隠れ家に踏み入りかけたところで罠に掛かって拘束される
エリス:
馬鹿め、まんまと罠にかかりおったな。
どうだ、身動きがとれまい。
貴様のような愚鈍な闖入者の駆除など、このドクター・エリスにかかれば、セルロイド人形の手を捻るよりも遥かに容易いわ。
どうせ貴様は組織の下っ端だろう。貴様が所属する組織の壊滅は免れんが、今すぐ情報を吐けば貴様の命だけは助けてやる。
さあ、所属を言え。
……ほう、惚けるつもりか。
なに? この私を知らないと言うのか? 天才の誉れ高きドクター・エリスを?
フッ、面白いジョークだ。
では何故このような辺鄙な場所をうろついていた。何の目的もなしに足を踏み入れるような場所ではないだろう。私を納得させたければ、もう少しマシな言い訳をするんだな。
……ふむ、ここに来るまでの記憶が無いというのか。随分都合のいい脳みそを持っているようだな。
まあ、偶然この家を発見したと言い張るのならそれでも構わんが、いずれにせよ、この場所を口外されると私はこの家を捨てなくてはならない。
私はここが気に入っているんだ。だから貴様はこの場で殺す。
ククッ、どうした、小刻みに震えて。
死ぬのが怖いのか? チャンスをやろうか? ん?
なにせここは不便な場所でな。常に資源が不足しているんだ。
貴様に資源としての価値があるかどうか、テストしてやろう。
ちょうど、雄の実験体が欲しかったんだ。
実験体に求める条件はひとつ、旺盛な性欲だ。
フンッ。薄汚い性器だな。
なんだぁ? その顔は? 何を期待しているんだ?
私に性器を触って貰えるとでも思ったのか?
ククッ。このドクター・エリスが、このような下劣な代物に手を触れるはずがないだろう。
私の目に触れているだけでありがたいと思え。
ほう、よく使い込んでいるようだな。
と言っても、どうせマスターベーション専用だろう。
なんだぁ? もう勃起してきたのか?
フッ。死の恐怖を抱きつつも、罵りの言葉に性欲を滾らせるか。
いいだろう。実験体としてしばらく飼ってやる。
まあそう怯えるな。実験と言っても危険性は無いし、この家を引き払う折にはちゃんと解放してやる。
どの道、ここもそう長くは持たんだろう。私には敵が多いのでな。
よし、拘束を解いてやる。じっとしてろ。
……おい、邪魔だ。勃起を鎮めろ。