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プロローグ

おかえり、人間ー。  今日も遅かったなー。  ……んー? どうした、その顔はー。  また何か、辛いことでもあったのか?  しょーがないなー。  ほら、余のとこにおいで?  うん、ぎゅーーーーーー……。  よーしよーし。よしよし。  よーく頑張ったなー。  まったくもー。相変わらず、遠慮のない甘え方だなー。  魔界を支配してた魔王に、こんなに甘えてくるヤツなんて……きっと、人間だけだぞー?  んー? まー、別に、イヤってわけじゃないんだけどなー。  余だよ? 200年近く生きてる余だよ? 別に、人間一人受け止めるくらい、どうってことないよー。  それに、人間には、なんだかんだで世話になってるし。  人間界に落ちてきたとき……人間が見つけてくれなかったら、余、死んじゃってただろーしなー。  こっちの世界での生活のこととか、色々教えてくれたし。人間には感謝してるんだよー。  だからまあ別に、余でいいんなら、好きなだけ甘えてくれて構わんのだがー。  不思議だなって思っただけだよー。  人間は、怖くないのかなーって。  余だよ? この、頭の角とか、禍々(まがまが)しい見た目してると思うんだがー。  ……うーん。そーいうもんなのかー。  人間は、なんとゆーか、色々と寛容なんだなー。  まー、別に余は、人間がいいならそれでいいんだー。  それで、今日はなにがあったんだー? 人間。  経験豊富な魔王様が、人間のこと、なんでも聞いてやるぞー♪  余が、たくさんぎゅーってしてやるからなー♪

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