告白されても、その、困る
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;『彼』の部屋にて
「はぁぁぁぁ……溜息くらいする、むしろさせて欲しい……まったく、文化祭って言うのは文化部の成果発表や各クラスの出し物だって本来はこんな文化的な事が出来る、という催しなんだぞ? それなのに……ほう? ならあえて聞くけど……女装コンテストのどこが文化的な催し物だと? 昨今話題のLGBTや性同一性障害への配慮って……まったく、建前だけは立派な事を……」
「まぁ、良い。悪ノリとかも青春の思い出、そう考えればこういう時にハっちゃける人間がいてもおかしくないし、それを咎めるつもりも当然無い……無い、けど……まさか幼馴染が土下座して女装してくれ、と頼み込んでくるのはさすがに予想外すぎるんだけど? ……あのね、君も知ってるよね。昔、姉貴達に着せ替え人形にさせられてそういうのにあまり良い思い出無いってさ」
「う……いや、まぁ……確かに最初会った時に女の子に勘違いされる事も多かったけど……似合ってたから、と言われてもその、なんだ……困る…………はぁぁぁぁ……女装コンテストに出ない、着替えるのも一度だけだぞ? ……しょうがないだろ、どうしてここまでするのか判らないけど、土下座までされたんだ……幼馴染にそこまで頼まれたらさすがに断れないだろう?」
「まぁ、今日は姉貴達も帰り遅いって言ってたし、着替えて見せるくらいならすぐ終わるだろうしね……はいはい、良いから部屋から出てけ。さすがに着替えを見られる趣味は無いし、君だって男の着替えなんてみたくは無いだろう? …………何、今の間? いや、別にそこまで気にしてる訳じゃないけど……やっぱり今日の君はおかしいと思うけど……あー、はいはい、するってば」
「じゃ、廊下でしばらく待ってて。終わったら呼ぶから……判ってるって、今更逃げたりはしないよ……まったく、なんであんなに必死に頼み込んでくるかなぁ……ま、いいや。さっさと着替えて終わらせよう」
;フェードアウト
;5秒程度間(少し長めです)
「…………あの、さ……せめて見たならリアクションを取ってくれないとこっちとしても困るんだけど? 黙って立ったまま見られると、その、なんだ……困る……う、うん? いや、かわいいって言葉は予想外にも程があるんだけど……それ、服が可愛いだけだと思うんだけど……というか、少女趣味にも程があるというか……ひらひらのふりふりで恥ずかしいんだけど……」
「ん? …………まぁ、スカートとか穿かされた事あるしね……それでも途中で着るの諦めようかと思うくらいには面倒だったけど……で、これで満足? それなら脱ぐけど……もうちょっとって……まぁ、良いけど……そもそもどうしてこんな格好をさせられてるのか理解出来ないんだけど……うん? 君の初恋? ……それと自分が今女装してる事に関係あるの?」
「……待って、ちょっと待って……えー、あー、うー……その……もしかして、なんだけど……昔、姉貴に女の子の格好させられてた時に、その……そういう、事……なのかな? ……うぁ……いや、気づかない方が幸せだったって……だって……数年来の幼馴染にそんな事を告白されても自分としてもどうすれば良いのか判らないんだけど……というか、その、やっぱり……困る」
「う……そういえばそうだった、男だって気づくまで結構時間かかってたね……妙に優しかったし……それでか……それでかぁ……あー……ほら、あれだ。子供の頃ならまだしも、今やっても男が女装してる見苦しい絵面だろう? そうかそうか、昔騙されてた事と初恋の結果として笑い飛ばすために女装させたんだな、ならしょうがないな、自分も悪いもんな、ははははは」
「ははは……はは……は、は……えっと、その……目が、色んな意味で……怖いんだけど? お、落ち着け! 良いか、子供時代特有の男女の見た目が判りづらい時期ならともかく、今はちゃんと男だって判ってるな? 判るよな? 判ろうか!? いや、その……ほ、本気で……言ってる、のか……? ……う、かわいいとか、言われても……だから、その、なんだ……困るってば」
