Track 2

こんなの初めて

どうしようどうしようどうしよう……。 やっちゃった、嫌われちゃった……。 こんなの初めて……最悪だ、どうしよう。 終わった……駄目だ。 もう石鹸を踏んで頭から転ぶか、リンスを誤って飲み干すしかない……。 ……あっ、駄目だ、あの子ボディソープ派だ。しかもリンス・イン・シャンプーだ……。 はぁ……かわいい。 そうじゃない、どうしよう。 もう舌を噛み切るか、シャワーで溺れるしかない……。 どぉ、どうすれば今まで通りの、大好きなお姉ちゃんポジションに返り咲くことが……。 {吐息} ううん、違う。 まずはちゃんと謝って、許してもらわないと。 それから、この数値化できない愛を、改めて伝えるの。 よし、じゃあ早く出ないと…… ? ふああぁっ!? あ、あぁ、ううん、大丈夫。どうしたの? あっ……。 ちょっと待って……。 お姉ちゃんから謝らせて欲しいの。 ごめんね、お姉ちゃん、やり過ぎちゃった。 面と向かってあんなこと言われたり、やられたりしたら、誰だって恥ずかしいよね。 お姉ちゃんだって、自分が同じ立場になったら……。 ん? いや、お姉ちゃんなら嬉しいんだけどね? あっ、ううん、でも、今度からは、ちゃんと気持ちを考えて行動するね。 ごめんなさい。 いいの? ……ありがとう。 うふふ、悪いのはお姉ちゃんだったんだから、謝らなくても良いんだよ? もう、ホントに可愛い子……。 でもね、お姉ちゃん寂しいんだ。 こうやって週に一回しか……二回……今週は三回かな? え、四回? ……四回しか会えないのが……辛いし、寂しいの。 うーぅん、それでも足りないの! だから、大好きが溢れちゃって、止まらなくなることがあって……。 でも、これからはお姉ちゃん頑張るからね! 頑張って自分でどうにかするから! 自己処理するから! えっ? ホントに? 今まで通りで良いの? ほんと? やったあ! ありがとう! お姉ちゃんとっても嬉しい! そうだ! お詫びに裸見る!? ドア開けてもいいよ! はっ!? じょ、冗談です、気をつけます! ……ふふっ。 うん、わかった。じゃあ温まってから出るね。ありがとう。 ? よかったぁ……安心しすぎて途中で泣いちゃうかと思ったー……。 ……よく考えたら、お風呂場のドアって向こう見えるよね。 夢中だったから立ち上がっちゃったけど、これ色とかも結構分かっちゃうよね。 うわー、どうしよ、そう考えたら、急にめちゃくちゃ恥ずかしくなってきた……! あっ……なんか、成長しちゃいそう。 はぁ……。 {お湯の中でブクブクする的な音。5秒ほど} {最後の、はぁ……の語尾を伸ばしてブクブクに繋げるテイクも一緒にお願いします}