エピローグ
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;エピローグ
;数年後、喋りはちょっと落ち着いた女性という感じで
「テストで赤点取らない、ちゃんと進学する、講義をサボらない、無理しない程度にバイトする、就職活動頑張る、仕事に励む……色々言ってきたのにね、というかお姉ちゃん、知ってるんだよ? あなた、かなり人気あるでしょ……そりゃね、同じ会社で
姉ですから、女子社員が何人あなたの事聞きに来たと思ってるのよ……全部丁寧に断ったのも知ってるわよ、もう」
「進学先も、就職先も追いかけてくるなんてさすがに予想外だったんだけど……というか、あなたならもっと良い会社だって行けたでしょ? ……私がいないと意味がないって、もう……そういうところは変わらないっていうか、頑固っていうか」
「本当、一途っていうか、諦め悪いっていうか……あれからずっとお預けしてたのによく我慢してたわよね……判るわよ、それくらい。別に彼女作ったり、その……そういうお店遊びにくらい行けば良いのにさ、そういうのもしてないでしょ? ……あのね、私、あなたのお姉ちゃん。あなたの事なんて手に取るように判るのよ……それで今日話があるっていうのは?」
「……はいはい、言いました。弟とか考えられないくらい素敵な男性になれば考えるってね……よく覚えてるわよね、本当……まったく、頑張りすぎよ……言っちゃなんだけど、私じゃ逆にあなたと釣り合わないんだけど? ……私が、良いんだ……まったくもう、それだけ情熱的に口説けばコロっといっちゃう女の子もいるのに……お姉ちゃんばっかなんだから」
「……何よ、何が言いたいの? ……う……べ、別にほら、なんとなーく気が合わなそうだから断ってただけで……お見合いは、そのぉ……や、やっぱり恋愛結婚したいしぃ? ……そ、そうよ? ただなんとなーく気が合うっていうか、好みの人がいなかっただけで、別にあなたの事待ってた訳じゃ……何ニヤニヤしてるのよ、もう……う……そうよね、ずっと一緒だったもんね」
「あー、もう、はいはい、そうですよー、断りましたよー……あなたが頑張って、我慢して、それでも諦めないの知ってて……他の人に目が行くわけないでしょ、もう……そうね、意地張ったり、大人ぶっても中身は同じ、私だからね……ん、その言葉……何度も聞いたわよ、もう……ええ、それこそ多い時は1日何回も好き好き愛してる、ってね……だから、良いよ、あなたの気持ち、判ってるから」
「……それでね……お姉ちゃんも言う事、あるんだけど……聞いてくれるかな、ふふ」
;3秒程度間