「だ、だって……いきなりすぎて頭が追いついてないし……というかここでお、そうだったのか、実は自分もなんだはははは、って言えるくらい余裕ある訳ないだろ!? 予想つくか、こんなもの! え、えーと……い、いや、なんか……興奮、してない? おどおどしててかわいいとか、そんなつもり微塵もないが!? いや、ちょ……な、なんか怖いって……落ち着こう、な?」
「う、判った……なら、それで……いや、だって……なんか勢いで襲われそうだったし……そう思わせるだけの凄みがあったんだよ……で、えーと……ベッドに座ってポーズって……む、指定が多いな……えーと、こんな感じか? …………黙ったまま真っ赤になられても……その、なんだ……困る……というか、からかってるだけだろ、判ってるんだからな! 判って……るんだぞ?」
「……証拠って……い、いや、その、見たくないというか知りたくないというか、もうからかってるって事にしておいてくれるとありがたいっていうか……あ、ぅ……うぁ……え、えっと……元気に……なって、るな……? そ、それ以外どう言えば良いんだよ!? や、ちょ……ば、ばか、自分にそういう趣味は……ぁ、ぅ……そ、その……固くなってる……な……」
「……なんか、変な感じ……自分で興奮してるって思ったらやっぱり変だと思ってる、けど……こうして、こうなってるんだぞ、ってされると……そ、そんなにかな、って……あ、ぅ……そ、そりゃ、赤くなるくらいはなる……なんか、妙に恥ずかしいし……うるさい、普通ならバカじゃないか、頭を冷やせって言うけど……君があまりに真剣だから……自分も少し変になってるだけだ」
「付き合いが長いからね……知らない人にいきなり言い寄られれば迷惑なだけだけど……君相手だと迷惑とか以前に……どうすれば、って気持ちになる……無い、それは無い、自分はノーマルだ……というか、君は元々そういう趣味があったのか? ……なら、それに近い……の、かもしれない……う、うるさい、こんな急に……色々あって、混乱してるだけ……だと、思う……たぶん」
「ああ、もう、判る訳ないだろう!? 幼馴染から女装して欲しいって言われるのも訳わからないし、したらしたで初恋が自分だったとか言われて、その上今の自分でもそういう目で見られるって言われてそんなすんなり納得出来る訳んぅぅぅぅ!? ん、ちょ、なにし……ん、んぅぅ……んちゅ、ちゅぱ……れろ、ちゅるぅ……くちゅ、ちゅぱ……ちょ、これは……冗談じゃすまな」
;長めのキスです。最初は抵抗するも徐々に力が抜けていく感じです
「ん、んぅぅ……くちゅ、ちゅぱ……れろ、ちゅるぅ……ちゅぱ、ちゅるぅ……れろ、ちゅるぅ……こんな、冗談はやめ……あ、んぅぅ……んちゅ、ちゅぱ……れろ、えろぉ……くちゅ、ちゅるぅ……ふぁ、は……やめろ、って、言ってる……のにぃ……ん、んぅぅ……くちゅ、ちゅるぅ……れろ、ちゅるぅ……ちゅぱ、ちゅるぅ……ふぁ、は……んちゅ、ちゅるぅ……れろ、ちゅるぅ」
「ちゅぱ、ちゅるぅ……ん、ちゅるぅ……れろ、ちゅるぅ……くちゅ、ちゅるぅ……れろ、ちゅるぅ……ふぁ、は……ん、ちゅるぅ……くちゅ、ちゅぱ……ん、ちゅぅ……ちゅぱ、ちゅるぅ……んぅ……ちゅあp、ちゅぅ……れろ、ちゅぱ……ん、ちゅるぅ」
「ぷぁ、ふぁ……はぁ、ふぁ……ん……気が違った……なんて、言えないか……そりゃ、これだけハッキリ言われて、行動で示されたら……冗談だったとか誤魔化すのも無理だろう? ……そ、の……ただ、さすがにいきなりこういう事をするのはどうかと思う……ぞ? いや、その……なんだ、そういう事を聞かれても……困る……い、いや、別にそこまで……嫌だったという訳じゃ」
「……え、ぁ……~~~~っ!? と、とにかく! 今日はもう帰れ! そ、その……少し、落ち着く時間をくれ……さすがにすぐにどうこうなんて出来ないから……う……その……そんな顔するな……絶交だ、なんて言わないから……ん……じゃあ、その……また明日な……判ってる、逃げたりするものか……しないが……その……期待されても、その、なんだ……困る……からな?」
;3秒程度間