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■Episode01

初めての苦痛、そして出会い 「はぁー……何故なのかしら……なぜあの人は、私の事を見てくれないのかしら……」 「……はぁー……」 「わたくしは一体……何をしているのでしょう……」 「それもこれもあの人が悪いんだからっ」 (ここまで愛していると言うのに……この私に……手に入らない物なんて無いはずなのに……) 「そろそろ来る頃かしら」 『それは、今朝の事』 『突然お父様より告げられた』 「おはようございます、お父様。本日はお仕事はお休みですか?」 「……新しい執事……ですか……。兼山(かねやま)さんはお暇(いとま)されたのですか?」 「えっ!? 私の専属って……」 「はぁー……お父様……前にも申しましたが、私には専属の者など必要ありませんっ……!」 「は、はぁー……お父様がそこまでおっしゃるのであれば……まぁ……」 (お父様がここまでおっしゃられる方……いったいどんな方なのかしら……) 「分かりました。他ならぬお父様のご紹介のようですし、私の専属執事として精一杯お勤め頂きます」 「いえ、お迎えすると決めたからには、我が家に勤めることができて良かったと思っていただけるように」 「それがお父様のお考えと私も重々承知しておりますし。私自身もそう思いますので、問題ありませんわ」 「うふふ、どんな方が来るのか今から楽しみですわっ」 (という事があった訳なのですが……本当に……楽しみですわ……期待を裏切らない方かどうか……) 『以前までもこの様な事はあった』 『お父様の秘書兼ドライバーを務める兼山さんの時も、お父様は今日のような形で招き入れた』 「お人が良い事は私としても誇らしい限りですが」 『お父様はことある毎に優秀な人材を発掘する趣味のような物がある』 『事実、お父様の経営する会社の幹部に君臨する人材はほとんどがお父様が直接スカウトしてきた人ばかり』 「お父様の人を見る目は、本当に尊敬致しますわ」 『そんな事を考えていると、不意に部屋をノックする音が響き渡った』 「どうぞ……あっ……」 『返事と共に入ってきた執事の男性。そして、私は人生で初めての経験をした』 「えっ、あっ……は、はいっ……よ、よろしくお願いしますわ……」 『一目惚れという初めての恋を――』

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