Track 9

「魔王様、爆誕」

女神シフェル 「やっほー。順調みたいねー」 イサヤ 「何がどう順調に見えるのよ」 女神シフェル 「スライムに続いてオークを支配した事よ 数が多い種族だから、かなりの戦力よ。これ」 イサヤ 「戦力って…何させたいのよ。私に」 女神シフェル 「やだ。忘れちゃったの? 貴女、前世の死に際に、言ってたじゃない。 『私は、この世界に必要無かった。だから私は世界を憎む』って」 イサヤ 「そう言えば…うん。言ってた…」 女神シフェル 「なーんにもイイ事なんて無くて、無気力に前世を生きて、 挙げ句の果てに、理不尽に殺されて、世界を憎むのも分かるわ 私もね同じなの。今は女神なんてしてるけど、色々と不幸だったのよ 家族や友達に憎まれ、何度も転生したわ それで、この不条理な世界を憎んでるの。だから壊したい。全てを」 イサヤ 「女神なのに?世界を壊すの?」 女神シフェル 「私は、上司である全能の神だって憎い だから、決めた。女神を辞めて堕天使になるわ 今日から私は、女神シフェルを辞めて、 堕天使ルシファーになるの。貴女の右腕になるわ」 イサヤ 「私の右腕?」 女神シフェル 「貴女は、たった今から魔王イザヤを名乗るといいわ この世界を壊して、新世界を作るの」 イサヤ 「魔王イザヤ…うん。悪くない そう。私は、世界を壊したかった この世界も、前世も全て破壊し尽くしたい」 女神シフェル 「貴女ならそう言うと思った。私と同じで、既に心が壊れてるから」 イサヤ 「それじゃあ手始めに、近くの城を墜としましょう 逃げ惑う人々を見ながら、沢山のモンスターと交(まじ)わるわ 邪魔する神が居たら、私が神殺ししてあげる」 女神シフェル 「神殺し…か。さすが魔王…いや魔王様 貴女ならきっと、前世の世界すら滅ぼせるでしょう さぁ、魔王様。行きましょう 私達の世界破壊は、始まったばかりですから」