そ、それでは……お耳に吐息マッサージ?させて頂きます
「……せ、先輩……お耳マッサージについての流れは理解出来たのですが……これは……レベルの高いマッサージですね……」
「い、いえ、無理とか不可能ということではなく、流石は先輩、難易度が高いマッサージをご存知だなあと思っただけです!」
「……ですが! 何事にも負けずに挑戦する先輩の後姿を見ている私です! 果敢に臆せずに先輩へのお耳マッサージ、完遂させてみせます!」
「あ、べ、別にちょっと臆していたというわけではありません……よ?」
「こ、こういう小さなところからコツコツと頑張っていかなければいけませんからね!」
「……こほん。では……」
『先輩? えーっと……これくらいの距離で大丈夫、ですか?』
『近過ぎて五月蝿いとか、そういうのは……ありませんか?』
『……眼鏡が当たって煩わしいとか、そういったことは……』
『それなら良かったです。それでは、先輩に教えてもらった通りに……お耳のマッサージを……』
『……本当にこれがマッサージになるのか疑問の残るところですが……』
『……では、先輩? お耳にマッサージ、させて頂きますね』
『……まずは……先輩のお耳に……』
『……す、少し恥ずかしいですが……い……いきます……』
『先輩? 少し擽ったそうにしていますが……大丈夫ですか? あまり心地良くなかったり……しませんか?』
『……不快そう、というわけではなさそうですので……このまま続きを……』
『先輩は……このようなマッサージをされてみたかったんですか?』
『こんな変わったマッサージをご存知だなんて……さすが先輩です』
『先輩は私の知らないことを沢山知っていて……本当に憧れてしまいます』
『先輩は……触れられもせずにお耳に吐息を吹きかけられるだけで……心地良いのでしょうか?』
『……と、思ったりもしたのですが……先輩の反応を見ていると心地良さそうですので、安心しました』
『先輩の肩を揉んでいるときも少しだけ胸がドキドキしているのですが』
『こうして触れもせずにお耳に吐息を吹きかけるのも……とてもドキドキしてしまいます』
『触れているときよりも距離があるはずなのに……どうしてなのでしょうか……』
『先輩のお耳に息をふーっと吹きかけて、そして息を吸い込んだときに感じる先輩の匂い……』
『……やはり、ドキドキしてしまうのはその先輩の良い匂いのせいでしょうか』
『それに……お耳に吐息をふーっとしたときの先輩の反応も……可愛らしくて胸を擽られてしまいます』
『……先輩? 今小さく吐息と一緒に声、漏らしませんでした?』
『……その……私も思わず声を漏らしてしまいそうなほど胸が高鳴ってしまいました』
『先輩?』
『……私、ちゃんと上手に先輩のお耳を心地良く出来ているでしょうか?』
『もっと優しくお耳に吐息を、とか』
『もっと強めに吐息を吹きかけて欲しい、とか』
『それとも』
『こうして右のお耳に吐息を吹きかけてほしいとか』
『先輩のご希望があれば、応えようと思いますが如何でしょうか?』
『ぞくぞくっとしながらもちゃんと答えてくれて有難う御座います』
『それでは……私のお任せで、続けさせて頂きますね』
『……先輩』
『先輩のお耳、何だか少し赤くなってきているように見えますね』
『心地良くて血行が良くなっている、のでしょうか?』
『それとも……もしかして……少しドキドキいるのでしょうか?』
『……私も少しドキドキしていますし、先輩もドキドキしてくれていたら……少し嬉しいかもしれません』
『……逆のお耳だと思ってちょっと驚きました? 先輩』
『……今の先輩の反応、可愛らしくて……私、嬉しくなってしまいます』
『先輩は……どちらのお耳に吐息を吹きかけられるのが心地良いのでしょうか?』
『こちらのお耳でしょうか?』
『それとも』
『こちらのお耳に吐息を吹きかけられるのが心地良いのでしょうか?』
『……先輩の反応、どちらも可愛らしくて私にはまだ判別出来ないのですが……』
『こちらのお耳のほうが若干反応が良い気がします』
『ですが』
『こちらのお耳も……とても反応が良い気もします』
『もしかして先輩は……どちらのお耳も……敏感なのでしょうか?』
『先輩……本当に心地、良さそうなんですから……』
『先輩? それでは……先輩も満足して下さったようですし、お耳へのマッサージはこの辺で終了に……』
//間
『というのは冗談です、先輩』
『先輩が教えてくれたマッサージはまだいろいろありますので……』
『では……次のマッサージに移って大丈夫でしょうか?』
『先輩が……このまま続けて欲しい言うのであれば続けますが……』
『早く次のマッサージを、と、そんな風に見えますし……』
「それでは先輩? お耳に吐息マッサージはこの辺にして……」
「次のマッサージに進もうと思うのですが、どうでしょうか?」
「やはりもうちょっと吐息マッサージを、というのであれば私は全然構いませんが……」
「先輩、どうします? 次のマッサージに進んで宜しいでしょうか?」
「はい、では……お耳への吐息マッサージはこの辺にして……」
『……次は……少し恥ずかしいですが……直接お耳のマッサージ、させて頂きますね』