第1話「指定席特急券x2」
[平日の夜、お風呂上がりの二人]
ふぅ……お風呂気持ちよかったな……
どうだ、新しく買ったシャンプー。ドライヤーかけた時にふわっと甘い香りがして、お前好みだろ?
(少女の匂い嗅ぐ主人公)
んふふ……そんな風に嗅がれるとくすぐったいぞ……んふ、ふふ……
(そのまま抱きしめられる少女)
ん……風呂上がりだと暖かいな。体。
夜は暖房つけててもまだまだ冷えるし、こうやってなるべく体温を逃さないようにするのは間違ってないと思うぞ。
(時間を気にする少女)
ん~、でも、お前はもう寝る時間だよな。名残惜しいが睡眠はしっかり取ってくれよ。
では今日も(寝かしつけてやるか)……
(立ち上がり、思い出したように少女になにかのチケットを渡す主人公)
ん、どうかしたか?
なんだこれ……列車の切符……のようだが。
日付は……明日か。
(主「一緒に行こう」)
え?だが、お前は明日仕事だろ?
(主「有給を取りました」)
有給……でもなんで……
(主「自分の誕生日忘れてるの?」)
あ……そっか。そういえば明日、私の誕生日か。
……覚えてて、くれたんだな。
(主「当然」)
ふふ……それもそうか。
お前がそういうコト、忘れるわけないもんな。
だが、急にどうしたんだ。それに、この行き先は?
(主「この前やってたアニメの聖地らしくて」)
あー、なるほど。この前やってたアニメの聖地か。
結構面白かったし、だからなんとなく地名に覚えあったんだな。ふむ。
(主「行く?」)
ああ、もちろん行きたい。
「お前と一緒ならどこへでも行きたい」といつも言ってるが、今回のは……その、なんだ。
心から嬉しく思ってるよ。ふふ。
ありがとう。大好きだ。
ふぅ……だったら今日はゲームは置いといて、早く寝ないとな。
夜更かししてると起きれるか心配だし、せっかくなら万全の体制で臨みたいから徹夜もナシだ。
それに、列車は眠くなるしな。
お前の横だと尚更だろう。しっかり体力を温存しておかねば……
ふふ、なら今日は、久々に早めに寝るしかないな。
幸い起きたのが昼過ぎくらいだったから、寝ようと思えば眠れる気がする。
ん……じゃ、手でも繋いで一緒に夢の中へいくか?
(主「じゃあ一緒に」)
ふへへ……よろしく頼むよ。