Track 1

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1.いつもの日常。ではなく

トラック1 ゴミ出しから戻ってきた所で丁度部屋から出てきた男の子(聞き手)と鉢合わせた所からスタート (SE:玄関ドア開け音) うん?あらおはよう。随分慌ただしく出てきたけど、今から学校? (肯定されて) あぁやっぱり。 私は丁度ゴミ出しから戻ってきた所よ。 それにしても、君ったらいっつも慌てて出てきてるけど、そんなんで忘れ物とかしてない?それに、今日もしないみたいだけど、ゴミ出しはどうしてるの? まさか家の中、ゴミ屋敷になったりしてないわよね? しっかり余裕をもって行動しないとダメよ。 え?あはは、子ども扱いしないでって言われても、私から見れば君なんてまだまだ子どもよ。私の方が一回り以上年上なんだから。 あ、そうだ、朝ご飯はちゃんと食べるようになった? 今からきちんと規則正しい生活をするように意識しておかないと、歳を取ってから後悔するんだから。私だって君みたいな年の頃は無茶ばかりしてたけど、この年になってからその反動で苦しんで…え?遅刻する? (呆れたように) もう、こんなギリギリまで寝てるからでしょ? わかったわかった。もう言わないから。早く学校に行きなさい。 はい、いってらっしゃい。車に気をつけるのよ。 (男の子が見えなくなったのを確認して、高揚したようなテンションで) …んふ、んふふふぅ。いやぁー今日も可愛いかったわねえ、あの子ぉ。 慌てて家から出てくる様子も、めんどくさそうに私の話聞いてる様子も、走って学校に行くのも、その全部が若い男の子って感じで、もうたまらないわぁ。 あーあ、それにしても、あの子が隣に引っ越して来てもう一年経つのかぁ。 最初は若い男が一人で隣に引っ越してきたって喜んだけど、 いざこうやってしょっちゅう顔を合わせるようになると、少し辛いわねえ。 男真っ盛りな子と何度も会って、話をして、それでおしまいって、なんというか、際限なくお預けされて性欲だけが募ってくるって感じで、ちょっとしんどいわ。 あいつと別れてからずっと一人暮らしで男っ気の無い生活をしてきた私にとっては、あの若さの男の子と話をするってだけでちょっと、いや、かなり刺激が強すぎるみたいね。 女は年取ってから性欲が強くなるなんて言うけど、ここまでだとは思わなかったなぁ。 まさかこの年になってあんなガキンチョみたいな年齢の男の子のこと考えながら一人でするようになるなんて思いもしなかったわ。 それもこれも、毎朝毎朝あんな首元開けただらしない格好で出てくるからよ。 あんなの完全にセックスアピールじゃないの。 相手もいなくて悶々と性欲こじらせてる女があれと毎日至近距離で話をして何も感じるなって言う方が無理よ。 あれが無自覚だとしたらタチが悪すぎるわ。一回り以上年上の女捕まえてあんな格好見せつけて。挑発してるんですって言われた方がまだ対応のしようもあるっていうのに。 はぁ、まったく、最近の流行りなのかなんなのか知らないけど、 あんな格好で学校に行って、女の子達はなんとも思わないのかしら。 んー、でも、あの子も彼女の一人や二人、いてもおかしくないのに、全くそんなことないみたいなのよねえ。 前に聞いたときも、一度も付き合ったことないって言ってたし。 モテそうな感じだと思うんだけどなー。最近の女の子の好みじゃないのかしら。あ、それなら、私が取って食べちゃっても問題無い、ってことかしら? (我に返って冷静になり) …って、はぁ。何言ってるんだか。もし私があの子をこんな目で見てるだなんて知られたら、軽蔑されちゃうわよねえ。いくらなんでも、こんな年上の女にそんな風に思われたって嬉しくないだろうし。 今のとこは気づかれてないとは思うけど、視線とか話し方とか、ちょっと気をつけないとね。最近露骨にいやらしい目しちゃってると思うし…。 んー。私も昔はあんな格好の男の子見てもなんとも思わなかったのになぁ。 あぁやだやだ。やっぱり歳は取りたくないわ。 あいつと暮らしてた頃はこんなんじゃなかったのに。 ま、これ以上考えても仕方ないか。とにかくあの子と話すときは自制心を持って、オスじゃなくて一人の男の子として見るようにしないと。 何がどうしたってあの子と関係を持てるなんて絶対無いんだから。 私も、一人でするならするで、もっと年相応の地に足の付いた妄想でシないとね。 んじゃ、気を取り直して、私もやることやりますか。 (SE:鍵を蹴っ飛ばす 金属音) (足下の金属音に気づいて) っと?今何か蹴飛ばしたかしら? んぅ?なぁにこれ。 って、いけない、これあの子の部屋の鍵じゃない。 慌てて学校行ったもんだから、落として行っちゃったのね。もう、だからゆとりをもって行動しなさいっていつも言ってるのに。 あの子、一人暮らしなんだから、私が見つけなかったら大変なことになってたわよ。 しょうがないわね。あの子が帰ってきたら返してあげないと。 ふふふ。その時はまた沢山お小言言っちゃおうかしら。 (何か閃いて) …ん?ちょっと待って… 今ここには私一人で、あの子の部屋の鍵は今私の手の中にあって、それなら…。 あは、良いこと、思いついちゃったかも。 (悪巧みを思いついて楽しくなってきて) んっふふふふ。 そうよねぇ。ただ返すだけだなんてもったいないわよねぇ。 自分に欲情してる女の前に鍵を落としていくような油断しまくりないけない男の子には、ちゃーんと相応のお仕置き、してあげなくっちゃいけないわよねえ。 んふふふふ。これは、楽しそうなことになってきたわよぉ。

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