完全に胎児になるための催眠
(左・接近)
ボクちゃん。
オネムでちゅよね。
うふふ。
お目目がトローンってなってる。
カワイイでちゅねえ。
それじゃあ今から、身も心も完全に胎児になって、オネムしようね。
(右・接近)
まずは、ネンネの姿勢になろうね。
お膝を抱えて、小さくきゅ~って丸まってくだちゃい。
できるかな~?
きゅ~~~。
うわ~。
上手、上手。
ここの空間はね、その姿勢がぴったりハマるようにできているの。
どう?
周囲のフワフワした壁に優しく包み込まれて、温かくて気持ちいいよね。
よちよち。
よちよち。
(左・接近)
そのまま、ゆっくり深呼吸しまちょうね。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
そうそう。
上手でちゅね。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
ほら、お耳を澄ませてごらん。
(SE:心音F.I)
トクン、トクン。
トクン、トクン。
ママの心臓の音が聞こえるよね。
ここはママの中だから、心臓の音がさっきよりもよく聞こえるよね。
心臓の音と、水の音と、そしてママの声。
他には何もない、ボクちゃんとママ、二人だけの世界。
静かで、心地よくて、温かい世界。
よちよち、よちよち。
なでなで、なでなで。
大人でいることに疲れていたのね。
でも、もうそんなことは忘れなさい。
だって、アナタは胎児なんだもの。
何も考えなくていいの。
アナタはただ、ママの子宮の中で羊水に浸かって眠っていればいいのよ。
よしよし。
ネンネ、ネンネ。
(右・接近)
カワイイ、イイコちゃんでちゅね。
ママはボクちゃんのことがだ~い好きでちゅよ。
ボクちゃんのことを全力で守って上げる。
大切な、大切な私の赤ちゃん。
安心してネンネしなさい。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
(SE:心音の音量が大きくなる)
アナタは段々、段々、大人だった自分のことを忘れていきます。
頭の中が空っぽになっていきます。
何も考えられなくなっていく。
名前も思い出せない。
頭の中が真っ白になっていく。
(しばらく心音のみ)
(SE:心音F.O.)
(左・接近)
・・・今、ボクちゃんは完全に胎児になりました。
ママのお腹の中で、羊水にぷかぷか浮いてる小さな胎児。
よちよち。
カワイイ赤ちゃんでちゅねえ。
羊水の中で、ぷかぷか、ぷかぷか。
あったかいね。
安らぐね。
ん?
どうちたの?
ちーちー出る?
じゃあ、ここで出しちゃおうね。
大丈夫よ。
胎児のおしっこはキレイだから、羊水の中で出しても平気なんだよ。
ほら、しー、しー。
しー、しー。
あ~、ちっち出た。
ちっち、いっぱい出てるねえ。
うんうん、イイコだね。
いっぱいちっちを出すと、気持ちいいね。
よちよち、よちよち。
(右・接近)
ちっち出たら眠くなってきたね。
このまま、ママの羊水の中でネンネしようね。
大丈夫。
ボクちゃんとママはへその緒で繋がってるから、離れ離れになる心配はないよ。
ず~っと一緒だよ。
ほら、ネンネしようね。
おやすみなさいでちゅよ。
そうだ。
お腹の中のボクちゃんに聞こえるように、ママのお腹をトントンするね。
(SE:トントンの音)
ほ~ら。
ママと一緒に深呼吸だよ~。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
そうそう、上手、上手。
息苦しくならないように、自分のペースで呼吸すればいいからね。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
すーはー、すーはー、すーはー、すーはー。
よちよち、よちよち。
お目目がとろ~んってしてきたね。
ふふ、可愛いでちゅねえ。
(左・接近)
よちよち、ボクちゃんがいっぱい眠れるように、ママがお歌を歌って上げるね。
ボクちゃんはお目目をつぶって、ゆっくり呼吸しながら聞いてくだちゃいね。
はい、お目目をつぶつぶ~。
つぶつぶできまちたか~?
うん、イイコでちゅね。
それじゃ歌いまちゅよ~。
(歌唱)
(キラキラ星をハミングで)
ん・・・、もう眠くて眠くて仕方ないね。
このままネンネしちゃおうね。
おやすみなちゃい。
大好きでちゅよ。
ちゅ。