タイトルコールとこの音源の楽しみ方
;ナレーション(タイトルコール)
///;環境音 川のせせらぎの音 + 蝉の声
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「あやかし郷愁譚(きょうしゅうたん)。
コロポックル パロポロ ~初夏~」
「へへっ、また会えたね! コロポックルのパロポロだよ。
この音源を聞いてもらえて、なまらうれしいべさ。ありがとーね」
「今聞いてもらってるコレ。この音源の、トラックゼロ。
一番最初のトラックは、『この音源の聞き方』の解説さ。
したっけ、『もうわかってるよー』って人には、飛ばしてもらっても大丈夫なんだけど……」
「ん……(呼吸音)……」
「へへっ! 飛ばさないでいてくれると思った!
やっぱりお客さん、
ピリカ・オッカイ――いい人間だね!!」
「したっけパロポロも張り切って解説するね!
まずね、この音源は、バイノーラルの耳かき・安眠音声。
バイノーラルっていうのは、立体音響っていう意味さ」
「いま、ヘッドホンかイヤホンでパロポロの声聞いてくれてる?
もしスピーカーで聞いてるなら、ヘッドホンかイヤホン、つけてくれると嬉しいな」
「……(呼吸音)……どう、オッケー?
オッケー! ならね、立体、いっくよー」
;3
「み・ぎ・み・み」
;5
「でもってうしろにまわりこんで~」
;3
「もっかい右耳! えへへへっ、フェイント」
;7 *(ふーっ)から接近ささやき
「でもって――(ふーっ) ひだりみみ」
;9
「えっへへー、驚いたでしょや? すごいべさ!
これが立体音響――まるでその場にいるみたいに、
声と音とが奏でだす物語を楽しむための仕組みだよ」
;1
「うん。そうだよ! 物語。
これからオッカイとパロポロは、ポン・ポン・ユカラ――
小さな小さな物語の世界にはいりこんでく」
「物語の舞台は茂伸(ものべの)。
四国の山の深くに佇んでいる、
人間とあやかしとが、お互いを尊重しあいながら共存している、隠れ里」
「季節は……(沈黙)……さっきから、聞こえてるでしょ?
蝉の声――ニイニイゼミが、ジーーージーーーって」
「したっけ、7月。初夏のお話。
コロポックルは暑さにとっても弱いから、
正直、かなりしんどい季節さ」
「けど、ちゃあんと涼しく過ごせる工夫はしてあるし。
それにさ――へへへっ、オッカイと一緒に過ごす夏なら、
暑くったって、きっととっても気持ちいいべさ!」
「あっと、そろそろ時間だね。
パロポロ、先に戻って支度してまってっからさ。
絶対絶対遊びにきてね!」
「したっけ、えへへへっ!
またあとで!」
;環境音FO