プロローグ1クールサキュバスの場合
ふふ、初めまして。
…そんなに驚かなくてもいいでしょ。
どこから入ったって、普通に窓から入ってきたけど…
人間世界の物質なんかに私が干渉されるはずないでしょう。
…あぁ、そう、あなた悪魔の類に会うのが初めてなのね。
それじゃあ驚いてもしかたないわね。
…自己紹介代わりにでも教えてあげる。
私はね、あなたたちのような低俗な人間とは違う種族なの。
悪魔…そうね、この場合サキュバス、と言った方がわかりやすいかしら。
そう、サキュバス。淫魔とも言うわね。
…ふーん、見るからに頭の悪そうな顔してるのに、そういう知識だけは豊富なのね。
その通りよ、あなたの精液を搾り取りにきたの。
まぁ、あなたの想像するものと、これから起きる現実には、多少誤差が生じるかと思うけれど…。
…あなた、随分若いのね。
強い精力の匂いがしたから来てみたけど、まさかこんな可愛い子だったなんてね。
新しい家畜が一匹欲しかったところだし、丁度いいわ。
…何言ってるの、家畜にするなら、若くて可愛い子がいいに決まっているでしょ。
あぁ、そっちのことね。
あなたはね、これから家畜としてサキュバスである私に飼われるのよ。
嫌だと言っても、搾り取れるだけ搾り取るわ。
どうせあなた彼女なんていないんでしょ?
いるはずないわね、彼女のいる人間にサキュバスは取り付かないもの。
何?あなたの一生使い道のない精子を私が利用してあげるって言ってるのよ。
これ以上嬉しいことはないでしょ?
まぁ、その代わり、あまりの快楽に心の弱い人間は壊れちゃうかもしれないけれど。
あなたの代わりなんて腐るほどいるものね、その点は問題ないわ。
何怯えた顔しているの。
せっかくこんなに若くて精力の有り余った人間に出会えたんだもの。
大丈夫、簡単に殺したりなんてしてあげないから、そんな簡単に死なれたらつまらないでしょ。
ふふ、でもそうね、逆にあなたの方から懇願することになるかもしれないわね。
もう許してください、殺してくれって…。