Track 6

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結末

さて……と。 そろそろ、魔界に還る時間かな。 楽しかったよ、おにいさん。 またボクを召喚してね……と、言いたいところだけど……。 同じ召喚の儀式でも、同じインキュバスが召喚されるとは限らないし……。 言ったとおり、ボクは召喚されるたびに記憶を失うんだよね。 うまくボクを呼び出せても、赤の他人から始まって、そして赤の他人に戻っちゃうわけ。 だから実質、おにいさんとはこれっきりかな。 ちょっと名残惜しいけどね。 (──間隔5秒) ……えっ? 記憶を失っててもいいから、また召喚するって? アハッ、そう言ってくれるのはうれしいよ。 だけど、そんなことを繰り返しても不毛なだけ。 頑張って、人間の男の子の恋人を作ったほうが、いいんじゃないかな? まあ、おにいさんのスペックだと、彼氏を作るのは難しそうだけど……。 でもボクは、おにいさんのこと、割と気に入ったかな……。 人良さそうだし、エッチ慣れしてなくて、反応可愛いし……さ。 (──間隔5秒) えっと……実はさ……。 ボクがずっとおにいさんのそばにいられる方法、ひとつだけあるんだ。 それはね、その……。 おにいさんとボクとで、婚姻の契りを交わすの。 淫魔との婚姻は、命を代償に未曾有の快楽を得る契約。 通常は、淫魔に魅入られる形で契約させられて、日々精気を搾り取られて、あっけなく死んじゃうんだけど……。 もしおにいさんが、ボクと婚約を交わしてくれるのなら……。 手加減して、おにいさんの寿命が尽きるまで時間をかけて、精気を吸い取るよ。 ボクは淫魔だから、寿命は人間よりずっとずっと長くて、100年経ってもこの姿なんだ。 せいぜい髪が伸びたり、爪が伸びたりする程度かな。 うん。 きょうできなかったプレイも、たくさんたくさん相手してあげる。 今度はボクがフェラチオしてあげるし、アナルセックスだってOK。 おにいさんが望むのなら、道具を使ったプレイや、野外プレイだって大丈夫。 あ、女装もしてあげるよ! ご希望なら髪も伸ばすし、女らしい振る舞いも学ぶよ。 彼女や奥さんとして、友達に紹介してもいいからね? だから、その……。 おにいさんさえよければ、婚姻の契り……受けるよ? (──間隔5秒) ……って、ないよね、うん。 こんな契約、ない。 魔族と一生ともに過ごすなんて選択、ありえないよね。 しかもオスの魔族だもんね。 アハハッ……ハハッ……。 きっとボク、これまでもこうして、 召喚してくれた人に無茶ぶりしてきたんだろうね。 そのたびに断られては、新しい召喚者に同じお願いをしてきたんだろうね。 ひょっとするとボク、婚姻の契りを断られる苦しみを消そうとして、 無意識のうちに、自分の記憶を消してきたのかもしれない……。 ……あ、変な話してゴメン。 いまの忘れて。 じゃあ、ボクもう行くから。 元気でね、おにいさん。 (──間隔10秒) ……えっ、いいの? ボクと婚姻の契りを……交わしてくれるの? 契りを交わしたら、ショタなインキュバスが一生そばに居座っちゃうよ? ボク以外の子とエッチしたら、契約破棄とみなされて、その場で命を奪われちゃうよ? もう一生、ボクのオチンチン以外とは、エッチできなくなっちゃうよ? それでも……いいの? (──間隔5秒) アハッ……うれしいっ! ボク、もう記憶を失わずにすむんだっ! これからおにいさんと、いろんなエッチができるんだっ! うれしいっ! おにいさん大好きっ! チュッ! ずっとずっと、ずーっとユウと一緒だよ!

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