと説明しずらいなぁ。 地図を指差して、わかりやすく説明しようとした時。 ◎車ドア開け閉めする音 「えっ、きゃあ。ん゛ん゛ん゛ー」(きぁあの後、口を塞がれた感じ) えっ?なになに?どうしたの?? (びっくりし感じ) 口を(塞/ふさ)がれ、車の中に連れ込まれました。 「んんんんっー。ふぐ。んー!」 もしかして…この人達…悪い人? 太ったお兄さんは、私の耳元で『静かにしろ』と言いました。 私は怖くなって、静かにジっとします。 ◎車のアクセル音 車は発進し、車内がガタゴトと振動します。 数分走ると、人の居ない林の中で止まりました。 太ったメガネのお兄さんは、私の体を押さえながら『ここなら大声出しても誰にも聞こえないよ』と言いました。 口を押さえてた手を外してくれましたが、怖くて声が出ません。 さっきまで運転していた、(痩/や)せたお兄さんは、私の隣に来て顔を近づけて来ます。 「い、いや…お(家/ウチ)に…返して…」(怯え) 私…どうなっちゃうの…