羊水の中でプカプカ
(右・接近)
ん?
ママのお腹の中にいるなら、ここにいるママは誰だ?って?
うふふ、そう思うよね。
あのね、ここにいるママは、ボクちゃんが持っているママのイメージを実体化したものなの。
だから、ほら。
(体を離して)
(正位置・通常)
ボクちゃんの理想のママの姿でしょう?
でも、ママはママよ。
ママはボクちゃんのことが大好きだから、こうやってお腹の中でボクちゃんと一緒にいれて、とっても嬉しいわ。
ボクちゃんもママと一緒で嬉しいよね。
ここまで来るのに疲れちゃったよね。
ちょっと休憩しようね。
はい。
このまま、ここで深呼吸~。
大きく吸って。
す~~。
深く吐く。
は~~。
(SE:水の中を空気の泡がぼこぼこなる音)
(右・通常)
あ、びっくりした?
大丈夫だよ、落ち着いて。
(左・通常)
ごめんなさいね。
まだ説明してなかったわね。
(正位置・通常)
このお部屋はママの羊水で満たされてるのよ。
だから、ほら。
(右から左・通常)
ぱちゃぱちゃ~。
(SE:水の中を空気の泡がぼこぼこなる音)
(正位置・通常)
ん?
どうして息ができるのか不思議って顔してるね。
うふふ、ボクちゃんは気が付いてないみたいだけど、今のアナタは赤ちゃんよりもっと小さい赤ちゃん、つまり胎児になっているのよ。
だから、ボクちゃんのおへそはママのおへそと、へその緒で繋がっているの。
ボクちゃんはそこから空気や栄養を、ママから受け取っているんだよ。
だから、水の中にいても息ができるの。
安心した?
(右・接近)
今、ボクちゃんはママとへその緒で繋がった一心同体なんだよ。
ママは、ボクちゃんのことを全力で守って上げるからね。
大好きだよ。
ちゅ。
よしよし。
よしよし。
(左・接近)
ねえ、ちょっと泳いでみようか。
泳げなくても大丈夫。
ほら、体の力を抜いてみて。
体が羊水に浮かんで、ぷかぷか、ぷかぷか。
そうそう。
上手、上手。
ボクちゃんは羊水の中で、ゆったりと浮いているよ。
ぷかぷか。
ぷかぷか。
そのまま手足をバタバタ~。
ぱちゃぱちゃ。
ぱちゃぱちゃ。
(右・接近)
あ。
今、ママのお腹をキックしたね。
うふふ。
ボクちゃんのキックを感じたわ。
嬉しい。
え?
痛くないよ。
だって、今ボクちゃんは胎児なんだよ?
ポコポコしても力が無いんだもの。
あ、触ってるな、って感じ。
だから、もっとキックしてね。
ボクちゃんがキックすると、ママはボクちゃんの存在を感じてとっても嬉しいの。
はい。
手足をぱちゃぱちゃ。
キックキック、パンチパンチ。
うふふ、ボクちゃんは元気だねえ。
お腹の中から元気ですよーってサインを受け取りまちたよ~。
キック、キック。
そうそう。
上手でちゅねえ。
元気でちゅねえ。
(正位置・通常)
あれれ~?
もう疲れちゃった?
ふふ、仕方ないよね、胎児なんだもの。
すぐに疲れちゃうよね。
(左・接近)
それじゃあ、ママのお腹の中でネンネしようね。