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■自己紹介プログラム334

実験体観察のため自己紹介プログラム334(さんさんよん)を実行します わたしは実験体コード番号256(にぃごぉろく)です 現在わたしは、人体管理システム、ヒューマンコントロールマシン、HCM(エイチシーエム)の管理下にあります …… 皆様、本日は人体管理システムHCMの特別研究報告会にお集まり頂き、誠にありがとうございます ついにこの時がやってまいりました 今回はスポンサー様全員がご参加とのこと、研究員一同たいへん嬉しく存じます これまでのセミナーや報告会とは違った趣きとなります本日の特別研究報告会、HCMのすばらしさを改めてご実感頂けるものと確信しております …… それではまず、HCMのご説明をいたします HCMとは人間の感情と行動をコントロールするシステムです 苦痛や快楽、熱さ、冷たさなど、あらゆる感覚は正常に機能しますが、 それらの感情は一切、表に現れることがありません 脳内で思考することは可能ですが、行動および発言もHCMによりコントロールされます それだけではなく呼吸や排泄、睡眠など、ありとあらゆる行動がHCMにより管理されます つまり どんな苦痛や快楽を受けて、泣き叫びたくとも、喘ぎ悶えたくとも、助けを求めたくとも なにもできない それが、HCMなのです …… HCMを導入することにより、より精密な人体実験を行うことが出来ます 苦痛や快楽などすべての感覚をHCMが数値データ化して記録します 無駄な感情表現が発生しないため、実験結果の精度が限りなく100パーセントに近づきます それに、なんと 実験体の生命活動が停止しない限り何度でも実験を続けることが可能なのです 拷問や人体改造、洗脳、精神破壊、…そんな人体実験も効率よく行えるのがHCMです HCMのご説明は以上です …… 続きまして、わたしの状態についてご報告いたします 現在わたしは、HCMに管理されています このプログラムはHCMによるもので、この発言は私の意思によるものではありません 現在わたしが何を考えているのか、どのような精神状態なのかは HCMのレポートをご覧になるか HCM感情説明プログラムを実行することで確認することが出来ます …… 現在のわたしの感情は「とてつもない恐怖」です …… プログラム334を継続します わたしがHCMの管理下に置かれてからちょうど200時間が経過しました HCMの改造プログラムはまもなくKが完了されます プログラムGの実行により わたしの感情表現に関わる脳内経路は完全に遮断され、感情を表すことは今後一切できなくなりました なお、プログラム実行毎(ごと)に精神安定剤及び興奮剤の投与が行われ 理性が破壊されないギリギリの状態で感受性が最大限に高められています 現在のわたしの思考では、まだ経験したことのない実験と研究員達の普段とは全く違う様子、そしてスポンサーの皆様の刺すような視線に激しく怯え、とてつもない恐怖を感じています しかしHCM管理状態であるため、どのようなことがあっても感情が表に出ることはありません 行動はすべて制限されています …… プログラム334を継続します わたしはここ、HCM研究所にて、実験体166により産み出されました わたしが誕生するまでの実験体による妊娠の維持と出産はたいへんに難しく、ようやく無事出産に漕ぎ着けた1例では産まれたのが男児だったためすぐに処分されたと聞いております 研究所待望の、生まれながらにしての実験体第1号となったわたしは、新たな研究項目、そしてより完璧に近い精度での実験を目指し、今日まで育てられてきたのです 先ほども申し上げた通り、わたしはまだ一度も実験を経験しておりません 実験がどのようなものかも存じません これまで様々なことを学んできましたが、実験についてだけは研究員達からはもちろん、母体である実験体166からも何も聞かされることなく今日を迎えました 本日、わたしはついに、HCM研究活動のためにはじめて 実験体としてお役に立てるのです この研究所ではじめて女児を出産した実験体166以上に、HCM研究活動に貢献して参る所存です …… プログラム334を継続します わたしは、例えばかつてM国諜報員であった実験体142のような、与えられた任務への遂行力、 それからこの国の第四王女であった実験体159のような清廉・廉潔さ これらが備わるよう育てられてきました 日々の勉学や鍛錬は厳しいものでしたが、母体である実験体166と過ごす時間は間違いなく一般的な親子のそれでした 幸せでした けれどもわたしは、未来に希望を持ってはならないということを、物心がついた頃から意識しておりました 実験体166は、わたしとの約束を一切しませんでした 「絆はあっても希望はない」 教育を受け健やかに育ったわたしは、それ故にそのことに気づかざるを得なかったのです ここまで成長したわたしは、実験体166の感情を予測できるまでになりました 実験体166のいま現在の感情を予測します… 「娘が実験を経験する前にこの手で殺害し、自決することを望んでいます」 … なお、実験体166は現在、精神崩壊レベルが急激に上昇しています … 通常であれば発狂し廃人になるところですが HCMの管理下にあるため、そのようなことにはなりません このようにわたしたち実験体は、HCMの研究を通じ、心身の限界まで国家に活用されています これもひとえにスポンサーの皆様によるお引き立てによるものです 心より感謝申しあげます …… プログラム334は以上です この後、いよいよ特別実験を行います これから行う実験は以下の3つとなります …… 「触手花による処女膜裂傷からの膣内性的感度の調整および心身への負荷測定」 「破壊的快楽装置イキ地獄拷問実験」 「排卵誘発を中心とした生殖機能の調整および交配実験」 …… いずれも、通常では瞬時に精神が破壊されるレベルの危険な実験となりますが、HCMの管理により実験体を保護しつつ、より正確な実験結果を出すことが可能です これらの実験を、当研究所初の実験体から産まれたわたしが、皆様のご期待を一心に受けレポートいたします どうぞ最後までご覧くださいませ

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